児童相談所88日目。「表と裏」
久しぶりだった彼との再会も、今回は新しい再会に変わっていた。つまり、この間の彼はすでに退所していて、代わりに入所した保護児童がまた久しぶりの再会だったってこと。
こんな身なり(今は髪の色が緑)の補助員なので、覚えてくれていて
「先生、髪の色そんなだったっけ?」って会話での和やかな再会だった。
入所してくる子どもたちには色々なタイプがいて、子どもらしい子もいれば大人びている子もいて。大人びている子はだいたいが非行の子。学校には行かずに社会に思い切り反抗して生きているから、なんとなく同世代の子達よりも大人びているし社会を知っている感じがす。
その中で僕が一番気になる子が
やけに礼儀正しくて、きちんとしている子。
礼儀正しくてきちんとしている子は社会的にはとか、大人的には重宝されるのだろうし、もちろんそれはそれでよいことなのだけど、僕にはその裏にある”なにか”が気になってしまう。礼儀正しくてきちんとしているから油断していると、どの人間にもあるような裏の暗い部分が別のところででているんじゃないか、家では悪態をついているのではないか、それが年齢が低ければ低いほどあるような気がする。
子どもは子どもらしくていいと思うし、大人に強制されたあいさつなんかできなくていいし、わからない感情を礼儀で潰さなくていいと思っているし。礼儀やあいさつは最低限の保身ではあるのかもしれないけど、子どもがそれを無理にすることで、抑圧された感情を放置するとそれがいつかどこかで爆発するって思っている。
欲を言えば、子どもたちにはその抑えきれない感情と、わからないままでいいから向き合い続けてほしいって思う。向き合い続けていればいつか答えのようなものがみつかるし、いろんな感情と折り合いをつけることができると思うから。
児童相談所の一時保護所には、そうやっていろんな子どもたちがくるけれど、子どもたちの素直な気持ちを素直なまま受け止めていたいって思う。
いつも読んでくださりありがとうございます。いろんなフィードバックがあって初めて自分と向き合える。自分を確認できる。 サポートしていただくことでさらに向き合えることができることに感謝です。