見出し画像

ごくうが行く:「はぶてる」ごくう

*「はぶてる」は方言で、剥れ(むくれ)るの意。

妻の妹と姪が来た。お客さんが来ると、ごくうは鼻泣き爆発!身体をくねらせ、なんと伝えよう、この喜びを。

歓談時間後、妻の妹と姪が帰るとき、またも鼻泣き、真っ先に玄関に、見送る待機。

飛び出るな、車は急に止まれない。危ないので、抱っこでお見送りの態勢。

前を見ると、姉妹が手を繋いで、妹がごくうを指さしている。姉は6,7才、妹は2,3才か。幼い姉妹だ。幼すぎる妹の指さす方向を姉が辿る。ごくうが抱かれている。姉妹のシグナルがごくうに飛んでくる。ごくうは大忙し。こっちを見送らなきゃ、あっちは可愛がってくれそう。

とりあえず、姉妹の方に。ごくうを姉妹の目の前で降ろせば、短い尾っぽを振り回す、いやお尻をクネクネ。姉妹は手を離さず、片手でごくうを順番に撫で撫で。姉は妹を先に撫でさせる。妹が満足すれば、自分が妹の手を握り、空いた手で撫でる。少し、用心深い。二人は撫で終わると、バイバイと引き返していく。

義妹と姪は準備が整うと、手を振りながらごくうにバイバイ。交差点を曲がると、ごくうは大忙し、部屋の中に向かって脱兎のごとく。「あひる」のおもちゃが飛んでくる。

図書館に行ったので、ごくうの散歩が遅くなる。ごくうは痺れを切らして鼻泣きを繰り返す。要求に応えて散歩に出かける。坂を下りていくコースを選択した。

交差点の向こうでココちゃんが待っている。見ると、道路を黒柴が交差点に向かってやってくる。3回目の出会い。黒柴は警戒しない。ごくうに挨拶。ごくうはココちゃんに会いたいのか、焦っている。すぐに信号を渡ろうとする。

「ここちゃんはごくうの彼女なんですよ」

黒柴を連れていた乙女は「そうなんですか」少し、あっけにとられている。ごくうは信号を渡ると、ココちゃんにご挨拶。と思いきや、一瞥して先を行こうとする。妻が「最近、あーなんですよ」「そうなんですか」とココちゃんのパパ。でも、一緒に散歩。

ココちゃんと別れ、ごくうの散歩は続く。妻のお大師堂をごくうは覚えているようだ。ちゃんとお大師堂に回る。一緒にお祈りして、妻は帰宅。ごくうは散歩を続ける。

いつものコースをいつものように散歩するが、今日はこちらが疲れている。信号を渡らず、もうひとコースをこなすが、今日は早く帰りたい。図書館の本を確かめたい。

「ごくう、帰りましょ」

ごくうは信号を渡るのが嫌な素振り。信号を渡りきる手前で仁王立ちならぬ、4本足立ち。動かない。「帰るのなら抱っこしろ」と言っているかどうかは分からない。じっと見上げている。(抱っこの合図だ)もうふて腐れている。いや、はぶてている。(剥れている)

まだ、家まで700メートルはある。抱き上げると、剥れが多少和らぐ。仕方ない、抱っこで帰るか。お尻が丸みを帯びている。食べないように見えても、カロリーは足りているようだ。






今年初めての抱っこ歩き