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三つ葉/ミツバ 日本も原産?

ミツバは、名前の由来となった-3つの小葉-が印象的な植物である。ミツバには香りがあり、一種の香菜である。ミツバは3小葉を食用とし、古くから野菜として利用してきたが、江戸時代頃から栽培されている。

ミツバはセリ科の多年草であるが、南サハリンから日本、朝鮮半島、中国、台湾に分布している。日本では、品種として、関東系と関西系に分化していると言われている。

ミツバは複数の茎が株立ちとなり、広がる。50センチ前後の高さである。太い茎から、先端に向けて一段と細い茎を伸ばし、小さな白い花を複数つける。花はやがて受精し、実となり、中にタネを包む。自由に任せると、タネは放散し、芽が出ているのを見ることができる。

ミツバ 花

ミツバ 実

ミツバは栽培されて市場で販売される。ミツバの栽培は1970年頃からは水耕法でも栽培されているが、伝統的には3種の栽培方法-青ミツバ、切りミツバ、根ミツバ-がある。

①青ミツバは栽培した三つ葉をそのまま切って出荷するタイプである。
②切りミツバは「軟化」という方法が採られている。根を切り取り、養生して出荷する方法である。
③根ミツバも土寄せなどする「軟化栽培」が採られている。

ミツバには栄養もあり、ビタミンのバランスが優れているといわれる。単に、汁物に添えられる「椀種」以外にも、ミツバとツナのごま和え、鶏肉や卵などとミツバとワサビであえるなどの料理がある。

*日本原産として考えられている野菜には、アサツキ、アシタバ、ウド、ジュンサイ、セリ、ハマボウフ、フキ、ミツバ、ワサビがある。

*平野秀雄(1967)『ミツバ-三つの栽培方法-』農山漁村協会。
*笠原安夫(1968)『日本雑草図説』養賢堂。