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樋口楓解体新書 -パーソナル篇-

この記事は「樋口楓をこれから追いたい!」という方や「既に樋口楓を追っているけど、もっと深いところを知りたい」という方に向けて贈る樋口楓入門書noteの三部作、その二作目である。

全三部作のうちの二作目にあたる本記事では樋口楓の性格やバックグラウンドなどの、これまでの膨大なアーカイブなど本人の口から語られたことから伺うことができる「パーソナルなこと」についてを取り扱う。

ちなみに、樋口楓の愛称である「でろーん」とは、樋口楓の名前の「かえで」の最後の一文字の「」にかかっており、授業中に机に突っ伏して寝ている姿が「でろーん」としているから呼ばれるようになった愛称である。

樋口楓のプロフィールを読み解く

VR関西に住む高校2年生。長身でスタイルも抜群。
幼い頃からトランペットが好きで、現在は吹奏楽部に所属している。
オシャレをすること、猫と暮らすことが生きがい。
好きなものについてもっと知ってほしくて、ライバー活動を始めた。

上の文章はにじさんじの公式サイトに記された樋口楓のプロフィール文である。まずは樋口楓という人間について、このプロフィール文を軸に語っていこう。

1.VR関西
樋口楓はバーチャル関西の出身である。実在地名に「バーチャル」とつける行為は今ではもう普遍的なものになっているが、当時は「バーチャル+実在地名」という概念は目新しく、「バーチャル世界はひとつのバーチャル世界だからバーチャル○○は無い」という批判の的になったと樋口楓は配信の中で回顧していた。

2.トランペットが好き
「樋口楓」は吹奏楽部所属高校2年生である。担当楽器はトランペット。愛用のトランペットはシルバーカラーのトランペットである。樋口楓は活動初期のミラティブ配信でトランペットの演奏を披露しており、また自身のファンメイドのオリジナルソング「奏でろ音楽!!!」では歌伴のトランペット演奏を担当している。

余談ではあるが、樋口楓が使用しているトランペットはヤマハのYTR-850Sである。そして、欲しかったけれどあまりにも高額で手が出なかったのは同じくヤマハのYTR-9335VS。トランペットを持つ樋口楓をファンアートで描く際は高額で手が出なかったトランペットを持たせてやると、もしかしたら樋口楓は喜ぶかもしれない。

3.オシャレをすることが生きがい
樋口楓はオシャレである。まず、樋口楓の2D衣装の多くは本人が実際に着ているものだという。そして、その他にも中国上海の空港で買った金色のチャイナ服を着たり、X-girlというブランドでパイソン柄のチャイナ服を買ったり、KENZOで服を買ったり。樋口楓は身だしなみに並々ならぬ力を注いでいる。そんな樋口楓の夢は全身GUCCIだという。そんな樋口楓のオシャレの一端が見えるのは、バーチャルYouTuberとしては珍しい部類にあたるお化粧配信だろう。

お化粧などの身だしなみに関して月ノ美兎から頼られることもあり、服装に関して月ノ美兎に意見をすることもあり、YuNi天神子兎音富士葵などの飯団四季メンバーからは「このシルバーのアイシャドウ、でろちゃんに似合うんじゃない?」と言われて買ってみたり。
樋口楓について語る上ではファッション・メイクなどの身だしなみ関係は欠かせないものとなっているだろう。

4.猫と暮らすことが生きがい
樋口楓の配信にときおり鳴き声として現れるのが猫である。有名な樋口楓の飼い猫は「ささみちゃん」という名前で呼ばれる。ただし、このささみちゃんという名前に限らず、樋口楓の飼う猫の名前は永久にその名前なわけではなく、実に流動的で可変的である。

過去には飼い猫の名前の変更をファンに託したこともあった。

5.好きなものについてもっと知ってほしくて
樋口楓は、自身がライバー(当時はにじさんじ公式バーチャルアイドルといった)としてデビューしたのは「好きなものをみんなに広めたかったから」ということを時折話している。
そして、その樋口楓がもっと知ってほしかった好きなものというのはネクソンのゲームである「マビノギ」だ。

樋口楓とマビノギの出会いは幼少期にまで遡り、当時近所に住んでいた「近所のおねえちゃん」がやっていたから自分も始めたのだという。
相当ハマっていたようで、今でもゲーム配信中にマビノギの話をすることが多々見受けられる。(いわゆる、「隙あらばマビノギ」である。)

また、樋口楓のマビノギのゲーム配信に関しては、ネクソンからの公式案件という形で行われている。

ちなみに、現在マビノギ配信は休眠状態となっている。


樋口楓という人間のこれまで

樋口楓のプロフィールに関しては上の通りである。では、プロフィール文に載せられていない部分の樋口楓とはどのようなものなのだろうか。
この項では、プロフィール文に載っていない、本人の口から語られたエピソードを基にライバーデビューまでの樋口楓の足跡をたどっていこうと思う。

1.厳格な両親のもとで育つ
樋口楓の両親は厳格である。母親は、樋口楓が「おかん」と自分のことを呼んだ際に激怒し、目覚まし時計が鳴っているにも関わらず目覚めなかったときは樋口楓に11連のビンタをし、樋口楓は鼻から出血したという。また、樋口楓の口調や言葉遣いは母親譲りだという。

2.家族構成
樋口楓の家族は猫たちである。弟とは仲が良く、妹とは喧嘩をしがちらしい。本人のカープ愛は父親譲りである。

3.自転車
樋口楓は高校と自宅の間を自転車通学しており、本人は40キロの握力は自転車通学の賜物だと言う。また、樋口楓は幼少期に自転車運転中に自動車に追突される交通事故を経験しており、その際に空中高く飛ばされて走馬灯を見ている。ヘルメットを着けていなければ三途の川を渡っていたようなので、子供の自転車ヘルメットが重要であることがよくわかる。

4.中高一貫校
樋口楓が通っている高校は中高一貫校であり、樋口楓は中学受験組である。中学受験組だから算数は得意、というのは樋口楓の口癖だ。


樋口楓の内面

ここからは樋口楓の内面について語っていこう。2020年現在、皆さんは一体、樋口楓にどのようなイメージを抱いているだろうか。
ヤンキー」や「怖い先輩」というイメージを抱く人が多いのではないだろうか。実はこれらの二つのイメージは最近になって大きくなってきたものである。しかし、ヤンキーも怖い先輩もどちらも樋口楓のリアルである。
樋口楓のヤンキー性については、実は活動初期から顔を覗かせていた。

上記の「関西弁コラボ」は2018年の10月に実施されたものである。このコラボ上において、樋口楓はカツアゲについて実演し、渋谷ハジメに「(カツアゲ)やってた?」と言われてしまう。また、当時としては珍しかったどちらかと言えば圧のあるストリート系のパンツルックの衣装ということもあり、前記のカツアゲ実演や全国的には厳ついイメージのある関西弁話者ということも相まって「樋口楓=ヤンキー」という図式が徐々に組み上がってきたのだろう。
また、「厳しい先輩」というイメージについてだが、こちらも本人が上下関係に厳しい吹奏楽部の出身であるということと、様々なことからうかがえるように体育会系の思考を持っているであろうことからも頷ける。

また、樋口楓の内面について考えるときに欠かせないのは親しい人たちによる樋口楓評だろう。そこで重要資料となってくるのが富士フジノ著の「起立!気をつけ!にじさんじ学園!」の1巻だ。

こちらの漫画にはJK組の各人の各人に対する印象などがインタビュー形式で書き記されている。そちらから一部抜粋してみよう。

樋口楓についての静凛評
皆をまとめる能力に長けている。明るい

樋口楓についての月ノ美兎評
「本当は繊細で感受性が物凄く強くて、我慢強い子

静凛による「皆をまとめる能力に長けている」という点については、1周年記念の鍋パ配信までの全ての1期生コラボを樋口楓が主体となって企画していたことからも納得できるものとなっている。
月ノ美兎による「繊細で感受性が物凄く強い」ということについても、ポケモン剣盾杯で自分の戦術ミスで手も脚も出せずに敗退した際に涙したり、シャニマス配信において和泉愛依をWING敗退させてしまった際に泣いたりしたことからもファンにとっては理解できるものだ。

しかし、月ノ美兎評の「我慢強い子」というものはこれまでファンには全くと言って良いほどに晒されることの無かった要素である。それもそうだろう。樋口楓はエンターテイナーであり、人に対して弱みや辛みを見せることはあまりしない。これは相棒である月ノ美兎や同じJK組の静凛も同じことなのだろう。彼女たちはあまり配信で弱音を吐かないし、それは「公式」バーチャルアイドルという「公式」の称号をもって非公式ライバーたちの模範となるべしというデビュー当初の意気込みから生まれたポリシーのようにも思える。

ただし、一度だけ樋口楓が配信で深刻な弱音を吐いたことがあった。その配信とは、麻雀ゲーム「雀魂」の配信「樋口、一色でアガれ!」である。

この配信は、まずこの前日に予定していた配信が中止となってしまったことについての謝罪から入り、本当にクソみたいなマシュマロを切り捨ててから始まる。
そして、この配信はときおり涙声になったりしながら続き、将来の不安であったり自分のこれからについてをマネージャーさんと相談したという報告が続く。この配信は月ノ美兎が評した「我慢強い子」というものをとても実感できるものとなっている。どうしてこういう配信が生まれたのだろうか。

それはやはり、樋口楓が先駆者だからだろう。
まだ黎明期だったバーチャルYouTuber界隈で、更にそれまでのメインストリームだった「3Dモデルを使った録画動画投稿形式」ではなく新たににじさんじが持ち込んだ「Live2Dモデルを使用した配信・アーカイブ形式」であり、また音楽系バーチャルYouTuberとしても富士葵などの歌唱動画投稿メインの人はいたにしても、全く自分と同じ形態で活動しているロールモデルにできる存在がいないという環境。見本が無いということは、何が正解か何が不正解かもわからないということである。

樋口楓は文字通り暗中模索で活動を続けた。 辞めたくなるような辛いこともあっただろうに、それでも活動を今日まで続けてきた。
それはまさしく、月ノ美兎のいう「我慢強い子」の証だろう。

総評:「樋口楓」という人

樋口楓とは、当然のことながら生きている人間である。だから、その人となりをとある一面で表現することはとても難しい。
プニキのゲームをやって暴言を吐く人、ストーリー系のゲームをやって感情移入をして泣く人、野球大好き、マビノギ大好き、極上生徒会大好き、ランティス所属のアーティスト……。

樋口楓のイメージについて挙げればキリがないだろう。それは、樋口楓という人間が生きている人間だからである。
とあるファンの言葉を拝借すると、「メイクも食事も衣装も、トレンドは目まぐるしく変わるもの」だから、樋口楓という人も絶えず変化しているものなのだろう。樋口楓という人の要素を汲み取ることはできても、樋口楓という人を文字や言葉で表すことは実に厳しいのかもしれない。

なんともフワッとした締め方になってしまったが、実の所長い間追っていても樋口楓の全てを理解することはできない。これは実際の人間関係に対しても言えることであり、その観点からも樋口楓はまさしく「生きている人間」なのだろう。

さて、パーソナル篇は以上となるが、最終章である「樋口楓とファン篇」までお付き合いいただけると幸いである。


三部「樋口楓とファン篇」

一部「軌跡篇」



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