
オランダ留学第2四半期報告 #8
どうも,つつっちです.
お久しぶりです.長らくnoteの執筆をサボっておりました.
年末年始から現在(2月下旬)まで,旅行,家族・友人のヨーロッパ訪問,試験期間に追われており,怒涛の毎日を過ごしていました.
次回以降の記事で,クリスマス旅行(🇩🇪🇨🇭🇱🇮🇦🇹🇨🇿),オランダで迎えた年末年始や,中学時代からの親友にとっての初海外で行った東欧旅行(🇧🇬🇹🇷🇲🇰)について共有したいと思います!
さてさて,オランダのデルフト工科大学に留学生活も,あっという間に第2Qが終わってしまいました.留学生活もが既に折り返し時点を迎えていることにゾッとします.
今回の記事では,第1Q終了時と同様に,第2Qの振り返りと第3Qへの展望について共有できたらとと思います.
どうぞゆっくりお時間があるときに読んでいただけたら嬉しいです!
第2Q振り返り
勉学
まずは,勉学について振り返っていきます.
基本的に大学の講義の内容を中心に学習していたので,履修した科目ごとにまとめてみます.
1. ICT Service Design 💡
キーワード:Design Science Research (DSR), Mockup design, Interviews, Business model, Group project
この授業では,ICT分野における新たなサービスのデザインの実践的に学びました.Design Science Research (DSR) のプロセスに沿って,各グループで新たなデジタルサービスのイノベーションを提案し,スタートアップとしてビジネスプランの作成までを経験しました.大量の論文・ハンドブックのリサーチ,専門家へのインタビュー,モックアップ作成,レポート作成,そしてピッチ・プレゼンなど,内容が盛り沢山でした.
僕らのグループは,スマートハウス内の自家用車,太陽パネルを含めた,あらゆる家電製品を,一元的に管理できるプラットフォームの提案をしました.既存のスマートハウス標準規格matterを応用し,新たにユーザーの行動を分析するAIの導入や電力網の統合を考えました.現実とかけ離れた,理想論的なプランだと思いますが,グループのメンバーでいろいろ議論するのは面白かったです.理想主義と現実主義のぶつかり合いも多々ありつつも,DSRのプロセスを根拠に折り合いをつけていきました.他のグループの提案も多種多様で,アイアンマンで出てくるようなバイタル情報を収集するスーツから,他人と日程調整を簡単にするサービスの提案まであり,興味深かったです.

2. Ethics of AI 🤖
キーワード:Ethics, Epistemology, Bias, Trustworthy AI, Privacy, Explanatory AI, Responsible AI
この授業では,AIに関する倫理を深掘りしました.倫理学の土台の規範倫理学(Normative Ethics)の主要な理論の功利主義,義務論,徳倫理学をベースに,現代のAI技術が直面する倫理的課題を多角的に議論しました.
倫理の科目特有の,二元論的ではなく,複数の視点や要素から捉える考え方が必要で面白かったです.既にAIが日常の中に溶け込んでいる現代において,普段目を向けてこなかった部分にもスポットライトを当てて考えるような体験を多くしたような気がします.
3. Agent-Based Modelling 🧑💻
キーワード:Socio-technical system, Complexity, Multi agent analysis, Group project
社会システムのシミュレーション手法のAgent-Base Modelingを実践する科目でした.僕らのグループは,アムステルダム国立美術館の火災発生したときの避難シミュレーションモデルを作成しました.実際の美術館の間取りをグリッドに落とし込んで設計し,そこで火災をランダムに発生させました.モデル内のエージェントとして一般客,子供やお年寄り,職員等でそれぞれ違った振る舞いを行うので,それらをモデルに実装しました.各々の振る舞いや行動原則は,実際の避難計画や美術館職員へのインタビューを通して定義しました.
モデリング自体はpythonを使って開発しました.人数や各人の行動を調整しながら,どのような条件下で,最適な避難計画が立てるか検証しました.コーディングの経験がないメンバーもいましたが,Chatgptの力を大いに使ってなんとかモデルを完成させることができました.現実の状況をモデルに落とし込む際に,多くの要素が単純化・標準化しなければならなく,そのバランスを調整するのが難しかったです.特に,RO(研究目的)やRQ(研究課題)を明確に設定する重要性を実感しました.(東工大の研究室の先生方が口酸っぱく言っていることですね笑)モデリングの世界では,やりたいことを詰め込みすぎるとカオスになるので,何を明確にするかの取捨選択がめちゃくちゃ大事ですね.

(これら点々たちがそれぞれ自分たちの役割に従って動き回ります.)
生活面・課外活動
旅行 ✈️
いやー,旅しまくったな〜.
クリスマスの時期には,ドイツ・オーストリア・リヒテンシュタイン・スイス・チェコを寝台列車で周遊しました.アルプスの山々,圧巻でした.
そして,2Qのテスト週間が終わると,今度はブルガリア・トルコ・マケドニアに行きました.特に,マケドニアのオフリド,美しすぎる,
これらの旅行については,また記事にしたいと思います!
陶芸 🎨
第2Qは,陶芸の講座を受講していました.以下,僕のまだまだ下手っぴな作品です.引き続き練習します.

スポーツ 🏃
コーフボール(オランダ発祥のスポーツ),ダーツや土曜朝の5kmランニングは引き続き継続中です.やっぱり,身体を動かすことが僕にとっての大事なリフレッシュ法です.
就職活動
自己分析というやつをやってみました.
少しづつ,「なりたい自分像」みたいなものが固まってきた気がします.就職活動をしていると,ついつい,”人気企業”や”憧れの業界”みたいなところに目が行きがちですが,やっぱり,僕は僕らしい道に進みたいです.
あと,大切な人たちと一緒に未来を考える時間も大事にしたい,僕にとって,就活って,自分だけの問題じゃないですからね.これからもじっくり話し合いながら進めていきます.
まとめ
振り返ってみると,第1Qと比較してより忙しくて,楽しい時間を過ごしたと思います.オランダの生活により適応することができていると実感しています.
ただし,予定をパンパンにするよりは,ゆとりを持ってバランスよく生活するのが僕のスタイルなので,メリハリを持って生活を送りたいと思います.計画や目標を立ててさらに充実した時間を過ごします.
以下は,第3Qの展望です!
第3Q展望
すでに,第3Qも2週目が終了しましたが,第3Qの展望を共有します.
勉学
第3Qも基本的には,大学の講義の内容を中心に学習します.以下,履修中の各科目の展望を紹介します.
Robots and Society 🤖
これは機械工学のロボティクス専攻のプログラムで開講されている科目ですが,面白そうなので履修してみました.ロボット/ AI と社会の関係を,倫理の観点から議論する授業です.毎週課題として出される論文をベースに,先生と学生で議論しあう,変わったスタイルの講義です.最初の講義で,ある学生が「倫理って学ぶ意味なくないですか?」と質問していたました.先生は,「普段の学びの中で心の中でぼんやりと引っかかっているor気づいていないものを取り出す/言語化する機会になれるような科目として提供したい」と.工学系学生(逆算思考型・論理型)が多い中で,みんなの頭から「?」マークが浮かび上がっていました.僕もある意味では,流れに身を任せながら,先生の大船に乗ったような気分で楽しみたいです.
「迷って,きっと迷いの中に倫理がある」by 話題の漫画Technology based marketing and sales 🧑💼
デルフト工科大学発のスタートアップの一員として,ビジネスやイノベーションを実践的に学ぶ科目です.僕が参加するのは,企業や法人の社内のナレッジベースをAIで最適化するシステムの構築を行なっているスタートアップ.このスタートアップでは,AIのインタラクティブな特徴を使って,暗黙知の多くを形式知に変換し,より有用なナレッジベースの構築を目指しています.レクチャーを通して学んだフレームワークを使って,そのスタートアップの企業活動でアウトプットするという,実に合理的な授業です.こスタートアップと大学(授業)がこんなに密接な関係を持っているのは,デルフト工科大学の特徴ですね.ちなみに,スタートアップのリーダーは,僕らと同じまだ修士の学生です.(すごいわーー)(カタカナいっぱいの文章になってしまった.スミマセン.)Mixed Research Methods for multi-actor systems 🔬
名前の通り,研究手法を学び,実際にペアで論文を書き上げる科目です.Mixed Research Methodsとは,複数の研究手法を混合して行うのですが,この科目では,主に「ケーススタディ」と「ゲーミングシミュレーション」を研究手法としてミックスして行います.マルチアクターシステムとは,多種多様な利害関係者(ステークホルダー)が相互作用しあうシステムです.僕らは,「ベルギー・アントワープ港の水素ハブへのトランジション」を研究対象にしており,なかなかとっかりづらい事柄も多いですが,面白いです.
生活面
旅行 ✈️
日本の卒業シーズンに合わせて,何人かの友人がヨーロッパに遊びに来てくれます.それに伴い,いくつか旅行の予定も入っています.楽しみ!!
第2Qから引き続きやっているもの 🏃🎯🎨
コーフボール,陶芸,ダーツ,ランニング,どれも継続していきます.
サイクリング 🚲
最近,サイクリングにドハマりました.友人からお古のマウンテンバイクを譲り受け,手入れをしたら愛着が湧きました.
サイクリング好きの友人と,僕の帰国前までにオランダからイタリアまで,サイクリングで行くことを目標に掲げました.
その第一トライアルとして,先週末にベルギーのアントワープまで片道120kmを一日で漕ぎました.寒かったですが体力的にはまだまだ余裕があるので,来週末は,さらに距離を伸ばして,ベルギーのブリュッセルまで片道160km漕ぐことにしました.ベルギー・オランダは,大地が平坦でかつ自転車専用道路が整備されているので,快適に走ることができます.そして,道中の景色がすごく綺麗です!
ヨーロッパの田舎は日本と違って,またいいですよ〜

こちらは,頼れる友人の背中.
彼曰く「チャリ漕いでいるとpureな自分に出会えるよ」らしい

就職活動・研究
政府の定める就職活動の解禁に沿って,本格的に多くの企業が”正式な”採用活動を開始します.いくつかの企業にはすでにエントリーシートを提出してみましたが,3-5月の間に照準を絞って,現在準備しています.説明会や1dayインターンなどにもいくつか参加しておりますが,どれも時差の関係で,開催時間がこっちの夜中で大変ですが,頑張っていきます!
内定もぎ取るよーー
与太話:文章力の低下
さて,ここで与太話を・・・
生成AIを当たり前に使用する現代において,書くということを,自分だけの力で行うことがほとんどなくなりました.
もちろん,AIに全幅の信頼を置いて,0から100まで文章を作成させることはほとんどありませんが,ほぼ必ずと言っていいほどツールとして使用しています.例えば,レポートや文章を書くとき,僕の場合は,まずアイディアや書きたい内容・論の展開を箇条書きで羅列していき,あとは文章にするプロセスでは生成AIに助けてもらっています.なので,たまに0から自分だけの力で書いてみようと思ってやってみると,支離滅裂な文章になることがよくあります.危機感を感じていると同時に,生成AIが上手に使えるならば実用上の大きな問題はないのかなとも思います.でも,自分が本当に表現したい(芸術としての?)文章を,完全オリジナルで書くのができなくなっていると実感しています.おそらく,僕だけではなく,AI世代の多くの人がそうではないか.もちろん,僕自身が小説や文章の書き手になりたいなんていう願望は毛頭ない(というか無理)ですが,たまに自分らしさの文章はなんだろうと思うことがあります.
なので,今後のnoteの記事は,生成AIをほぼ使わずに書こうと思います.(今までは少し使っている時もありました.)
読みにくい文章になるかと思いますが,ありのままの言葉で伝えたいと思います.もしもよろしければ,これからも引き続き読んでいただけたら幸いです.
まとめ
いやー,かなり久方ぶりの投稿となりました.
ここまで読んでくださった皆さん,ありがとうございます.
今回は,第2Qを振り返り,第3Qの展望を紹介しました.また,最後にちょっとだけ,与太話をしました.
次回以降の記事から,少しスタイルを変えてみようと思います.
投稿頻度の向上,もっと日記っぽくしたいと考えているので,週1ペースでもっと自由度の高い・ラフな感じにしていきたいなと思っています.SNSの投稿並みに,短い文章になっているかも・・・
よかったら,引き続きどうぞよろしくお願いいたします.
今日の格言
チャリ漕いでいるとpureな自分に出会えるよ
pureじゃない僕のために向けた言葉なのか,それともこれは真理なのか・・・