進化の先に起こること。
進化
改革
今よりも進んだ先にある
見たこと、経験したことのない世界
憧れますよね?
菌やウイルスの世界を見てみると
彼らが望んで、そうなったのかどうかは分かりませんが
種の保存と繁殖のために
順応し、獲得し、進化します。
一般的には劣性遺伝(ミスコピーの発生などによってオリジナルよりも劣化した状態で受け継がれる)が多いと言われていますが
皆さんもご存じの通り「とんびが鷹を生む」というような優性に働く遺伝もあります。確率的には同じか劣性が多いので優性が起きるのは稀なことになりますね。
きのこを例にお話すると
きのこも菌の個体によってユニークなものがあります。
人間と同様にDNAで見てみると、過去にどこから発生して、どのように分化して、どのように変異を遂げたのか、ライブラリとして見ることができます。
ウイルスも系統樹が公開されているので興味がある方はご覧ください。
きのこは食卓に登場する食材としてのみではなく
医薬品としての研究も盛んです。
もちろんサプリメントとしても重要なテーマです。
上の系統樹でもお分かりの通り
きのこを含む菌は変化します。
受動的にも能動的にも変化します。
わたしたちはきのこの変化を意図的に起こす実験などもしてきました。
ここで本日の話題に戻ります。
進化です。
きのこのDNAや機能を様々なデザインによって意図的に進化させるわけですね。しかし、先ほどの話に出てきた通り、多くの進化は劣性または現状の維持なわけです。
たまに素晴らしい個体が発現することもあります。
しかし、そのハッピーな出来事も永遠ではありません。
その優性に向いた個体も
一定の繁殖を行うと先祖返り
というようにオリジナルに近い状態まで戻ることが現象として見られます。
進化 + 進化 + 進化 + 進化 + 進化 =
ハッピーな未来とは限りません。
進化 + 進化 + 進化 + 進化 + 進化 =
オリジナル以下の状態への後退である想定も考えられます。
1回ごとは確かに進化なのかも知れません。
しかし、進化の方向性が一定でないと考えれば
一周回って真逆に向かうこともあるということです。
最近は人間の思考も進化や革命という架空の世界を望む思考のみではなく
復古という回帰に近い発想をされる方もお見受けします。
菌やウイルスも一定期間を経て先祖返りをする意味を考えると
変わることは1回だけを見ると進化であっても、
長く続くと多くが劣性に向かう可能性を示唆しているように感じます。
人類も、長きに渡って進化を続けてきたのであれば
当人たちの意識下ではどうなのか分かりませんがオリジナルよりも劣性に向いてきたのかも知れませんね。それにいち早く感じ得た方が復古や回帰をご提案されているのかも知れませんね。