【読書記録】わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) 1〜2
2021年213、214冊目(漫画等128、129冊目)。
この前はBL だったので今度は百合です。
主人公の甘織れな子は根がコミュ障の陰キャで、ぼっちで中学時代を過ごしていました。自分を変えるため、リア充陽キャを目指して高校デビューをします。
れな子が出会ったのは、有名デザイナーの母親を持ち、自身もモデルとして活躍する王塚真唯。偶然真唯の隣の席だったれな子は、最高の高校生活を送るため、真唯のグループに入ることにします。
しかし、元々陰キャであるれな子は明るい陽キャとして振る舞うためのMPが枯渇。屋上で黄昏ているところを真唯に発見されます。色々あって、れな子は真唯に本当は人と話すことが苦手であることを明かします。陽キャである真唯はれな子の言うことを完全には理解できないものの、似たような感情になることはあるといいます。
果たして皆は本当の私を見てくれているのだろうかと……
急に寂しくなる日だってある
私は求められている王塚真唯像をただ演じているだけなのかもしれないな
周囲も明るい人間ばかりだったのか、それとも本心をあかせる友人がいなかったのか、真唯が他人に弱音を吐くのは初めてのことでした。
前向きに頑張ることはいいことだけど、時々立ち止まってもいい。自分は受け入れるし、そばにいるよ。れな子は自分が誰かに言って欲しかった言葉で真唯を励まします。
距離が縮まった二人。もしかしたら真唯と親友になれるかもしれないと期待したれな子でしたが、真唯が告げたのは愛の告白でした。
ここから親友がほしいれな子と、恋人になりたい真唯のドタバタが展開されます。真唯は自分が相手の理想像を演じていると感じるのと同じくらい、相手も自分が思った風に動くと思っているようで、かなり傲慢なタイプと感じました。惚れた瞬間からキスや肉体関係を狙ってくる真唯は明らかにやりすぎです。
真唯が紗月の前では泣くという設定が出てきましたが、それだと初めて弱音を吐いたのがれな子という設定と矛盾するのでは……? あと、紗月はれな子に釘を刺そうとする前に真唯を叱ろうよ……。いや、叱ろうとはしたのかな? 紗月のキャラがイマイチ掴みきれていません。
総じていえることは、各キャラ達がテンプレ的な動きを見せつつも、それだけに収まらない複雑な内面を抱えているのだろうということです。現段階だとそれがすべて明かされていないために、各キャラの行動に納得がいかないのかなと思いました。
漫画として見るとむっしゅさんの画力が高く、読みやすいです。また、一貫性を無視して各場面だけで見るとぐいぐいと読ませる力強さがありかなり面白いです。なので、次巻ではもっとキャラの内面が明かされて、行動原理が読み取れるようになってくれるといいなと思いました。