見出し画像

師走のクリニック

日本の12月です。

12月になったとたんに、人も、車も、
自転車やバイクも、道にあふれています。

わたしが長年住んでいる月島から、
築地を通って銀座まで、
毎朝とても混むようになりました。

わさわさした雰囲気が、
車や人やオートバイの様子から伝わってきます。

クリニックも、たくさんお客様が来ています。

今年のうちにドックや検診を
受けておこうと決めている人、

年末年始にお薬がなくなりそう、
とあわてて取りに来る人

(うちでは、ネットのアプリ“WLクリニック”で、
お薬のみ、検査のみの予約ができます。

医師の診察に入らなくても前回の診察から半年以内なら、
お薬だけ〇日に取りにいきます、
○○が何日分ほしいです、という予約ができます。

受付にきてくだされば処方箋が用意されています。)

不正出血やかゆみ、おりものがあるので
ちょっと見てほしい、できたらきょうという電話。

内科も、美容皮膚科も(シミ取り)、乳腺科も、
予約がいっぱいです。

秋のドックでひっかかったから
年内中に専門医にもう一度見てほしい、

大学病院や専門病院に紹介してもらえますか?とか。

がんがみつかったと
治療のセカンドオピニオンを求めてくる人も。

実は、うちのクリニックは、単に
ドック・検診や一般診察だけではないんです。

各科とも専門医が診ていますので、
精密検査、診断と詳しい説明、

大学やがん病院への紹介
(病診連携で直接電話をかけて予約をとってあげると、
病院連携室が最速で予約をとってくれます、

あるいは教授や先端医療の医師に
電話やメールをして直接予約をとってもらうことも)

があっという間にできるクリニックなんです。

最近、研修期間が終わったばかりの医師が、
クリニックを開業しているケースをよくみますが、

数年の研修だけでは、がんにしろ、不妊や周産期にしろ、
専門施設の、誰にどのようにつなげばよいのかの

「判断材料(知識と経験)や人脈」が
乏しすぎるのではないでしょうか。

逆に、それはもう少し詳しい検査して
きちんと診断してからでもいいでしょう、

あるいはクリニックでも治療(手術)できるでしょう、
という段階で、さっさと大学病院に送りつける医師もいます。

もちろん、紹介のタイミングが遅すぎるのはまずいです。

が、大学から、「外来で経過をみさせていただきます」

あるいは「当院では取り扱いできません」
と突き返されることもあるんです。

受ける方も、研修医や若い医師たちですので、
チーム医療とか上の医師が監督しているとはいっても、

大学も大変だな、あるいは大丈夫かとは思いますが。

私は、紹介先から来たお返事をいつもチェックしていますが
(各科の医師が、かなりたくさん送っています)、

クリニックや外来の医師の診断や説明は、
なんて大切なんだろうと思います。

少しでも疾患やその治療の選択について、
患者さん自身がきちんと理解し選べる環境を作らなければ、
と努力してきたクリニックの22年間でした。

昔は、病気の診断と治療法選択は、医師の専権事項で、
「専門家である自分が言うんだから従いなさい」
という風潮でした。

でも、2000年ごろにはインフォームドコンセント
(ちゃんと説明して了解してもらうこと)の時代になり、

今はシェアードディシジョンメイキング
(情報を医師と患者が共有し、
一緒に治療方針を決定していくこと)が
大切と言われています。

わたしにとっては、それはまったく当たり前のことで、
クリニックを開くずっと前から実践してきたことです。

1990年代、SRHR
(セクシャル リプロダクティブヘルス&ライツ)が
国連で採択されたとき、

これを当たり前のこととして実現する日本社会にするんだ、
と心に決めて診療してきたのです。

妊娠も避妊も中絶も、出産もその間隔も、

また誰といっしょに育てるのか、
どのような家族になるのか、

それはすべて
「ひとりひとりの女性が
決めていくこと、決めていいこと」

を基本とする考え方がSRHRです。

病気の治療や病気との付き合い方も、

「患者さん自身が決める」あるいは
「生き方や考え方も自分できめる」で当然です。

そのための判断材料となる医学的所見、治療のさまざまも、
そのエビデンスも、現在わかっている
最新知見を紹介してよく理解していただく。

質問や疑問もどんどんなげかけていただく、

我々もわからないことは、
「それは現在の時点ではこれしかわかっていない、
定説ではこうだがこういう考え方もある」と紹介する。

だからこそ、我々専門家は
よく勉強しなければならないし、

患者さんと一緒に、よく話し合って
方針を決めていくことが大事です。 

私をかかりつけとして信頼してくださる患者さんは、
私が大学病院にいたころから、
また国立病院や都立病院で診療していたころから、

母娘で、姉妹で、ずっと通ってくださっています。

私は、大学病院とその関連病院(専門領域)に16年いて、
最後の方は、研修医や若い医師を指導しながら
診療の責任をもつ立場で仕事をしていたので、

いま、直美=チョクビ
(研修医あがりで直接美容外科に行く医師)や
直開業?の医師に言いたいのは

「甘すぎる!医療行為や医師の責任、
いや、女を甘く見るな!」です。

医師は、フレンドリーな
コミュニケーション能力も必要ですが、

患者をひとりの人間として全体を、
そして取り巻く環境や社会をみながら

“徹頭徹尾、患者さんの味方として
全力を尽くす”医師でなければ、
女性を診る医者にはなれないと思います。

患者さんに寄り添います、とか、
20年も前にわたしが発信したフレーズを、

美容クリニックチェーンとかに使ってほしくないわ!
とブツブツつぶやいている師走の対馬ルリ子でした~


* * * * *

対馬ルリ子の会員制オンラインコミュニティ「ohana*club」
https://w-wellness.jp/ohanaclub/


「対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座」
婦人科、産科、女性内科、女性泌尿器科、皮膚科、乳腺科のほか、未病を管理する腸内洗浄、漢方カウンセリングを備え、包括的女性医療を提供します
https://w-wellness.com/

ご予約はアプリで
https://w-wellness.com/_itsystem/support/

緊急避妊薬、頸動脈エコー、フェムタッチレーザー
03-3538-0270


「女性ライフクリニック新宿伊勢丹」
自由診療のみ。新宿伊勢丹本館B2階にあり、予約なしで受診できます
https://w-wellness.com/shinjuku/


総合カウンセリング
*対馬ルリ子&吉川千明*カウンセリング「ビューティー&ライフ相談」
https://w-wellness.com/_itsystem/support/

ダイエット外来
https://w-wellness.com/_itsystem/support/
対馬ルリ子の書籍
https://onl.la/EGGdWZZ

日本女性財団
https://japan-women-foundation.org/

パーソナル健康学
https://www.personalhealth.jp/


いいなと思ったら応援しよう!

女性の人生を応援する産婦人科医 対馬ルリ子
産婦人科医の対馬ルリ子です。 ブログを始めました!