今年の誕生日に。
3月16日は私の誕生日です。
誕生日を迎えるのが、
複雑な気持ちになってきました。
自分が感じている年齢と客観的な年齢が、
あまりにかけ離れているせいです。
50代になった時、
「半世紀も経った」と思いました。
55歳になった時
「これからは前向きに進むしかないゴーゴー!」
と掛け声をかけました。
60歳になった時
「還暦ってまだ若い、ダブル還暦を目指して行こう」
というキャッチフレーズを考えました。
そして今、
あっという間に60代後半です。
この15年が、あっという間すぎてびっくりです。
そして気持ちは50才と変わらないのに、
年月だけがすぎ去って行ってしまいました。
まるで浦島太郎です、どうしよう?
私が大学系列の病院を辞めて、
大学病院、国立、都立と、働いてきた
「大学や大病院の医師」ができない女性総合診療を、
仲間たちとやって行こうと
ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニックを立ち上げ、
かつ全国の仲間と連携して
女性医療ネットワークを立ち上げたのは、
42歳の時でした。
30名ぐらいで立ち上げた女性医療のグループが膨れ上がり、
すぐに600名ぐらいになりました。
そして「女性の、女性による、女性のための医療」を模索して、
仲間たちと毎月の勉強会、年に数回のシンポジウム 、
毎年どこかに研修旅行、海外視察と、活発に活動してきました。
その頃と思いや情熱は変わらないのに、
世の中は流れ、相変わらず日本の女性たちは
「ピルって怖い薬じゃないですか?」
「女性ホルモン補充治療はがんになると聞きました」
のレベル。
女性特有の体調不良は強調されるけれど、
ピルやH R Tで体調をコントロールする、
ふつうの女性の健康管理法や自立のための強い意志は、
ほとんど見当たりません。
私って何をしてきたんだっけ?
それでも少しずつ変わってきたと、皆が言います。
これからもっと変わると期待していいと。
私には、それさえも20年以上前に聞いたデジャブです。
ああ、これから私は何ができるんだろう。
あと何年、同じところで、
グルグル同じことをしていればいいんだろう!
肉体年齢は、もう歳だよ、
もう諦めて休む時だよと言っているのに!!
ということで、本日、誕生日は、自分の年齢に驚きながら、
全くできていない私の野望の前に呆然と立ち尽くしています。
そうしている間に日本はどんどん沈没していく。
世界はどんどん破滅に向かう。
それなのに私は、
なんの役にも立つことができないのか?
日本を、世界を救うために。
ヒントは女性だということがわかっているのに・・
明日は上の娘の結婚式です。
彼女は、今、自分が生まれた病院で働いています。
彼女が産まれた時、私は自分のことを、
大海に漕ぎ出していく船乗りのように感じていました。
これからどんなことが起きるんだろう、
私が産むこと、働くことには、
様々な困難が待ち受けているに違いない。
でもきっとそれを乗り越えていく価値が、
私の人生にはあるんだ、と信じていました。
あれから36年。なんて月日が経つのは早いんでしょう!
振り返って懐かしむヒマもないぐらい、
私の日々はどんどん密度を増していきます。
そして私のこれからの一年には、
様々な役割とスケジュールが
ミルフィーユのように重なりあって待ち受けています。
まるで私の肉体と精神の限界を試すように!
もう一度船乗りになって、
いや今度は、
船団を率いる船長の気分になって、
無事を祈りながら次の航海に乗り出していくとします。
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