縦割れの謎/手荒れの恩恵
ほとんど水仕事をしないのに、なぜか毎年アカギレができてしまう。それが、これまでは主に指の関節の部分が皺に沿って割れていたのだけど、今年はなぜか縦に亀裂が入っておる。
溝のとおりに裂ければ楽なものを、どうしてわざわざ皺を横断する気になったのか。どうでもいいことだけど気になる。
ところで、恋人は、肌が弱いのに手だけは荒れたことがないらしい。私の部屋で食事をしたときは、ほぼ毎回後片付けをしてくれるのだけど、素手で、しかもお湯を使って食器を洗うという、私にとっては自殺行為に値することを平然とやってのける。
めんどくさいのが死ぬほど苦手な私としては、ゴム手袋なしで水に触れられるその手軽さが羨ましい。だけど、「まちの手がかわいそうなことになってるから」と自ら進んで袖まくりをしてくれる彼の背を見ると、手荒れしやすいのも悪くないなと思えてしまう。
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