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クリストファー・ラブロック:サービス・マーケティング②


クリストファー・ラブロック:サービス・マーケティング②
 
「一流の企業は8Pに大いに取り組んだ」
サービス・マーケティングによる8Pの実践によって多くの企業が学びを得て、成功していますが、そういった企業には以下のような企業があることが成功事例として挙げられます。
 
①Google、②Amazon、③Airbnb、④サウスウエスト航空、④Apple、⑤Microsoft、など、そうそうたる企業が名を連ねています。これは、もはや、サービス・マーケティングの8Pを無視して、企業が成功するのは難しいということでしょう。
 
Googleは、史上最も成功したサービス・マーケティング企業の一つです。Googleは、顧客がオンラインで製品やサービスを検索し、見つける方法に革命を起こしました。その後も、検索エンジンの改良、Google広告、YouTube(2006年に買収)など、さまざまなツールの開発に携わってきました。現在、Googleはディスプレイ広告やペイパークリックキャンペーンを含むデジタル広告サービスも提供しています。
 
Amazonは、送料無料やストリーミングサービスを提供するプライム会員をはじめ、電子書籍リーダー「Kindle」や食料品配達サービス「Amazon Fresh」など、幅広いサービスを提供しています。Amazonは小さなガレージにて創業されました。当時は資金難に苦しみ、自転車操業でしたが、本のオンライン販売に目を付け、誰でもオンラインで物を販売できるサービスとして会社を急成長させました。Amazonも業界に大きな影響を与えた強力なサービス・マーケティング企業です。彼らは、Amazon PayCode、Amazon Cash、Amazon Primeなど、さまざまなサービスを生み出しています。
 
Appleは、最も革新的なサービス・マーケティング企業の1つであると見てよいでしょう。彼らはApp StoreやApple Musicといったサービスを生み出してきました。また、ケース、充電器、ヘッドセットなど、製品に付属するさまざまなアクセサリーを提供しています。彼らの製品は、高級感があり、信頼性が高いというイメージがあり、顧客から人気のある選択肢となっています。
 
マイクロソフトもまた、サービス・マーケティングに成功した企業です。彼らは、パーソナルコンピュータシステムからクラウドストレージソリューションに至るまで、ビジネス向けの製品とサービスを提供しています。その他に、Office SuiteやExchange Serverなど、さまざまなソフトウェアアプリケーションやサービスも提供しています。
 
「顧客満足度の中に新たな創造性を付加せよ」
一々挙げれば、きりがありませんが、サービスとは何か、どんなサービスをすれば顧客は満足するか、などサービスの極致を探る戦いにおいて、サービスの在り方の顧客満足度という着地点を探り当てた企業が、結局、勝利を掴みます。
 
これは待ったなしの残酷な戦いです。一旦、成功を掴んでも、油断すれば、明日は奈落の底かもしれません。これは何を意味するのか。サービスというものの怖さです。これを軽んじたらおしまいです。それがサービスというものです。
 
顧客は神様かもしれませんが、サービス(種々のサービスがある)を忘れたら、顧客は閻魔大王様になるかもしれません。ご注意を!
 
「ラブロックの経歴」
クリストファー・ラブロック(Christopher・Lovelock)は、サービス・マーケティング研究の第一人者です。アメリカのマサチューセッツを拠点に、サービス戦略の策定や顧客のサービス経験のマネジメントを主なテーマとして世界各国でコンサルティング活動を行い、マネジャーを対象としたセミナーを開催してきました。
 
2001年からはエール大学のビジネス・スクールで特任教授としてMBAコースのサービス・マーケティングを担当しました。エジンバラ大学においてBComおよびMA取得後、J・ウォルター・トンプソン社のロンドン・オフィスで広告ビジネスに携わり、モントリオールのカナディアン・インダストリーズ社に転じて経営企画に参画しました。
 
その後、ハーバード大学でMBA、スタンフォード大学でPh.D.を取得し、博士研究員となります。ハーバード・ビジネス・スクールで11年、スイスの国際経営開発研究所の客員教授として2年の大学教員としてのキャリアを持っています。
 
また、UCバークレー校、スタンフォード大学、MITスローン・スクールでも講座を担当し、フランスのINSEAD、オーストラリアのクイーンズランド大学でも客員教授として教鞭をとりました。
 
サービス分野における第一線の研究は広く認められ、栄誉あるAMAのサービス部門賞を受賞しています。2005年に発表したエバート・グメソンとの共同論文「Whither Services Marketing? In Search of a New Paradigm and Fresh Perspectives」は、AMAのサービス部門の最優秀論文に選ばれ、『Journal of Service Research』の最優秀論文IBM賞の最終候補となりました。
 
この他、『Journal of Marketing』の最優秀論文賞を受賞し、数々の素晴らしいケース・スタディが評価されて『ビジネスウィーク』誌の「European Case of the Year」を二度授与されています。ラブロックはこのような経歴の通り、まさにサービス・マーケティングの理論的、実証的研鑽を積んだ正真正銘の大家と言えるでしょう。
 
「サービス・マーケティングに生涯を捧げた男」
『ラブロック&ウィルツのサービス・マーケティング』というサービス・マーケティングの教科書にもなっている名著を読みますと、次のような言葉に出会います。
 
「サービス品質は「真実の瞬間」に決まる。そこには顧客とサービス提供者しか存在しない。・・・サービス提供側の技能やモチベーションおよびサービス手段と、顧客の期待や行動が出会うことでサービス提供プロセスが誕生するのである。」という表現や
 
「「顧客歓喜」には、期待を超えるサービス・パフォーマンス、感動や興奮などの気持ちの高揚、楽しみや喜びや幸せなどのプラス効果、という3つの要素が必要である。」という表現で、サービスの効用を語っているのを見出しますが、
 
それこそが、サービスの極意が達成された状態であると解釈することができます。少し大げさな表現であるとしても、もしそういうサービスを経験することができるのであれば、経験したいと誰もが思うはずです。
 
何らかの商品を手にしたとき、その出来栄えに驚嘆し、ワクワク感が止まらないといった経験は一度や二度はあるでしょう。顧客歓喜は、商品の優秀性と顧客サービスの優良性によって、完成の領域に達するのです。

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