パワハラ議員? 鶴ヶ島市議会自民党系・最大会派会長の高橋剣二(けんじ)議員は新人女性議員にパワハラを行ったのか @takakenkabachi @tsuruikoclub @tsuru_shigikai
想像してほしい。
あなたは去年初当選したばかりの現在43歳の女性議員だ。政党にも会派にも所属していない。
議場で市長の答弁姿勢を批判した直後、市長派・自民党系最大会派会長の男性ベテラン議員から呼び出され、他の議員がいる前で長い時間「アドバイス」を聞かされる。
翌日、その男性ベテラン議員がXで「関わってはいけない人」「カス」「嫌いな人」とポストした。
これはつい先日、埼玉県鶴ヶ島市議会で実際に起きたことだ。
市長派・自民党系最大会派会長の男性ベテラン議員とは高橋剣二議員、無会派の女性新人議員とは福島めぐみ議員だ。
政治家によるパワハラが連日ニュースを賑わしている。兵庫県知事によるパワハラ被害を訴えている職員は相当数にのぼり、元局長が自殺、百条委員会の設置、副知事は引責辞任、議会では知事に対する不信任決議案が全会一致で可決するなど、前代未聞の大騒動となっている。
政治家のパワハラ事例は枚挙に暇がない。
職員に対してだけでなく、先輩議員から後輩議員へ、男性議員から女性議員へ、多数派から少数派へのハラスメントは日常的に起こっている。
議員は一般的な雇用とは異なり、「パワハラ防止法」などの法律が及ばない。パワハラやセクハラを受けた時の相談先もない。その環境を利用して、力を持っている議員は弱い立場の議員をいじめ、都合の悪い発言を抑圧しているとしたら、大問題である。
いかなる環境においてもハラスメントは許されない。特に、議員間のハラスメントを許せば有権者の多様な声は議会に反映されなくなる。議会ハラスメントは民主主義の敵だ。
この記事では、私の暮らす埼玉県鶴ヶ島市の市議会で起きていると見られる、議会内パワハラ疑惑について書く。
詳細に論点を追うので冗長な部分もあるかもしれない。目次からジャンプし、興味のある項から読んで頂いて構わない。
登場人物紹介
この記事の、主な登場人物を紹介する。
何が起こったのか - ざっくり
一行で書くなら、
市長を手厳しく批判した無会派の新人女性議員に対し、市長派のベテラン男性議員が長時間の「アドバイス」やSNSのポストを使って圧力をかけたのではないか
という疑惑だ。
具体的な出来事は以下の2つ。
市長派・最大会派会長のベテラン議員(高橋剣二議員)が無会派の新人女性議員(福島めぐみ議員)に対し「長い時間」の「アドバイス」をした
X(旧Twitter)で高橋剣二議員が福島めぐみ議員を指して、「関わってはいけない人」「カス」「嫌いな人」など悪質なポストをした
何が起こったのか - くわしく
事実を確認していく。
1. 福島めぐみ議員の一般質問直後に高橋剣二議員が「長い時間」の「アドバイス」をした
2024年9月19日、鶴ヶ島市議会では9月定例会の一般質問が行われた。福島めぐみ議員は4つのテーマを扱った。そのひとつ「市長の答弁姿勢を問う」の内容の一部を高橋剣二議員が問題視したことが、パワハラ疑惑の発端だ。
福島めぐみ議員は齊藤市長がこの一年、一般質問において議員からの質問へ直接答弁せず、執行部に答えさせていることを問題視した。市長は昨年6月定例会一般質問において9回答弁したが、その後答弁回数は徐々に減少し、今年6月定例会一般質問では0回となった。このままでは「市民は市政の透明性や市長のリーダーシップに対して不安を抱き、ひいては市政全体への信頼が揺らぐ恐れ」があるとして、福島めぐみ議員は問題提起したのだ。
福島めぐみ議員は「細かな数字や施策の詳細については執行部が答弁することに問題ない」とした上で、市長の答弁拒否の具体例として、自身の過去の一般質問から市長が答弁しなかった質問を4つ例示した。高橋剣二議員が問題視した質問はそのひとつだ。
その質問とは、昨年9月定例会の「災害時に正確な情報を迅速に伝えるために」と題した質問の中の一節だ。
60分の一般質問が終了した直後に、高橋剣二議員は福島めぐみ議員を呼び出し、大野洋子議長、内野嘉広副議長、議会事務局長の3名を同席させ、「長い時間」にわたって福島めぐみ議員に「アドバイス」をしたようだ。
2. X(旧Twitter)で高橋剣二議員が福島めぐみ議員を指して、「関わってはいけない人」「カス」「嫌いな人」など悪質なポストをした
福島めぐみ議員に「アドバイス」をした日の夕方、高橋剣二議員はXでこのようなポストをしている。
後で確認するが、このポストの内容は福島めぐみ議員を指している。
高橋剣二議員は、
と言いたいのだろう。
このポストに対して、私(鶴ヶ島たろう)が以下の引用ポストをした。
このポストを、今度は福島めぐみ議員が引用ポストした。
「注意」という言葉を使ったことが気に入らなかったようで、高橋剣二議員が引用ポストする。
「注意」ではなく「アドバイス」であることを、高橋剣二議員は強調したかったのだ。
これを受けて福島めぐみ議員は高橋剣二議員に謝罪ポストをする。
「アドバイス」を「注意」と書いただけで、これほどの謝罪をしなければいけない力関係にあることが伺える。
なぜ、高橋剣二議員は「アドバイス」という言葉にこだわったのだろうか。「注意」をしてしまえばパワハラになりかねないと、高橋剣二議員は自覚していたからではないか。
また、「注意」か「アドバイス」か「叱責」かは、言った側(高橋剣二議員)ではなく、言われた側(福島めぐみ議員)の主観や、状況・文脈で決まるものではないだろうか。
このあと福島めぐみ議員はフォロワーからのコメントに対し、このようなポストをする。
これを引用して、私が次のポストをする。
私のポストの趣旨は、高橋剣二議員の「アドバイス」は議会ハラスメントであり市長からの圧力ではないか、というものだ。
これを引用して、福島めぐみ議員は次のポストをする。
高橋剣二議員は、この中にある「長い時間」という言葉が、またしても気に入らなかったらしい。
福島めぐみ議員は返答する。
// ※追記 2024-09-24 07:50
// 追記ここまで
高橋剣二議員は「アドバイス」の時間以外にも、「昔話的、雑談的な話をして、5人で爆笑していた時間もありました」とも書いている。加害者の典型的な言い訳だ。たとえば、レイプ事件の際に「被害者は笑っていた(からレイプではない)」などと加害者側は主張する。被害者心理を全く理解していない。
高橋剣二議員は自分で絡んでおいて、福島めぐみ議員の返答に答えることはなかった。答えない代わりに、次のポストをしている。
また、このようなポストをリポストしている。
「残念ながら、どう頑張っても話が通じない人」
「関わってはいけない人」
「カス」
「嫌いな人」
高橋剣二議員は福島めぐみ議員を名指していないが、「関わってはいけない人」「カス」「嫌いな人」などが福島めぐみ議員であることは明白だ。
ちなみに、SNS上で特定の名前を名指ししなくても、前後の文脈や状況などから対象者がわかれば名誉毀損は成立するとした裁判例もある(伊藤詩織氏がはすみとしこ氏を訴えた裁判など)。
当然、福島めぐみ議員としてはショックを受ける。
高橋剣二議員は福島めぐみ議員のこの返信に対して反応していない。ミュート機能を使っているのだろう。「関わってはいけない人」が福島めぐみ議員を指していることの証左だ。
何が問題か
なにが問題なのか、解説していく。
まず、ハラスメントをシンプルに定義するのは困難で、さまざまな背景を踏まえて捉えなければいけないことに留意が必要だ。
いわゆる「パワハラ防止法(「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」)」においてパワハラは、
職場において行われる、
優越的な関係を背景とした言動であって
業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
労働者の就業環境が害されるもの
であり、1から3までの要素を全て満たすもの
と定義されている。
今回の事案がパワハラにあたるのか、背景をひとつひとつ確認していく。
1. 優越的な関係を背景とした言動
ハラスメント問題を考える上で重要なのは、被行為者に対する行為者の力(優越的な関係)だ。
高橋剣二議員は現在6期目のベテラン議員で、自民党系・最大会派の新政クラブの会長で、中年男性だ。一方の福島めぐみ議員は昨年初当選したばかりの新人の女性議員であり、政党にも会派にも所属していない。
現在の鶴ヶ島市議会議員は18人、女性議員は3人。会派に所属していない議はが5人。そして、会派に所属していない女性議員は福島めぐみ議員だけだ。
議会内における両者の力関係には大きな差がある。
高橋剣二議員に呼び出されれば、福島めぐみ議員が断るのはかなり難しい力関係にあるだろう。
2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
次に、呼び出されたタイミングや状況を考えてみる。
高橋剣二議員に呼び出されたタイミングは、福島めぐみ議員の一般質問直後だった。私は傍聴席にいたので分かるが、傍聴席には福島めぐみ議員の支持者が10人以上いた。福島めぐみ議員は政党や会派はおろか、自治会をふくめて一切の団体に所属していない。「議員は地域住民全体の奉仕者であるべきで、一部の地域や団体・組織の代弁者にならないために完全無所属を市民にお約束している」のだそうだ。そのため傍聴人は動員ではなく、個別に自分の意志で傍聴に来ている。福島めぐみ議員としては、自分の一般質問が終わったらすぐにでも傍聴席に飛んでいき、ひとりひとりに挨拶してまわり、感想や意見を聞きたいだろう。これまでの定例会ではそのようにしていた。
また、一般質問は市長や教育長とのガチンコ勝負であり、60分の持ち時間をフルに戦う福島めぐみ議員のスタイルは、全てのエネルギーを使い果たすようだ。可能であれば倒れ込みたいくらいだっただろう。
そうは言っても、福島めぐみ議員は市民から負託を受けた存在であり、仕事は全うしなければいけない(私の主観では、誰よりも全力で議員の仕事をしている)。自分の一般質問の内容に問題があり、先輩議員や正副議長から注意を受けるのであれば、当然行かなければならないと考えたはずだ。実際に福島めぐみ議員は傍聴人や自分の調子を犠牲にして、呼ばれた部屋に行った。
高橋剣二議員のそれが本当に先輩議員からの「アドバイス」だったのであれば、別のタイミングでもよかったではないか。
また、他人がいないところでも良かったはずだ。
面前での叱責はパワハラにあたりうる。
たとえば、東京地裁平成25年1月30日判決において、上司に200万円の賠償を命じたパワハラ裁判がある。その際に「面前での叱責」も論点になった。
本当に「アドバイス」であれば、一般質問直後である必要はない。次回の一般質問は12月なので、それまでのどこかのタイミングで良い。
また、福島めぐみ議員は無会派で、高橋剣二議員が会長を努める新政クラブのメンバーではない。よほど重大な問題でなければ、急いで「アドバイス」しなくて良かったはずだ。
高橋剣二議員の指摘の妥当性
高橋剣二議員は具体的にどのような「アドバイス」をしたのか、当たり前だが私はその場所にいなかったのでわからない。しかし、高橋剣二議員が指摘した福島めぐみ議員の質問内容には問題がなかったと私は捉えている。
もし問題があったのであれば、議長がその場で注意しているはずだ。実際に、9月定例会においても複数の議員が議長から軽い注意を受けているが、福島めぐみ議員の一般質問において、議長が口をはさむことはなかった。高橋剣二議員が問題を感じたのであれば、議長の議事進行に対して意見すれば良いし、「動議」をかけるという手段もある。しかし、それらは行われなかった。
内容の妥当性について改めて検証してみる。
高橋剣二議員が問題視しているのは以下のとおりだ。
市長の思想信条や感想を聞く
持論を開陳する
要望だけして答弁をする
の3点が「市の一般事務に対して」にあたらず、一般質問にふさわしくないということのようだ。
具体的には「震災後の朝鮮人虐殺について市長の見解を問う」の部分が、高橋剣二議員にとって問題だったらしい。
では、福島めぐみ議員のこの発言部分は、本当に「市の一般事務」とは無関係だったのだろうか。
今回の一般質問のタイトルは「市長の答弁姿勢を問う」だった。市長が答弁拒否をした具体例として、1年前の自身の一般質問をセルフ引用したのが、関東大震災後の朝鮮人虐殺についての市長の歴史認識と追悼の言葉だ。
その時の動画がある。6分程度なのでぜひ見て欲しい。
関東大震災から100年の節目である昨年のタイミングで、市長の歴史認識と虐殺された人たちへの追悼の言葉を求めたのだ。関東大震災後の朝鮮人などに対する虐殺は、新聞や行政が不確かな情報の拡散という形で虐殺を煽ってしまった。このことは、内閣府の中央防災会議の報告書でも強調されている。
鶴ヶ島市もいつ大災害に見舞われるか分からない。その際に、関東大震災時のようにデマが拡散し、ヘイトクライムが起きる可能性は充分にある。行政のリーダーによるガバメントスピーチがデマの拡散抑止に極めて重要だ。間違っても、市長が歴史否認主義者であってはいけない。市民の命や安全・安心に関わる。
この質問のどこが、「市の一般事務」と関係ないと言うのだろうか。
そもそも、高橋剣二議員が指摘している文言は福島めぐみ議員のセルフ引用で、元は昨年9月定例会一般質問の一部だ。問題があるのであれば、昨年の一般質問後に指摘すれば良かったのだ。
私は齊藤市長のことを歴史否認主義者だと疑っている。高橋剣二議員も怪しくなってきた。
その高橋剣二議員はどのような一般質問をしてきたのだろうか。さぞかし、「市の一般事務」にあたるお手本のような質問なのだろう。
確認してみる。
令和3年12月定例会の高橋剣二議員の一般質問、タイトルは「齊藤市政2期目の公約について」だ。
これのどこが「市の一般事務に対して」なのだろうか。「市長の思想信条や感想」を聞いているし、長々と「持論を開陳している」ように感じるのは私だけではないはずだ。また、要望だけして答弁をする場面は高橋剣二議員他、多くの議員にも見られる。
ベテラン議員は良くて、新人女性議員は良くないというのだろうか。
高橋剣二議員の指摘には妥当性がなく、難癖と言わざるを得ない。
3. 労働者の就業環境が害されるもの
これは福島めぐみ議員自身が議会でも公開していることなので書いて差し支えないと思うが、福島めぐみ議員は重度の鬱病だ。障害手帳を持っており、議員になった時点の障害等級は精神障害2級というから軽くない。議場の福島めぐみ議員がスーツの襟にヘルプマークのバッジをつけているのも、議会で繰り返し自殺をテーマに取り上げているのも、彼女自身が現在進行形で精神疾患と戦っているからだろう。心がしんどい人や精神障害者・発達障害者の生きづらさを良くし、当事者に対する偏見を少しでもなくしたいという。
障害者差別解消法など、障害者に関する法令は複数ある。当然のこととして、議会には障害を持っている議員に対して「合理的配慮」が強く求められる。緊急性が高い事案でなければ、福島めぐみ議員に配慮したタイミングをはかる必要があるだろう。これは呼び出しをした高橋剣二議員だけでなく、大野洋子議長、内野嘉広副議長、議会事務局長も同様だ。
「パワハラ防止法」における「就業環境が害される」とは「当該言動により、労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなったために能力の発揮に重大な悪影響が生じる等の当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること」だ。
福島めぐみ議員は「ちょっとしんどすぎる。しばらく離れます。」というポストを最後にXから離れているようだ。9月定例会は24日に閉会するが、議員活動は閉会中もさまざまにある。高橋剣二議員の言動によって「就業環境が害され」たと言っていいだろう。
高橋剣二議員の言動はパワハラ防止法上のパワハラか
ここまで見てきたように高橋剣二議員の言動は、「パワハラ防止法」で定義されている3要件を満たしているように見える。
では、高橋剣二議員の言動は違法行為といえるのだろうか。
法律の素人である私の個人的見解を言えば「違法行為とはいえない」。なぜならば、議員は雇用されている労働者ではないからだ。私の知る限り、議会内のパワハラについては、規制する法律がない。
しかし条例はある。鶴ヶ島市議会議員政治倫理条例だ。
特に、X上で新人の女性議員に対してと見られる「関わってはいけない人」「カス」「嫌いな人」などの表現は、鶴ヶ島市議会議員政治倫理条例に抵触しうるだろう。
また、民法709条の不法行為にあたる可能性はある。
鶴ヶ島たろうの見解
議会ハラスメントについて
ここからは今回の事例とは直接関係のない、私の見解だ。
パワハラの対象となるのは職員に限らない。秘書を激しく罵倒した国会議員が辞職した事案は記憶に新しい。
議会内のパワハラは昨今、大きな問題として注目が集まっている。
令和2年度に内閣府が地方議員に対して実施したアンケート調査では、女性議員の57・6%が有権者や支援者、議員等からハラスメントを受けた経験があることが明らかになった。
2023年の世田谷区議会定例会において、新人の女性議員が質問している最中に、年配の男性議員たちが不自然に大きな声でおしゃべりを始めるという出来事が発生したことを受けて、「議会ハラスメントをなくそう陳情アクション」が署名を集め、区に対して対策の要求を出すなども起こっている。
こういった現状を受けて、福岡県や大阪府には「議員によるハラスメント又は議員若しくは議員となろうとする者に対するハラスメント」について条例に定めがあるが、埼玉県や鶴ヶ島市にはまだない。
これからの時代、中高年男性以外の属性を持つ多様な議員が必要となってくる。これから議員になる人のためにも、議会ハラスメントを明確に禁じる条例や規則の制定を、鶴ヶ島市議会は検討するべきだ。
私は約2年前、大野洋子議長にインタビューをしたことがある。その時はまだ議長ではなかった。その際に議会ハラスメントの話題になり、大野洋子議員(当時)が議会図書室に「女性議員を増やす・支える・広げる - 議会におけるいじめ・ハラスメント調査報告書」(議会のいじめ調査プロジェクト・チーム編著)を置いた、という話を聞いた。私も興味をもったので、後日取り寄せて、今も手元にある。
大野洋子議員の議長としての任期は残すところあと半年。ぜひとも次の世代の議員のために、議会ハラスメント防止策を明文化してほしいと強く願う。
高橋剣二という議員
最後に、高橋剣二議員がなぜ福島めぐみ議員に対してパワハラと言えるような言動をしたのか、その動機と背景を考えるための材料を記しておく。
これが私の見立てだ。
私は鶴ヶ島市がより良くなることを願う市民の1人だ。齊藤氏が市長になってから鶴ヶ島市が良くなったとは感じておらず、また、市長としては一度も選挙で市民の審判を受けていない齊藤氏が三度市長になることは、鶴ヶ島市にとって望ましくないと考えている。そのため、齊藤氏よりマシな人が市長になってくれるなら大歓迎だ。
高橋剣二議員が市長の座を狙っているかどうかは現時点でわからない。私の勝手な憶測だ。
しかし、可能性は低くないと捉えている。
なぜか。高橋剣二議員は現在6期。彼より長く議員を務めているのは3人しかない。51歳、そろそろ次のステップを考える時期だろう。
高橋剣二議員は自民党系の最大会派会長だ。現市長の齊藤市長もこの会派の議員から市長になった。
高橋剣二議員が市長を狙っている可能性が低くないとする理由だ。
しかし、高橋剣二議員が市長になるためには、いくつか問題がある。
ひとつは新政クラブの現状だ。最大会派といっても、メンバーは4人だ。鶴ヶ島市議会議員は全員で18人。そのうちの4人では議会内での影響力は限定的だろう。
6月定例会の時には5人いた。メンバーのうち2人いた新人議員の1人が8月に新政クラブを抜けたようだ。新政クラブは公明党と共産党をのぞいて、鶴ヶ島市議会では最も歴史のある会派だ。メンバーもかつては多くいた。その新政クラブが高橋剣二議員が会長になって1年足らずで1人抜け、4人になってしまった。新人議員にとって会派を辞めたくなる要因があったのかもしれない。
もうひとつ、高橋剣二議員の人望のなさも問題だ。
くどいようだが、高橋剣二議員は現在6期目の議員だ。しかし、なぜか議長になっていない。過去10数年の議長を調べてみたが、議長になるのは平均して3期の議員のようだ(例外はある)。中には大曽根氏や金泉氏のように議長を2度務める議員もいる。
高橋剣二議員は副議長を務めたことならある。その時の議長は現市長の齊藤氏だった。齊藤氏が3期目、高橋剣二議員は4期目の時だ。
議長は選挙によって同僚議員から選ばれる。最大会派の会長を務め、6期目の議員が議長職を務めていないのは異例のことではないか。高橋剣二議員の能力や人格になにか問題があるのだろうか。
私は鶴ヶ島市議会議員ではないので、内情は分からない。高橋剣二議員とは何度か会話したことがあるが、やわらかな人柄で品があると感じてきた。過去の一般質問は視野が広く、リベラルな感性を持っているというのが私の印象だ。
しかし、Xのポストを見て、印象は大きく変わった。スクリーンショットをいくつか並べてみる。
創価学会の名誉会長の死去に際して、
「御冥福を心よりご祈念申し上げます。」
議員であっても信教の自由は保障されているので、何も言うことはない。しかし高橋剣二議員はなぜか、このポストをすぐに削除した。政治家としてこのような発信は不適切だと感じたのかもしれない。
一方で、自民党の調査で旧統一教会との関係が明らかになった若林洋平参議院議員と長い親交があるようだ。無論、友人だからといって同じ思想とは限らないし、友人の言動の責任を高橋剣二議員が負うこともない。
しかし、高橋剣二議員が擁護した若林議員の言動は、クルド人など外国人に対する憎悪を煽るものだ。これを高橋剣二議員は擁護している。高橋剣二議員も排外主義者なのだろうか。
他にも、アイヌ差別に関連したポストも拡散している。
今年元日に起きた能登半島地震の翌日に、偏見やヘイトクライムを助長させかねないポストをして、排外主義者達からの賛同と、良識ある人たちからの批判が多く寄せられた。先ほど確認したところ、このポストはまだ削除されておらず、1744万回超のアクセス数という、「バズ」または大炎上と言っていいポストだった。
他にも、杉田水脈衆議院議員による災害ボランティアを抑制するポストも拡散した。
関東大震災時の朝鮮人虐殺については、歴史否認的立場のようだ。
コロナウイルス感染症に関しては、ワクチンやマスクに否定的な立場だ。
以上はごく一部だ。
すでに削除されているものも少なくない。
個人がどのような思想を持とうが自由だ。ワクチンやマスクに反対したいならすれば良い。
しかし、排外主義は看過できない。ましてや、高橋剣二氏は市議会議員だ。市議会議員が排外主義や歴史否認主義であれば、市民の生活や命は脅かされる。
しかも高橋剣二議員は次期鶴ヶ島市長の可能性がある人だ。
新人の女性議員にパワハラまがいの言動をしたり、排外主義思想や似非科学思想を持つ人が公職にあることの恐ろしさを、鶴ヶ島市民には広く知っていただきたい。
最後に、高橋剣二議員の今日のポストを紹介して終わる。
今の高橋剣二議員に叱ってくれる人はいるだろうか。
今回の記事は以上。
この件に動きがあれば追記する。
鶴ヶ島たろう
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