【機材レビュー】Canon EOS R7を2年使い倒してわかったこと
※この記事は最後の私のカメラセッティングとレタッチ以外は無料です。
さてさて、いよいよ柿のシーズンとなる秋がやってまいりました。食べられないようにしたい吊るし柿です(はい?)
2022年。ついにあの高速連写じゃじゃ馬 7D mark2 の後継機が出て、歓喜した人は多く、また、根強いファンが待ち望んでいたあの頃です。
そしてあれから2年が経ちました。
そして、1代目のシャッター幕が壊れてしまい、現在2代目となります笑
とここまで使い込みましたので。どんなカメラなのか?どんな人に向いているか?特性などをご紹介していきたいと思います。
・現時点でのスペック
どんなカメラなのか
Canonさんのページがこちら
画素数は3250万画素と高めで連写性能や画質。どれを撮っても7Dmark2からアップデートされています。
自分はこれを主に写真と動画の仕事用のカメラとして運用しております。
これはR6が写真メインで動画はサブ。写真も動きものはR7をメイン機として使用しております。
そう。もはや万能機なのです。
それなのに値段は20万円前後と、まさかの8年前に発売された7DmarkⅡとほぼ同じ値段で出してきたのですから衝撃的です。
Canonとしてはフルサイズを売りたいのかR5やR6と比較して遅かったりなどあるとのことですが、普段使いでは全く気になりません。
プロに必要なダブルスロット搭載
私としては非常に嬉しいです。普段はミラーリングしてバックアップとして使っているのですが、例えば結婚式のエンドロール撮影なんかで編集者にデータを途中で渡さなければならない時。片方だけ渡して撮影を続けて交互に渡す。なんて使い方もできます。
電源のON/OFFが右手の親指で動画も素早く
こちらも嬉しいポイント。一般的なCanon機は左手側か下の方にあるので電源入れる時に両手で持ちがち。
なんと右手の親指ひとつで電源と写真と動画の切り替えができるのは非常に嬉しいです。
自分みたいにワンオペで写真も動画も撮らなければならない。そんなカメラマンにも優しい設計となっております。
消費電力は思ってるほど長く使える
R6とRを所持しているのですが、現場で使うと一眼レフほどではないのですが、バッテリーはフルサイズカメラよりも保ちます。
新たにEOSに組み込まれた機能
まずとても便利と感じたのが自動水平機能。動画も撮るユーザーが増えたと思うのですが、電動ジンバルや手持ちで意図せずわずかに傾いているのを良く補正してくれます。
他にもパノラマ機能。C-log3という加工しやすい10bitログ撮影。ダイヤルなども非常にバランスよく。独特の電子ホイールの位置も慣れると戻れません。
・カメラの性能
さてここからは良くも悪くも色々言いたいこと書いていきます。
センサーはどうか
このセンサーはお気付きの人もいるかと思いますが。このカメラと同じセンサーです。
・Canon EOS 90D
・Canon EOS M6 markⅡ
2022年のカメラではありますが、すこーし前に開発されたセンサーを使用しております。
解像力はAPS-Cとしては非常に高いです。以前、ナイトワークの撮影で使ってみたのですが、近影であればR6よりも勝ます。
ただし、ローリングシャッターは出やすいです。
そのため、動き物や一般的なイベントは電子シャッター。モータースポーツや運動会はメカシャッター。という使い分けがベストです。
連写性能はどうか
連写性能は7D mark2を上回り、メカシャッターで15コマ/秒。電子シャッターで20コマ/秒(一部制限あり)と超えてきました。
恐ろしいのは、普通、シャッターを切った瞬間。というのはAFが効かなくなり、次のコマの時にピントが外れる。という難点があります。
それが関係なくピタリとくるのです。進化ですね。
ただし、注意点が、、、、、
なんとカメラ内の内蔵バッファが小さいのです!!(え!?)
7D時代もそんなことあったなぁ。と思いきや、そこは改善されませんでした。
おすすめは、安いV30のSDカードではなく、V60以上のSDカードを使うことを推奨します。
自分はこれ使ってます。予算的にもあってですが、5秒近くフルオートで連写しなければ大丈夫です笑
あと、夏とかに連写しすぎると熱を持って性能が遅くなることがあります。
動画は長時間撮影にかなり強い
とうとう6時間近く回しても耐えれるようになりました。
思っているより消費電力が少なく、VマウントバッテリーやF-P970バッテリーに繋げばほぼその現場やセミナーぐらいであれば無交換で耐え切ります。
そして意外なのは「発熱が少ない点」
ある日、室内のライブ会場で熱気が溜まっている中でR6と他の人がSONY a7m4とa7m3、a7s3、そして自分はR7で挑んだのですが、この中で熱暴走しなかったのがSONYのa7s3、そしてEOS R7でした。
公式のページには「熱暴走ゲージが搭載されました。みなさん気をつけてねー」って表示がありますが、未だ一回も熱暴走で止まったことはありません。R6とRは止まりました笑
ちなみに公式では「ローリング歪みに気をつけてください」と書いてあります。
全く気になりません。
ただし、ある程度熱を持ち始めるとローリング歪みはモータースポーツなど動きの速い被写体で見られます。
注意点は今のどのカメラもそうですが、バリアアングルモニターは開いて撮影してください。開くことによって放熱が促進されます。
動画にある変なクロップ機能
そして、なんと4K60p撮影に限り、1.6倍クロップが用意されています(何とるの笑)
そして、FHDに至っては10倍デジタルズームが搭載されています(何とるの笑)
そのため、私は600mmとエクステンダーを持っているため、フルサイズ換算19200mm(訳わからん)まで撮影することができるスナイパーカメラです笑
ただし、600mm以上の超望遠域のクラスの望遠を使ったことがある人ならわかると思いますが、手持ちでも一脚でもコツが必要です(今度書きます)
AFは強いものの、2022年のカメラだということを認識すること
AFはプリAFも搭載され、サーボ機能もR3並の機能が入っていることから、APS-C機の中では最強クラスでしょう。
しかし、デメリットもあります。
それは年々新しいカメラになるにつれてAFは良くなっていくこと。
つまり、その当時はいいものの、その後のカメラには負けます。
また、サードパーティやEFレンズだと一部制限があるようですが、サードパーティはAF範囲が少し狭くなるだけなので、重たく気にしなくても大丈夫です。
不思議なバグ?
2020年にC70と言うシネマカメラが発売されたのですが、その時のマウントアタブターとして焦点距離を0.71倍にするスピードブースターと言うのが売られてました(APS-Cにフルサイズ用レンズを装着する場合)
これ。なぜかR7で一応動くそうです。AFも笑
おそらくはCanonが忘れていたのでしょう笑
・改善してほしい点
7D markⅡから引き継いでしまったもの
さて、ここからは気になっている点ですがいくつかあります。
まずは高感度に相変わらず弱い。という点。
私の場合、R6は仕事でもISO12800まで使うのですが、R7はISO4000辺りから躊躇し始めます、、笑
おそらくこれは7の宿命なのでしょうか、、笑
ちなみにベース感度はおそらく100です。R6で撮影するときはISO200が多いのですが、R7はISO100の方が画質いいかなー。という感じでライティングするときは撮ります。
また、近距離はいいのですが、小さく写る被写体の解像力がイマイチです。わかる人はわかると思いますが、7Dからなんかシャープさが足りないんだよね。というのが今回のカメラでも残ってます。
ファインダー
写真の通り、ファインダーはエントリーモデル並に小さいです。
そのためか、ファインダーのアイカップが2つとも破れてしまいました、、泣
Amazonには一応、カスタム用のアイカップが売っていますので、精密ドライバーさえあれば誰でも交換ができます。
しかし、あくまで短い純正交換・互換性品はないのでご注意を。延長アイカップのみとなります、、、
また、EVFがモニターかを切り替えるためのセンサーがR5&R6と同じ位置ではなく右側にあります。
このため注意なのはのぞいているのにセンサーから顔が離れてしまい、EVFが真っ暗になった。という状況に。ならないように顔を押し付けるまでは苦しみます。
また、EVFはエコモードにしないでください。かなり残像が半押しするまでは出ます。
オーバーヒートはしないが熱を持ってきた時の注意点
炎天下やイベント撮影で外が暑い以外にももちろん、かなりの連写を要する撮影などのカメラが熱くなった時。カメラ自体はオーバーヒートで停止する。というのはかなり稀なのですが、挙動が悪くなります。
・バッテリー交換時にエラーが出る(社外品は特に)バッテリーも熱々
・ローリング歪みが電子シャッター・電子先幕時にひどくなる
・電源をOFFからONにするのに3秒以上は設定を変更できない
ちなみに電源の入りが遅くなるのはSDカードの発熱や容量が圧迫してきたタイミングでもなります。
この発熱により、止まりはしないものの、制限をかけている。というのは使う上で押さえておきたいポイントです。
※色んな互換バッテリーが売られてますが、ちゃんとPSEマーク、CEマークがあるものを選びましょう。
HDMIは抜けるとカメラの録画が止まる
これ、結構致命的なポイントです。
というのも、映像でお仕事をする人ならわかるかなと思いますが、カメラにモニターを取り付けて撮影する場合。というのがあります。
私もAtomosのNINJA V持ってます。
しかし、HDMIが抜けると、NINJAの録画も止まるし、本体の内部録画も止まります。
このリスクがゆえ使えません。
そもそもR7は抜けやすいmicroHDMIを採用しています。もし使いたいのなら、R7にリグを取り付け、ケーブルクランプを取り付けることを強く推奨します。
そして謎なのは、HDMIに接続したままメニューを開くと、HDMI先のモニターでしか画面を確認できません。つまりタッチは不可。
もちろんモニターなしでも綺麗な映像は撮れるのですが、Canonさん的にはC-log3を使ってほしいのでしょうか?
RF-Sレンズ、EF-Sレンズが潤沢ではない。
Canonのラインナップが現在、RFレンズはいわゆる「入門用レンズ」がほとんどで、あまりいいラインナップとは言えません。
とはいえ、EF-Sはディスコンが多くなり、サードパーティもようやくSIGMAが出始め、EF時代のはほぼ廃盤。となっております。
あくまで望遠ユーザー。またはスーパー35をって人にはいいかもしれませんが。
・買いではあるが用途を見るべき
さて、ここまで見ていただいた方は購入をどうされるか悩むところでしょう。
結論から言えば買いです。これが20万で手に入るのがおかしいレベルの高性能。
しかし、いくつか注意点はあります。
まず、プロの方は別にフルサイズ機も持っておくべきです。
先ほども言った通り、フラッグシップ並の戦闘能力は備えてますが、いくつものクセが強いカメラとなります。
それを補うために一つフルサイズのCanon機をプロの方はおすすめします。
アマチュアの方は鳥や鉄道、子供の運動会などは強い味方となるでしょう。
風景やクロップで追い込む場合もセッティング次第でいけます。
望遠使いには強くお勧めいたします。
さて、ここまで読んでいただきありがとうございました。
そしてここから先は、私が普段R7でカメラ内部の設定している内容と、LightroomCC Classicでモータースポーツを現像する場合のプリセット設定、今後の次期型の噂話を記載します。
もちろん、ここまで読んでいただき、R7を買おう。とか参考になりました。という方はここまで。ただ、R7のおすすめは?このプリセットをいつもの写真に取り入れてみたい。お勧め設定あれば!という方はこの先へお進みください。
3000文字以上書いてますが、お安めにしてます。
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