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嫉妬と津軽三味線

昨年の10月12日に本格的に『◯◯と津軽三味線』というお題で毎週noteを書き、今回からいよいよ2年目に突入します。初回は『憧れ』がテーマだった気がしますので、似たようなテーマを考えておりました。

『嫉妬』とは優劣、特に他者が優れている、恵まれていると感じた時に現れる『妬み』、『嫉み』を言いますが、自分の中に憧れと同時に嫉妬の思いが込み上げてくるのを感じたにで、ひとつネタに書いてみようと思います。

前回、民謡民舞全国大会が川崎で行われ、観覧へ行きました。流石全国大会、ものすごい盛り上がりで、黄色い声援が飛び交えば、大きな拍手もあちこちから聞こえます。全国から応援団を募っているのでしょう、大きな団体さんが沢山いらしておりました。

伴奏には細棹、太棹の三味線、尺八、太鼓がそれぞれ曲に合わせた組み合わせで登場し、はなやいでおりました。奏者を目指すなら、やはりあの場で伴奏してみたいですし、ご指名いただけるレベルになりたいなぁと思うわけです。当然、3年目の私にはまだまだ遠い場所なのは充分承知していますが、いいなぁと思うわけで。

お恥ずかしながら歌われる方をほとんど存じ上げないのですが、本当に多くの民謡が全国にあるものだなと感嘆いたしました。どこかメロディが似ているような、どこか歌詞が似ているような、そんな唄もちらほらありつつ、口伝なだけあって色々な土地に唄も旅をするんだなと感じます。

民謡が盛んだった頃にはきっと、『おらが村の唄っこ上手いのは誰それだ!』という噂がわっと広まって、『あの唄にはこの音が一等だ!』とこちらも口伝で地域に広がったんだろうな、と思いを馳せずにはいられません。

先日、師匠から動画をいただきまして。私の師、髙橋竹春師匠は元々青森の方で、主な活動拠点もやはり青森、あるお祭りの奉納演奏を見せていただきました。

全国大会も奉納演奏も、大勢での合奏や唄付をされておりまして、見取り稽古には最良のお手本であると同時に、『羨ましいなぁ』という思いがどうにも拭えずにおりました。やはり大勢で演奏することへの憧れはありますし、舞台がある、目標があるということが羨ましくてなりません。私は我が儘を言って師匠にお願いして青森の郷土料理屋さんで弾かせていただきましたが、腕が伴わなければ毎度お願いばかりというわけにもいかず。もっと実力をつけなければまた次回も〜だなんて口が裂けても言えません。

人前で弾くこと自体は、師匠から『ぜひおやりなさい!』と背中を押していただいているのに、いざと思うと行動が伴いません。なんでしょうね、男のくだらないプライドなのでしょうか??傷つく不安を抱えているのかもしれません。

いつでも外で演奏できるようにとアウトドアチェアを買ってみたり、三味線が汚れないようにレジャーシートを買ってみたり、形ばかりに気を取られ、いざという時に『ここ最近は仕事が忙しくて練習していないしなぁ』と言い訳ばかりが湧いて出てしまいます。臆病風ですね。いざ一歩踏み出してしまえばなんてことはないのですが。。。

口では『いつか先生の唄に伴奏をつけさせていただきたい』とか、『師匠の手踊りに曲つけたい』とか格好の良いことばかり言う割に、行動できず遅々としてその歩みが進まないのです。

時間が欲しいとか、技術が欲しいとか、誰かと一緒に合奏したいとか、妬んでいるうちは、行動できていない証拠なのかもしれません。悩む暇があるならカマシのひとつも練習しなければ、まいね!

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