「RTAinbiim2022前が見えねェ大会」の感想と、「マインドーシーカー並走」での確率論についての雑感
9月の末に開かれたRTAinbiimに参加してきました。出場できたのはマリオとマインドシーカー、非常に雰囲気が良く、並走会だったので会話が楽しめました。大会全体の裏話とかそういうのは他の人のnoteに譲るとして…少しだけマインドシーカーについて書こうと思います。
マインドシーカー区間練習
シーカーの区間練習とか何をやるんだよ。
と言っても、せっかく大会に参加できるのだから中途半端なことはしたくないし、何より相手や視聴者に失礼だと思ったので練習開始。一度通した後は決まりきったルートやボタンの入力を暗記。その後は他の人のチャート通りのポイント稼ぎの流れを把握…をしつつ、現世界一位であり並走参加者の配信にコッソリ行って、ボタン入力のタイミングのパターンとズラしのテクニックをパクっていく。もちろんコントローラーの違いにより細かい差異はあるものの、基礎となるパターン配置の把握タイミングは何となく理解できたので自分なりの戦略を立案。細かく書くと大変なので程々に書くと、「6回7回成功の場合」「8回以上の場合」で場合分けをして使い分けました。
結果は最下位。超能力を競った上で最下位だったので真理党のようでしたが、別に他の候補者の妨害はしていないのでそいつらよりは私は上です。
ただ道中の追い上げと最後の接戦は練習がもたらしたサプライズ。偶然といえばそこまでですが、結果的に非常によく纏まりました。しかし…やっぱり途中の他の参加者との交流が一番良かった所でしょう。
並走者のイオンさんが途中で視聴者に確率の話などを引っかけて下さった際、やはり数字で表現すると難易度が掴みやすいのか、とても好評の雰囲気。私も少し数学は興味がある分野なので中々会話が弾みました。
同時に並走者のみっふぃさんは物理の話に明るい方だったため、超能力のゲームをしながら自然科学の話がスルスルっと入る。ある程度馴染みのある話題だったためか、一部の視聴者も巻き込み非常にカジュアルで楽しい走りが出来ました。
モンティホール問題
途中でイオンさんが語ったモンティーホール問題、本番で簡単に私も語った内容ですが、少しこの問題を派生させて考えてみましょう。
イオンさんの語った問題設定では
という内容。
これ、確率論の中ではモンティホール問題と呼ばれる有名問題。結論を言うと「変えた方が良い。」と言えます。変えようが変えまいが確率は変わらない?いやいや、そんなことはありません。イオンさんも解説していたので知っている人もいると思いますが、少し付き合ってね。
少し図解しましょう。
もし最初に当たりだった場合、変えたら絶対にハズれます。
最初にハズれだった場合、変えたら絶対に当たります。 つまり、当たり→ハズレ ハズレ→当たりに変換することができる…と言えますね。最初に当たる確率は3分の1、ハズレの確率は3分の2、つまりハズレの確率が高いため、選択を変えることで当たりに変換することで、結果的に当たる確率が高くなりますね。
この手の場合、極端な例を考えましょう。もし宝箱が100個ならどうでしょう?もちろん当たりは1個。選んだ後にハズレの98個を開けたら…残った1つが当たりの確率の方が高いのが分かりますね。
……本当にそうでしょうか?
そして、この問題が言いたいこととは何でしょうか?
確率は「主観」である
ではここで問題文の「100万円」に注目しましょう。この100万円は誰が出すのでしょうか?テレビ局?まあ間違いなく司会者側の誰かとなるでしょう。
貴方が司会者なら、取られるかもしれない100万円を入れますか?
これがヤラセで後から賞金は返せというなら入れるかもしません。しかし入れたくないというのが私情というもの。つまり最初から100万円を入れていない可能性があるのです。そうなると当たる確率は0%、選択を変えようが変えまいが同じという結論になります。
この問題では、「100万円を入れた確率=100%」という前提のもと考えると、変えた方がよいでしょう。ただし前提に私情が入る以上、正確な確率計算はできません。
これに注目したのが2つの封筒問題と言われる内容です。
(書くと長いため詳しくはリンク先を参照)
…いやいや、それとこれとは違うだろう。100万円入れたというのは前提で、もう片方の金額の問題である封筒問題とモンティーホールは違うだろうと思うかもしれません。
その意見も分かります。ただし大事なのは「確率とは何なのか」という視点です。
確率とは主観です。
正確には「今自分が持っている情報から得られる総当たりの数」と言えます。
例えば先ほどのモンティーホール問題、司会者が当たりの箱に100万円を入れたという前提があるとします。
選んだ後に残り2つを司会者が開けました。すると両方空っぽでした。
最初に選択した箱が当たりの確率はいくらでしょう?
…絶対当たりですよね?つまり100%当たります。最初は3分の1だったのに100%になりました。これは自分が「残り2つの箱がハズレだった」という情報が手に入ったからです。情報が変わると確率が変わります。これが確率の本体であり、情報と共に変わりゆくものなのです。
運ゲーとは何か?
ここまで確率というのを踏まえた上で、運ゲーと呼ばれるものとは何でしょうか?
得られる情報によって確率が変わるならば、情報が得られないならば運ゲーと言えるでしょう。また、情報を全て把握したならばそれ以上は運ゲーとなります。そしてそれはビデオゲームにおいて判断が非常に難しい。
今回のマインドシーカー、世界一位の方のようにパターンをある程度把握し、一部だけでも操作することで確率を少し歪めることが可能です。
例えばこのままボタンを押せば絶対に当たらないパターンなので、少しタイミングをズラすといったプレイ。もちろん完璧な調整は人間には不可能でしょうが、それでも絶対にハズレるパターンを外すことが出来れば再抽選されるため試行回数が増加する。確率自体を変えるのは乱数の回転を読み切って止めることが必要ですが、試行回数が増えるのも、結果として確率が変わっているとも捉えられるでしょう。変則的ですが、これも知らない、知っているで変わる例とも言えます。
つまり運要素は歪めることができる。
完全に超えることは不可能かもしれません、そして微々たる差になるかもしれませんが、それがゲームが「上手」だと思います。
ところで、イオンさんが面白い問題を出してくださったので、私はこんな問題を紹介しましょう。
私の答えは ↓ に
Aに占ってもらって、出た結果と逆のゲームを走りましょう。
そうすれば90%正解で期待値が最大です。
利用できる運は逆手に取って利用しましょう。月並みな意見ですが、これがゲームだと思っています。
マインドシーカー並走会もとても楽しかった。お疲れ様でした。
参考文献
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