「カルテットⅡ」という名前の創作オルゴールで、セガ『Quartet』を鳴らしてみる①
創作オルゴール「カルテットⅡ」
Amazonで色々と検索していたら、たまたま「カルテットⅡ」というオルゴールを見つけてしまった。
カードにパンチで穴を開けて、好きな曲を鳴らすことができる手回しオルゴール、いわゆる「オルガニート」というものだ。
こんなの見つけたら、やるしかないでしょ!
セガ『Quartet』のBGM、鳴らすしかないでしょ!
むしろ、それを鳴らすために生まれてきたオルゴールでしょ、これは!
というわけで早速、Amazonでポチった。
んで到着を待つ間に譜面を準備。
Quartetの楽譜、たしかCD(SEGA GAME MUSIC Vol.2)あたりに入ってたような気もするけど、いま手元にないので、取り寄せるのが面倒くさいから耳コピすることにした。曲を聴いて譜面を起こす作業ね。
コピった曲は『Quartet Theme』。
ざっと音を拾って、適当な音色で鳴らしてみたら、それだけで既にカッコイイ。ああ、名曲だよなあ。
カルテットⅡ、到着した。が。
早速、開封した。本体+穴あけパンチ+カードが5枚。それに加えてサンプル譜面カード(となりのトトロ)が付属している。早速、パンチで穴を開けて試してみた。
調べたところによると、共鳴箱にネジなどで取り付けると、いい音が鳴るらしい。今回は机の天板に押し付けて響かせたけど、手持ちだと音が全く響かないから、そのあたりも考えておいたほうがいいかな。
なんてことを考えながら色々といじっていたら、致命的な問題に気づいてしまった。
「カルテットⅡ」で使える音は、「ドレミファソラシドレミファソラシド」の2オクターブ15音。#音や♭音は鳴らせないのだ。
分かりやすく云うと、ピアノだったら黒鍵の音は鳴らせないって話。えええー、それじゃ「猫ふんじゃった」が弾けないじゃん。もちろん『Quartet』だって無理。カルテットⅡって、Quartetを鳴らすために生まれてきたんじゃないのかよ(←たぶん違う)。
でもまあ、譜面をよくよく見てみると、オリジナルの「B♭」キーから「C」に移調すれば、鳴らせそうな気がしてきた。1小節とベース以外は。
ベースは…広い音域でブリブリ動くからオクターブも足りないし、#♭がないと印象的なフレーズが再現できない。アレンジで誤魔化せなくはないけれど、あのベースを再現してこそのQuartetだろ!
正直、この時点でかなり意気消沈。でもまあいいや、とりあえずできるところまでやってみよう。
カードは自作
そしてもうひとつ問題が発覚。
これは致命的なものではないけれど、相当な枚数のカードを消費しそうなのだ。
カルテットⅡは(というかオルガニートは)構造上、同一音符の連続が苦手だ。カードの穴に引っかかるピンが回転シリンダー上にあるので、次のピンが現れるまでは音を鳴らすことができないのだ。
具体的には、下画像のいちばん下の穴の列(ソ)は、間隔が狭すぎて一部の音は鳴らない。
この場合は、下画像のように倍の間隔を取る必要がある。同じ高さの音は、最低でも横2マス分の間隔が必要なのだ。
Quartetの場合、16分音符を1マスとしないと鳴らない音が出てしまう。純正の楽譜カードは横104マスなので、小節に換算するとカード1枚で6小節半。Quartet Themeは1ループ56小節なので、カードが9枚必要となる計算だ。
ちなみに純正の楽譜カードをAmazonで入手すると、1枚557円。
はっきり云って、ボッタクリ価格。
厚手の上質紙とはいえ、B3の紙から6枚は取れそうなカードが、557円。
2枚の紙を貼り合わせた作りのせいで、巻いて保存すると、2枚がずれて穴が変形してしまう。その程度のカードが、1枚557円。
こんなのを9枚も買うとか、有り得ないだろ。
大事なことなのでもう一度書く。純正楽譜カードはボッタクリ価格。
なので、楽譜カードは自作することにした。
Illustratorで作図して、厚手のケント紙にプリントして、手作業で裁断。
これなら、30~50円ぐらいのA4ケント紙で8小節も作れる。もちろん仕様上の問題はない。穴ズレもない。
純正カードなら5000円もかかるところを、自作したから300円で済んでしまったよ。
ベース以外は完成
というわけで、印刷したカードを切り貼りしてテープ状に整形し、パンチで穴を開けて、ひとまずベース以外がまとまった。
テープの長さは、3.65メートル!
録音にあたっては、ダイソーで買った「鉢カバー」という木箱にカルテットⅡ本体をネジ止めして、共鳴箱とした。テキトーにやった割には、案外とまともな音になっていると思うがどうだろう。
ちなみに動画の中の割り箸は、カードをセロテープで繋げているところがデコボコしているので、カードが引っかからないように送り出しローラーを押さえつけているのだ。短い曲ならもちろん必要ない。
でもやっぱり、ベースを唄わせないとカルテットじゃないよねえ。あと、途中で1小節ほど「#・♭」が必要な部分もショボい感じだし。
そのあたりをどう解決させたのか(そう、解決したのだ)は、後編で書くことにしよう。
(次回、ベースを作るよ)