バスと老【人生日報】
平日の昼下がり、路線バスに乗っていたときのこと。
座席は満席、車内は混雑。
僕も座れず、つり革にしっかりと捕まる。
平日の昼間からこんなに混んでるのかよ。
東京ってイヤだねぇなんて思いながら揺られていた。
途中のバス停に着いた。
降車客はまばら。相変わらず満席。
おばあちゃんが乗ってきた。車内に入るなり席に座っていた女の子をシッシッと手で払い除けてその空けた席にドカンと腰掛けていた。
はぁー??
女の子可哀想。
偉そうな婆さん。
こういう人のことを老害というのか?
別の人が席譲ろうと立ち上がっていたのも僕は見逃さなかったよ。
さも年寄りだから当たり前みたいな態度が気に食わないなぁ。
次のバス停。
『発車します』
運転手さんの声。
遠くからゆっくり走ってくるおじいちゃん。
1度閉まったバスのドアがもう一度開く。
『間に合ったぁ〜』
間に合ってないからな!!!
運転手さんと既に乗ってる乗客が待っていたんだわ。
その爺さんに席を譲る人。
混雑しているバスに駆け込み乗車しても、お年を召していれば席に座ることが出来るのかぁ。いいなぁ。
ちょっと待てば次のバスもすぐ来るよ。
あの駆け込み乗客がなければ譲ったあの人は目的地までずっと座れていただろうに。
高齢者には優しくしろとはいうよね。
それはそう。
でも高齢者に限らず年齢性別関係なく人には思いやりもって接するものじゃん?
いい人には優しく接することなんて容易いけどイヤなやつには優しくする気持ち失せませんか??
そんなこんなで老害なんてことばを気軽に発してしまう。
イヤなやつには優しくなれねぇよ。
良くも悪くも僕は僕のものさしで平等に生きている。
平等だけじゃなくて公平さも大切にできるといいな。