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16機目「ナリワイをつくる」
「ナリワイをつくる」(伊藤洋志 東京書籍)
「そもそも現代社会にはナリワイのネタは無限にある。なぜなら、世の中が矛盾だらけだからだ。何か矛盾がある以上、それを解決することを行えば仕事になる。」(本書より)
なるほど。
まさに仕事の原点。
松下幸之助が洗濯機をつくったときから
それは変わらない。
それを企業体として専門性を高めて大規模に解決するか、個人としてナリワイとして小さく解決するか。その違い。
例えば田舎には仕事はない、といっても子どもがいれば、塾通いするよりも、家庭教師を頼んだ方がコストが安かったりする。だから田舎では意外に重宝されるのだという。
面白かったのはココ。
~~~ここから引用
パンを焼く技術というのは、高度な職人技術のように思われているが、元々お米を炊くような人間の生活の上で基礎的な技術である。
同じく家を建てる技術。家が建てられなければ人は生きていけなかったわけだから、これも元々は基礎的な技術であろう。このような技術は少し時間を掛ければ誰でも習得可能なものであるはずだ。
(中略)
現代は、手仕事が生活から離れ、分業が進みすぎてしまった。
だからマスメディアでこのような技術を紹介する時は全員名人としてしか紹介されない。そんなに難しくない技術でも「さすが、この道30年ですねえ~」と紹介するパターンが出来上がっている。
~~~ここまで引用
なるほど。
そして著者は言うのだ。
「コツを覚えて特訓すれば人間たいていのことはできる!」
いいなあ。
そうそう。
人間、たいていのことはできる、ですね。
「13歳のハローワーク」やNHK「プロフェッショナル」によって植え付けられた(強化された)専業の思想。
先の見えないこの時代にどのくらい有効なのか?
「ナリワイをつくる」を読めば、その異常さが少しだけ分かる気がする。