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映画「人」前書き

映画「人」の前書き

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どうも。映画「人」、脚本担当の敦賀です。2021年7月2日、本作の主要キャスト並びに場面写真、特報等々がもろもろ解禁されました。

InstagramとTwitterも開設したので、よかったら覗いてみて下さい。

で、本作の公開って2022年の夏予定なんですが、シナリオを脱稿したのが昨年の11月頃。さすがに公開までに色々と忘れてそうだなーと思ったので、ちょっと忘れないうちにザッと書いておきます。

公開後にまたネタバレ全開で後書きも書くかもしれませんが、今日のところはとりあえずネタバレなしの前書きで。今回は主にキャストのことを書こうと思うのですが、一点だけスタッフのことを。

本作のカメラを担当してくれた神戸千木さん。「ラストレター」、「リップヴァンウィンクルの花嫁」といった岩井俊二監督の作品を多数撮影されている方なんですが、本作でもカメラはキレキレでした。「俺、こんな格好いいシーン書いてねぇぞ」っていう場面が目白押し。お楽しみに。

じゃあ、少しだけキャストについての話を。

斎藤健一役/吉村界人さん

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過去作でもご一緒した吉村さんが本作でも主演をしてくれました。そもそも健一というキャラクターは当初から吉村さんが演じる前提で作っていたし、なんなら「人」という作品を考えるきっかけの一つに、「吉村界人がまだやってない役ってどんなだろう?」というのがありました。

で、「幽霊とコメディはまだちゃんとやってないのでは?」「吉村界人はなんか死ななそうだし、死んだ後も楽しくやってそうで湿っぽくならなくていいかもな」ということで「人」の原型を考えたんですが、結果、どっちももうやってましたね。

劇中ではやっぱりいいお芝居をしてくれてました。僕はこの人、どんな役でも一定以上のクオリティには必ず仕上げてくれる人だと思ってるんで、この才能に甘えてはいかんなと常々思います。

斎藤彩子役/田中美里さん

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執筆中、「幽霊が見える」「幽霊の夫と暮らしている」という点以外はキャラクターが二転三転していったのが彩子でした。

当初はもっとクールでいかにも美人って感じのお母さんとして考えてたんですが、結果的に「こんな母ちゃんは嫌だ」ということを軸に書いていくことになりました。そしたらなんだか変なお母さんになっちゃいましたね。

そんなわけで、「このキャラクターをどうやって演じるんだろう?」と他人事のように思っていたら、田中美里さんがいい感じに人間らしく、愛らしく面倒くさく演じてくれていたので凄く嬉しかったです。

なんだろう、あと、本編見てたら吉村さんとちゃんと親子に見えるし、津田さんとは夫婦に見えるんですよね……吉村さんとは歳も近いし、わりと距離も近い親子なのでカップルみたいに見えたらどうしようという懸念もあったんですが、その不安は完全に杞憂でした。役者さんってやっぱり凄いです。またご一緒できるよう頑張ります。

斎藤拓郎役/津田寛治さん

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はじめて津田さんを知ったのは、子供の頃に見てた「仮面ライダー龍騎」かな?龍騎の津田さん、コミカルさと格好良さのバランスが凄く良かったですよね。最終回の語りとかたまらんものがあります。

で、その後、衝撃を受けたのが「その街のこども」。これは映画としてもすごく好きなんですが、森山未來さんの先輩役を演じる津田さんが屋上で語る場面がどこかコミカルな語り口なのに凄い哀愁があって。

それ以来ずっとファンだったので、本作に出ていただけて本当に嬉しかったです。津田さんの拓郎役、さすがでした。

本当にもう、新旧名作、僕が好きな作品にも多数ご出演されているので言い出したらキリがないんですけど、とりあえず今は「ONODA」、めちゃめちゃ楽しみにしてます。

石川由香里役/冨手麻妙さん

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石川ちゃん。彩子さんはもう一人の主人公なので、実質ヒロインですね。

ちょっと脱線しますが、僕は普段「女性キャラクターを可愛く書く」ということをさける傾向にあります。これは「マニック・ピクシー・ドリーム・ガール」という、僕の解釈で簡単に言うと「映画の中に登場する可愛い女の子で、現実では存在しないような性格」の女の子になるのをさけるためです。

なので、普段は可愛い女性キャラクターというのを徹底して避けてるんですが、今作に関してはちょっと展開的に愛嬌が欲しかったので、ほぼほぼ初めて可愛い女の子を目指して書いた気がします。結果、この子もなんかひねくれ者になりましたが、冨手さんのおかげで愛嬌が増してましたね。

ちなみに冨手さんはキャスト解禁時のコメントが格好良かったので、良かったら読んでみて下さい。僕は冨手さんってパンクなんだなって思いました。

高橋尚太役/木ノ本嶺浩さん

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吉村界人さん、田中美里さん以外で、僕が唯一本作のキャストでお話しさせていただく機会があったのが木ノ本さんです。

その時点ではまだ木ノ本さんが本作に出演するか決定していなくて。あんまり喋ってもし出演しないことになったらどうしようと思い、僕はなるたけ平静を装っていたんですが、僕、「仮面ライダーW」めっちゃ好きなんですよ。平成ライダーシリーズの中でも結構熱心に毎週追いかけてて、映画も行ったし、風都探偵のアニメ化とか凄い楽しみにしてて。

そんなわけで、木ノ本さんに会った時、内心では「照井竜、普段は質問も聞いてくれるんだ!」っつってバチバチにテンション上がってましたし、本作についてコメントとかしてくれる度に内心すげーはしゃいでます。あと文才がエグい。そんな木ノ本さん、本作でもいい演技をして下さってます。さすがでした。

田中義雄役/五歩一豊さん

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なんか解禁されてる画像が横並びのカットばっかりですね……。おまけに五歩一さんのピントのあったカットが公開されていない……!これはもうしょうがないので本編で確認して下さい。

で、幽霊の田中老人。当初のイメージはイアン・マッケランでした。「X-MEN」のマグニートーとか、「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフとかやってる方ですね。作中最高齢のキャラクターということもあり、イメージとして「賢者」というものがあったんだと思います(ガンダルフはもちろん、マグニートーも頭良さそうじゃないですか)。

で、誰だ誰だと探してもらった上で決まったのが五歩一さん。この映画、主要キャストの六人中四人が喫煙者なんですが、五歩一さんの喫煙シーンも渋かったっす……!

格好良く、知性と品の感じられる田中役、ありがとうございました。

映画「人」は2022年夏公開!

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そんなわけで映画「人」の前書きでした。公開されたらまた後書きも書くかもです。映画は2022年夏公開!今言われてもみんな絶対忘れてると思うけど、折を見て思い出してもらえるよう告知はしていくので何卒よろしくお願いします(PS.「人」ってタイトル、SNSで検索かけても全然ヒットしないんで、なんかいいハッシュタグとかないですかね?)。

■公開情報
『人』
2022年夏公開
出演:吉村界人、田中美里、冨手麻妙、木ノ本嶺浩、五歩一豊、津田寛治
監督:山口龍大朗
脚本:敦賀零
制作プロダクション:株式会社エクション
配給:SAIGATE
(c)映画「人」制作チーム

2021年7月3日
映画「人」脚本家 敦賀零


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