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HITORIE 10-NEN-SAI "Versus Series" vol.3 VS THE KEBABS ライブレポ


10周年イヤーのヒトリエの10-NEN-SAI計画のひとつの対バンツアーも残すはここだけ。
渋谷 CLUB QUATTROにて、こちらも周年のバンドを持つメンバーがいるTHE KEBABS。
2021年に横浜で既に対バンをしている2組。
前回はケバブス主催だったが、今回はヒトリエがケバブスを呼ぶ形になった。

VS Series Vol.1でキタニタツヤ、Vol.2で秋山黄色を迎えていたから、ラストも(ヒトリエより)若くて若者に影響力のある人が選ばれるのだろうと予想していたから、THE KEBABSと聞いて嬉しい半面 「え?バンド?」と思ったことを昨日のように思い出す。

互いにリスペクトしつつ、互いの色を出し合ったライブレポ。



THE KEBABS

Gt&Vo.の佐々木は a flood of circleデビュー15周年、Ba田淵は UNISON SQUARE GARDEN20周年と大忙しのケバブス。
ほかのメンバーもその他のバンドへ参加したり、プロデュースをしたりと、THE KEBABSとして活動するのも約2ヶ月ぶりとなる。

個人としては昨年末のツアー暮暮以来となるケバブスなので、ワクワクしていた。


19:00ほぼ定刻通りにSEとともに、この日限定のヒトリエVSシリーズ仕様のシャツに袖を通したメンバーが登場する。田淵はビールを、佐々木はフラッド同様お茶割りを片手に登場する。

〜本編〜

セッションは無く、新井がイントロを弾く。THE KEBABSを抱きしめて で軽快に幕開け。
歌い終わると佐々木が「we're tasty Rock Band!」と叫ぶと流れるように
THE KEBABSのテーマへ。手の上がり方やフロアを飛び跳ねる人の多さを見るに、ケバブス、ひいてはユニゾン、フラッドのファンが多いと感じた。
続いて、ロバート・デ・ニーロという豪速球の連投。初っ端からぶっ飛ばしてくる。
キャッチーなサウンドはもちろん、田淵をはじめメンバー全員が思い思いのダンス、フレーズを弾く姿を見るのがとにかく楽しいし、そこがケバブスの魅力だと思う。

休まずにDr.鈴木がビートを刻む。
グーグー!のコーレスが飛び交うジャンケンはグーでは佐々木がデッキ席を渡り歩きフロア後方まで来る。そして何度も「ヒトリエ大好き〜」と歌うなど愛に溢れていた。


MC
この日を通して、ケバブスはヒトリエの話をし続けた。自分たちの話はせずに。
佐々木がケバブスメンバー全員着用の本日限定シャツについて、「楽屋着いたら全員分あって…今日ここでしか売ってないのに売れきなかったらヤバくね?笑   3人は着てきてくれるのかな?」と話すと田淵から

田淵「イガラシくんの服、首詰まってない?飲み会だともっとシュッとしてるのよ。ローブみたいに」
佐々木 「ローブ?笑 」
田淵「裸足で渋谷歩いててもおかしくないよ」
と、全く知らないイガラシの一面に大爆笑のフロア。

佐々木は曲の準備になると、下を向く

「客より歌詞大事だから」

「歌詞なんてどうでもいいと思ってるけど、ラララで済ませられないくらいには真面目なんすよ。マジでむいてないw」
といい歌詞を確認する。
すると田淵から「絶対に歌詞ミスんなよ!」とヤジが飛びつつ始まったのは6月の締切にて披露された新曲 お布団の中からである。

音数が多い!!初聞きだったのだが佐々木の歌声に合うどんどんテンポアップしていくようなサウンドは他では真似出来ないような。
改めて物凄いタレントの集まりであることを再確認させられる。

佐々木の曲が続く、テストソング はどうしても聞きたかっただけに嬉しかった。
爽やかなメロディーに力強い歌声の共演。
"正体不明のなんか行けそうに全てをBET"という歌詞。フラッドにも「賭け」を題材にする曲があるが、こんなに違和感なく歌えるのは佐々木くらいだと思う。

続いて大好きなメリージェーン知らない 昨年末のツアーで聞けて大歓喜だったこの曲。今回も聞けて大歓喜。最初から最後までジェットコースターのような目まぐるしい展開に身体が躍らされる。
途中で佐々木は
"シノダ大好き イガラシ大好き ゆーまお大好き"と歌詞を変えるところも愛を感じた。

一瞬の暗転、すると田淵が
「あ!あそこにレッサーパンダが居るよ!ゆーまおくんみたい!あ!あそこにはシノダ猫がいるよ!にゃ〜〜ん!!」
とアレンジを混じえたアノ寸劇が始まる…。

昨年末のツアーに新曲として発表された
どうぶつがいっぱい  はまさかやるとは……。
サビ途中にはゴダイゴの銀河鉄道999のフレーズも混じるこの曲は音源化できない理由が何となくわかるがとても楽しい。

そしてこのブロックの最後を飾ったのはTHE KEBABS屈指のバラード曲 ラビュラだった。

"時は戻らない それでかまわない だって会えたじゃん"
"生きてるだけで幸せだよ"

などの歌詞はコロナ禍のファンに向けてだが、やはりこの日はヒトリエに向けてのフレーズのようにも感じてしまった。

MC  
ここでもまたヒトリエについて語った2人。

佐々木「ほんとにヒトリエみんな好きで。仲良くて。特にゆーまおとか。」

元々フラッドのドラム、渡邊一丘との交友関係があり2018はゆーまおがキュレーターとしてヒトリエの対バンツアーnexUSにフラッドを呼んでいたことを思い出した。

「ヒトリエの好きなとこは2つあって…、曲と背負ってるとこ。ずっと爆弾魔みたいな顔してて欲しい」と佐々木。するとすかさず田淵が

「誰?イガラシくん?」
佐々木「いや全員」
田淵「確かに…白黒印刷して交番に貼ってたらそう見えなくもない…って、シノダくんのパパさんママさんから差し入れ届いてたよ!見に来てくれてたらどうするの?!」と言うとどよめきが起こる。

そういえば招待席に上品で美しい少し年配の夫婦が居たような…。

佐々木「いや、褒めてるんす笑 爆弾魔だけど爆破はしない。というかっこいいじゃないすか。」

やっぱり愛を感じる。佐々木が話した曲と背負ってるとこ。特に背負ってるとこという言葉が刺さった。
自分もヒトリエが大好きな身として、文字や言葉にしたことはないが背負って最前線に立ち続けるヒトリエが大好きなんだ。


そんなことを思っていると間もなくライブが再開する。
フタバスズキリュウも締切で披露された新しめの曲。早口でフタバスズキリュウを連呼する。
音楽ってなんでもありと思わせてくれる一方でやっぱりセンスがあり過ぎるからかっこいい。

"積乱雲が立ち上る こっちもそろそろ危ない"
という歌詞がこの日東京を襲ったゲリラ豪雨と予期せずリンクした、てんとう虫の夏
そういえばテストソングだったりサマバケだったり、ケバブスには夏うたが多い。

そしてここからギアがまた入ったかのようにテンポアップする。恐竜あらわる猿でもできるはいずれも初期曲だが新井のギターの音が歪みまくり、トゲトゲしさを助長する。
そしてこのブロックどうぶつ繋がりだったことに気づく。夏うたよりどうぶつを題材にした曲が多いな……。

恐竜あらわるでは飛び跳ね、猿でもできるでは踊るフロア。まさに変幻自在だった。
猿でもできるが終わり、佐々木の「バイバイ!」に合わせイントロが流れる。

最後に選んだ曲はガソリン。ケバブスのワンマンではアンコールや本編の最後に流れることが多いこの曲。対バンでやると思っていなかったから高揚した。

"圧倒的に邪魔くせぇな 圧倒的に邪魔くせぇな 圧倒的に邪魔くせぇ haha"の大合唱にも胸が高鳴るが、個人的にはそれよりも

"ロックンロールが欲しいんだ"という歌詞が大好きで、佐々木がライブでしか言わない"ロックンロールが欲しいだけ"という歌詞が今の自分の思いの全てであり、今日クアトロに来た理由であるから、これが聞けたことが何よりも嬉しかった。
そんな幸せなままケバブスのライブは終了した

演奏が終わると「ヒトリエありがとう~。あ、あと10月にPUFFYと対バンやるから来てね」
とおまけ程度に告知をして去っていった。

そして田淵はお高いヒトリエのライムグリーンの靴下を見せびらかして去っていった。
(愛がすごい)



最後まで普段通りなんでもありだったTHE KEBABSだったが、ヒトリエへの愛に溢れまくったMCが嬉しかった。
特に田淵はwowakaと親交が深く、wowakaの詩集にもメッセージを任されていたし、ユニゾンのツアーで何度もヒトリエのツアーTシャツを着てくれて 「田淵はヒトリエのこと気にかけてくれてる」と思えて嬉しかった。

演奏という面に関してはいつも通り最高にカッコよく最高にロックだった。

途中のMCで佐々木は「絶対に勝てそうな相手として呼ばれた」と
田淵は「戦う気ないもんね~」と言っていたが、それでもどんどん突き刺すような演奏は秋山黄色と同じくらい、前座とは思えないような圧巻のパフォーマンスだった。


THE KEBABS  セットリスト

1.THE KEBABSを抱きしめて
2.THE KEBABSのテーマ
3.ロバート・デ・ニーロ
4.ジャンケンはグー    

5.お布団の中から
6.テストソング
7.メリージェーンしらない
8.どうぶつがいっぱい
9.ラビュラ

10.フタバスズキリュウ
11.てんとう虫の夏
12.恐竜あらわる
13.猿でもできる
14.ガソリン




ヒトリエ


10周年イヤーの集大成として9月に日比谷野音が決まっているヒトリエ。そしてそれに向けて最後の東京公演となったVS Seriesのラスト。

個人としてはVS Series Vol.2、HITORI ESCAPE TOURの2daysの恵比寿以来(の主催ライブ)(ムロフェスは除く)だったのと
昨年初めてヒトリエのワンマンを見たクアトロだったのでこの日ここで見れることがとても嬉しかった。

強敵ばかりだったこのシリーズ、THE KEBABSが暑くしすぎたステージの転換も10分弱で終わるとお馴染みのSEがかかり、手拍子とともに限定シャツに既に裾を通している(笑)メンバーが登場する。
(ゆーまおのみ黄色いシャツを上から羽織っていた)


〜本編〜


ゆーまおがシンバルを4回叩くとセッションからジャガーノートで開幕する。
VS Seriesでもツアーでもムロフェスでも、もはやお馴染みとなった開幕ジャガーノートというかまし方。
分かっていてもこの曲でスタートする高揚感だけは慣れない。

シノダは開幕から張り上げるように歌い上げる。気合いが違った。それによってジャガーノートの治安の悪い感じが際立つ。

そしてサビのoh!oh!oh!をフロアに歌わせるシノダ(今まで無かった気がする)

続いてMarshall A  
「??!!」さすがに驚きな選曲だが、秋山黄色の時もツアーでも3曲目として選ばれていた…。
ジャガーノートからMarshall Aという緩急の応酬のような展開。これが今のヒトリエだ。

そして息をつく間もないままハイゲイン
いきなりバチバチすぎるヒトリエ。漲りすぎている戦意はもはや殺意にさえ感じるほど尖っている。
この日のシンガロングも力強く、ヒトリエのワンマンライブのような雰囲気すら感じる。

この3曲でヒトリエ初見のケバブスファンは相当食らったんじゃなかろうか……。


ここでシノダから「本日はヒトリエ 10-NEN-SAI Versus Series Vol.3 vs THE KEBABS@渋谷クラブクアトロにお集まり頂きありがとうございます。私たちこそがインターネットからやって参りましたヒトリエです。」
の挨拶に大きな拍手が。

MC
ここでは先ず衣装の話へ。

「あの人たち、『俺らこれ(本日仕様のTシャツ)着るけどヒトリエどうする?』って……着るしかないじゃん!」とシノダが言うと爆笑するフロア。

更に「なんかケバブスの方が服にバリエーションあったんだけど笑  だからゆーまおには黄色いシャツを着せました笑」とここでも笑いを誘う。


「ケバブスも相変わらず変なバンドだ……
3人になってから初めて対バンに読んでもらったのがケバブスで、恩返しがようやくできた。ホントにあの人たち忙しくて予定取れなかったんだよ!」と一転熱いMCに。

しかし、「前から変だったけど3年前はあんな寸劇無かった…笑  あれ何笑 」と最後には再び爆笑を誘うシノダは絶口調だった。


演奏再開、ここでも再びレア曲が…
シノダがタイトルコールして悲鳴が混じるフロアに掻き鳴らされたLACKに動揺する。

1月のリキッドルーム2daysの2日目(青)でも披露されたが、ほとんどセトリ入りすることは無いこの曲、サビでは力強く手が上がるフロアがファンの喜びを表している。

"この声で生まれた意味を明かし続ける為に 誰かの言葉になんて 僕を任せられるはずもないでしょう" wowakaがバンドを始めた理由がここに詰まっている。そしてwowakaとともに3人体制で進化し続けるヒトリエが、この曲を歌うということに胸が震えるのだ。

LACKが終わると聞いた事のないセッションが(めちゃくちゃ良かった)流れる。

ヒトリエの10周年、その最前線を示す渾身の新曲 オン・ザ・フロントラインである。

今年はこの曲とともに走り続けているヒトリエ。この曲にも慣れが出てきたのか、シノダは時よりマイクを持ってステージ側に何度も近づく。

"そして僕は行くのだろう その先へ"

この曲が進化し続けるヒトリエの象徴になっている。


小MC

「あれ、佐々木ってどの辺まで行った?」とジャンケンはグーでフロア奥まで練り歩いた佐々木に対抗心を見せるシノダだが、その位置を確認すると諦めのような表情を見せる笑

そしてハンドマイクに持ちかえる

少し前だとSLEEPWALKかな?と考えたりしたが、今年はもうあの曲しかないだろう。


オン・ザ・フロントラインに収録されているイガラシ作曲のSelfy charmではシノダの歌の上手さが際立つ。
シノダは佐々木のようにデッキの上を歩いてフロア奥まで来ることは無かったが、下手前方にせせり出たり、上手のスピーカーによじ登るなど普段よりも攻撃的であった。



MC

「あの〜、ケバブスとやるのに沁みっ垂れた話するのはどうかと思うんですけど、、」と話し始めるシノダ

「5年前にリーダーがいなくなって、新木場COASTでお別れ会?追悼会みたいなのをしたあと、田淵さんに食事に誘われて…」と私たちの知らない話が始まる。

「まぁ行ってみるかと思って、何だかんだ何時間も話したんだけど、その時に田淵さんに言われたことをギュッと1行にすると『いいからバンドやれ』だった…。」

「まぁこの人が言うなら…ってのもあってなんだかんだ10年続けることが出来てます。10年続いたのはケバブスと田淵さんのお陰でもあるから、恩返し……出来てたらと思います。」

そうだったのか…と思う反面、やはり田淵は5年前から気にかけていてくれたのかと思った。
いずれにせよ田淵智也という男無しで今のヒトリエは無いことを知った。
そういえば前回の対バンの前には月刊ケバブスにてREAMPリリースしたてのヒトリエを呼び、トークテーマもヒトリエについて語り合うという…ケバブスファンしかいないであろう会場で3人で本格始動し始めたヒトリエに触れてくれた。

田淵智也という男に感謝しつつ、それでも突っ走ってくれている3人がより誇らしく見えて目頭が熱くなった。


「ケバブスの誰かに…誰だったのかは忘れたけど  そんときに褒められた曲をやります…」


curved edgeか?と思ったが、Amplified Tourで流したアルペジオをシノダが弾き始めて違うことに気づく。

"首筋に咲く花に 意味などないとあなたは笑った"

3人体制になってから初めて出したアルバム、REAMPよりtat は儚くも美しい、シノダらしいバラード曲。
そういえば上記の月刊ケバブスにて田淵が絶賛した横で新井も「漫画のやつ良かった!」と賞賛していた。

漫画というのはサビの
"つまらない漫画の話"という歌詞のことだが…

誰かに褒められた…と話したシノダ。秋山との対バンの際も、秋山がデビューした際に「俺の個人名義の曲を聞いてくれてたらしい…こんなかっこいい曲書くやつが聞くんだから続けてみようかなと思えたんだ。」と言っていたシノダを真っ先に思い出す。

今回の対バン3組はヒトリエを続ける上で欠かせなかった存在であったのだとわかった。


小休憩を挟み、「俺たちがやってきた10年間に比べればあまりにも短いが、それでもお前らとケバブスにとっては十分すぎる3分29秒!」とお馴染みの口上から3分29秒
3人体制で初めて作ったとされる曲だから演奏し慣れており毎回聞く度にこの曲の強さにおどろかされる。

2番サビでは"あなたのようになれやしないんだよ  なろうとも、そうしたいとも思わねぇよなあ?!"  という叫びも含めてフロアを突き刺し続けた3分29秒だった。
弾き終わると今回も「よっしゃあ!」と叫ぶシノダ。

すぐさまギターを鳴らす。
そして今日一のシンガロングがクアトロに響く。何度聞いても鳥肌が立つ。

「wowakaより愛をこめて アンノウン・マザーグース!」
説明不要、不滅の名曲。
渦巻くように終盤にかけて強さを増すシンガロング。シノダも昂っていたのか演奏のない時はハンドマイク状態でフロアへ何度も近づいた。


暗転して暫くすると「あっちぃ……今日のこの暑さも、あの燃える日も、それはきっとこんな色だ」

何度も聞いた静かなギターが鳴る。
wowakaが「初めて自分のことを歌にしようと思った」と言っていたは1月のリキッドルーム2daysの2日目(青)ぶりではなかろうか。
(主催では)

1月はこの曲を演るために青と名付けたんじゃないか?と思うくらい、この曲は滅多に演奏されない。
それだけ3人にとって、ファンにとっても大事な曲だからこそ、3人はこの日へ並々ならぬ思いで迎えたんだと感じた。
ケバブスのメンバーに世話になったのは3人だけじゃないのだから。


1月のライブ同様に張り裂けそうな声で歌い上げるシノダ。Aメロではギターを大事に抱えるようにしながら歌っていたのも印象的だった。
本当に大切にされている。


「ありがとうございました!もう終わりです」

えぇ〜…というお決まりの反応が返ってくるのだが、爆速ダンスミュージックがフロアに流れた瞬間、オーディエンス全体にスイッチが入ったかのように前に前にと動きはじめる。

ヒトリエとして初めでリリースしたCD ルームシック・ガールズエスケープの1曲目であるSister Judyはライブでも初っ端に演ることが多い。

そんな2分弱、電光石火のダンスミュージックを「これで終わり」というのだから、この曲が終わるともちろんモンタージュガールなわけで……。


分かっていても身体が踊ることをやめない。
Sister Judyモンタージュガールの鉄板の流れは思えば秋山黄色との対バンのアンコールでも披露していた。

特にモンタージュガールは田淵が初めて聞いたヒトリエの楽曲で、「こんなことされたら僕たちはこの人たちの真似事になってしまう」と恐怖すら感じたと言っていたし、佐々木もフラッドとヒトリエの対バンでモンタージュガールをカバーしていたから、この締めくくりには納得がいった。

(ちなみにヒトリエはこの時フラッドのDancing Zombiesをカバーした)


初っ端からフルスロットルで飛ばし、LACK、tat、青など普段セトリ入りしない曲も混じえてTHE KEBABSへの恩返しを果たしたヒトリエ。
計12曲の本編を見て感じたのは、いつもより攻撃的だったということ。
ケバブスのノーガードのようなパフォーマンスにあてられたかのようにも見えた。


〜本編終了〜


もう1回!のコールの中、2分ほどで再登場した3人。
それもそのはず

「普段なら汗だくの衣装を脱ぎ捨てて、まっさらな物販のシャツに着替えるのに…着替えれないから早く来るだろそりゃ…」とシノダはボヤくが、

「でもホント来てくれてありがとうございます」と言って水を飲むシノダ。

拍手がなかなか鳴り止まない。やがて止まるタイミングでもう少しで完飲というシノダがむせる。

「拍手が止まないってことは一気しろってことかと思ったわ笑」と笑わせる。
普段はここからメンバーが全員話すゆる〜い雰囲気でアンコールに入るのだが、

「楽しめましたか?これからも続いていくだろうからさ…そんでもしフロアに飽きたなら、楽器屋なんてそこら中にあるんだから、ギターでもベースでも買ってバンドでも組んで、ステージにたって俺たちと演ったって構わない……なんつって」

驚いた。シノダは決してそんなこと言うと思わなかったから、大好きなバンドのヴォーカルから発せられたこの言葉がこの日1番胸に残ったかもしれない。

〜アンコール〜


お馴染みのカッコイイセッションから、シノダからつんざくような歪んだギターリフが流れて始まるのは センスレス・ワンダー

アンコールや本編ラスト常連曲。ヒトリエのメジャーデビューシングル。そして10年目の今年には"10年後のセンスレス・ワンダー"としてシノダ曰く「腹を括れた」曲。

ヒトリエらしい変態的な高速ダンスロックで、掻き乱される。音数は減ったがイガラシがwowakaのバッキングをベースで弾いたり、4人の時のままをほぼ保ちながら演奏し続けてくれることが本当に嬉しい。

いつも通りカッコよくキメて颯爽と帰っていった。


これにて全て終演。

興奮冷めやらぬフロアを去ろうとオーディエンスが出口へと向かう中、自分はと言うとあまりのパフォーマンスに放心状態で立ち尽くしていた。


すると1.2分後に田淵がステージに出てくる。
急いでフロアへ戻るオーディエンス。

田淵は「あの〜、俺たちがやって欲しい曲をまだ聞けてないのよ!」の話にまさかまさかのダブルアンコールを予期した歓声がこだまする。

「アンコール行く時にセンスレス・ワンダーか……ってなったんだけど、俺と佐々木が聞きたい歌は聞けてなくて、ずっとその曲名を楽屋で2人で叫んでたのよ笑」

「音源がないかもしれないじゃん?でも社長さんはOKって言ってた!」と言うとヒトリエの3人がフロアに戻り再び歓声が沸く。

田淵は気ままに「イガラシくんは『弾けるかなぁ』って言ってたけど大丈夫そ?ゆーまおくんも大丈夫そ?」と聞くと2人ともOKサインを出す。

続けて田淵は「生きてる人間の曲で終われ!」と言い残すとシノダは「アンタらいくらなんでもやり過ぎだよ!笑」と返す。

田淵は履けたが、下手のフロアには佐々木が
そして大きな声で「おい!好きだぞ!!」と叫ぶ。


そしてそれを倍の声量でシノダは
「うっせぇ!!俺らもだよ!!‪💢」と返すと一瞬で演奏スイッチに入る。


〜ダブルアンコール〜


佐々木と田淵のわがままのおかげで始まったのは curved edgeであった。

ヒトリエ3人体制になって初めてリリースした曲だ。
ホントに初めての曲か?と思ってしまうほどカッコイイし完成度も高い。

そして上記の月刊ケバブスにて佐々木と田淵がベタ褒めしていたのがこのcurved edgeだった。

やっぱり初めて聞いた時から変わらずにただただカッコイイ。

どんどん新曲を生み出す3人だから、この曲がセトリ入りする優先度が下がっているのかもしれないが、3人体制になってからのヒトリエを知らない人に真っ先に聞いて欲しい曲だ。


そして何よりこの曲を聞けたのは、ダブルアンコールを聞けたのは、田淵と佐々木という存在があったからこそなのだ…。本当にありがとう。



全体を通して……

THE KEBABSという天才たちが純粋に音楽を楽しむために組まれたバンドは、怖いもの無しにやりたい放題、演奏はちゃんとカッコイイ。
キタニタツヤや秋山黄色とは異なるタイプの相手であったが、ヒトリエはいつも通りカッコよく最前線のヒトリエを魅せてくれたと思う。


そして田淵智也という男がこのヒトリエというバンドに与えたいづれもポジティブな後押しには、ありがとう……という言葉しか出てこない。

田淵らTHE KEBABS、秋山黄色、キタニタツヤなどのアーティストを初めとする様々な人がヒトリエというバンドを支えてくれたのだと思うと、10周年を一緒に祝えてることが改めて特別なことだと思った。

しかしそれはなにより大きな困難を乗り越え、wowakaと共に3人が前へ前へと進み続けてくれているからである。

ただ続けているからでは無い、常に進化しているからこそ心の底からカッコイイと思うんだ。


・何度かでてきた月刊THE KEBABSのアーカイブ映像はこちら⬇️

1:01:00〜



ヒトリエ  セットリスト

1.ジャガーノート
2.Marshall A
3.ハイゲイン

4.LACK
5.オン・ザ・フロントライン

6.selfy charm

7.tat  

8.3分29秒
9.アンノウン・マザーグース

10.青   

11.Sister Judy
12.モンタージュガール


ec.センスレス・ワンダー  

ec2.curved edge





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