不動産鑑定士が考える鑑定士試験(短答)の最短合格法
はじめまして、不動産鑑定士のつるです。
天神の不動産を調べる鑑定士(@tsuru_kantei)さん / X (twitter.com)
普段は不動産鑑定業をしております。
試験勉強中の方から勉強方法について相談を受ける機会があり、今回は最短の短答合格を目指す方に向けて、私なりの攻略法を書きたいと思います。
私は勉強一年目の短答式は不合格となり、翌年の短答式と論文式に合格しました。受験生のみなさんには論文式に集中できるよう応援しています!
■ 不動産鑑定士試験の短答式攻略
短答式は「行政法規」と「鑑定理論」の択一式の試験です。
2023年の合格率は約34%で、553名の方が合格しています。
論文式より合格率は高いものの、3人に1人しか受からないと考えると厳しい試験です。また、受験生のレベルも高い印象で、論文式に3回不合格となった再試験組も混ざっていますので、上の表より現実は厳しいと思います。
1.行政法規の攻略法
予備校生なら授業を一通り受ける
テキストを買って読んでもOK(TACやLECのテキスト)
↓
過去問(TACのもう大丈夫シリーズ)を一年ずつ解き、間違えた問題にはチェック
時間は本番と同じ二時間を測りながら
↓
過去問を三周(過去16年×3回)したら、合格レベルまで達しているはずです
必要時間:96時間+回答確認の時間
実は行政法規が曲者です。
「行政法規」の出題は短答式のみなので、勉強すればするほど損に感じます。ライバルは論文の勉強をしているのに、自分は行政法規なんかの勉強をしていていいのか、置いて行かれてしまわないか。
ただ、行政法規の点数が取れずに短答不合格になって後悔している受験生をたくさん見てきましたし、私自身もそうでした。
不動産会社に勤めている方や宅建士の勉強をしたことがある方であれば、ある程度の知識水準があるかと思います。
ただ頻出問題や鑑定士独特の問題がありますので、油断せずに対策した方が後悔しないと思います。
声を大にして言いたいのは、鑑定士の実務で必要なのは「鑑定理論」と「行政法規」です。その他の教養科目は、文字通り教養として理解していれば特に困りません。
【行政法規の実務での活用イメージ】
・対象不動産の行政的条件(都市計画や建築基準法上の道路種別)の確認
・更地上に最有効使用の建物を想定する場合、用途や建物規模の確認
・鑑定業法の規定は独立する時に必要 等
このように、鑑定評価に必須の知識になりますので、ぜひ本腰を入れて勉強することをお勧めします。私も鑑定業務をする際には、建築基準法や都市計画法の条文をいまだに確認しています!
2.鑑定理論の攻略法
流れは「行政法規」と同じです。
予備校生なら授業を一通り受ける
テキストを買って読んでもOK(TACやLECのテキスト)
↓
過去問(TACのもう大丈夫シリーズ)を一年ずつ解き、間違えた問題にはチェック
時間は本番と同じ二時間を測りながら
↓
過去問を三周(過去16年×3回)したら、合格レベルまで達しているはずです
必要時間:96時間+回答確認の時間
鑑定理論は短答式と論文式で必要になる知識が若干違います。
短答は選択式なので、正か誤を判断できればOKです。
一方、論文式は0から自分で書いていく必要があるので、鑑定評価基準のある程度の暗記が必要になります。覚えていないと、手が止まってしまいます。
3.まとめ
以上、王道ですが「過去問三周」をすれば、どちらも合格レベルに達すると思います。
合格時間の目安は500~1,000時間程度でしょうか。働きながらでも、土日に勉強時間を確保できれば合格の可能性があるのが短答式だと思います。
論文式で使わない「行政法規」も、実務では役に立つと思って、本腰をいれて取り組んでみてください!
普段はXで「鑑定士試験情報」や「福岡のマンション情報」をつぶやいていますので、息抜きにチェックしてみてください!
天神の不動産を調べる鑑定士(@tsuru_kantei)さん / X (twitter.com)
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