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#君に届かない

ふり返ってみたけれど
わたしの道は無かった

テニスボールが
とんとんとバウンドしながら
左から右へ跳ねていった

空には二羽らしき鳥が飛び去る

わたしは前を向いてみる

遠くに海沿いのコンビナートが見えて
昼間の明るさに赤色灯が
渋く映り点滅していた

何気なしに自分の手の平を見た

何かをもてあますような顔をしていた

外に居ても家に居ても
きみに届かない心では仕方が無い

何かを造りたいと思った

初老の男性が
後ろから自転車で追い抜いて行った

少し揺れながら

ゆっくりと
ゆっくりと

風よ持って行ってはくれないか
頭のなかを
心のうちを

携帯用の扇風機を頬に近づけて
流れる汗に風を当てた

生きている内は
道をイメージする

きみへの一本道と想うと
生き方は分かりやすい

わたしは荷物を置いて
きみに届かない詩をメモ帳に書き付けた

言葉は届くものではないかもしれない
実なる波長だけは

印象的な波のようなものだけが
空を振動させて

気づかれるにせよ
気づかれぬにせよ
微弱な風のようにして
窓に当たって
見えない染みを残す

言葉を続けるほど
どうだろうか
きみから遠のく
もしくは

側に居ることを
赦してくれるだろうか

たとえきみに届かなくても
それはさして重要ではなく
同じ場所に居たという経験が

空前の生き方をこの世に
記すかもしれない

知らないきみと
気づかぬわたしと

窓を開ければ
一塵の風が室内に入ると同時に
海が広がるのが見える

ヴィジュアルが心の落胆を
防ぐのを望む

また来たい
吃とした日常に戻っても
世界は遊んでいる

二人分のブランコで事足りるから

会いたい思念
瞑想の折

ごめん

fine.

☆彡あとがき

こんにちは。
毎度お世話になっております。つる です。

今回の note は、
山根あきら さんの企画に
応募するものです。

お題「君に届かない」で、
創作することのようです。

私は詩を書いてみました。
拙い物で恐縮ですけれども、
どうぞよろしくお願い申し上げます。

青ブラ文学部へ つる 拝

#青ブラ文学部
#君に届かない


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