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『 つる賞六句 』、発表です☆

(ヘッダー画像は、今大会の絵師
こたつぶとんさんの画像です。)

こんばんは。☆

note 上で行われております、

『白杯・みんなの俳句大会』

審査員の一人、つる です。

タイトルにありますように、
審査員賞(つる賞6句)の発表を
行いますけれども、
まずは簡単にご挨拶を
させていただきます。




前大会、
夏の大会(アポロ杯)では
一応募者として。

そして、今大会では
一応募者兼審査員として、
参加させていただきました。

夏の優秀賞の実績はあるものの、
審査員を務めるのは
初めてのことです。

私が審査員を務めるのに
威力を発揮するのは、
様々なジャンルの
創作活動をしていることです。

俳句はもちろんのこと、
短歌、絵、書、音楽、と
多岐にわたって趣味を
持っているのが特徴なので、
それらの経験を総動員して、
審査に当ることにしました。

逆さに申しますと、
俳句の専門外とも思い、
私に務まるだろうか、という
心配や不安のあったことも
正直ありました。

しかしながら、
引き受けましたからには、
好きな俳句、誠実に努めて
みなさまの作品と向き合うことに
いたしました次第です。

投句期間、審査期間中は、
作者の note は
一切見ませんでした。
俳句(投句作品)のみと
対して、審査させて
いただきました次第です。
現在、この選句と講評に至るまでも。

至らない私ですけれども、
この日は来ました。

それでは、
つる賞、審査結果を発表
させていただきます。
(作者名は敬称略です)



☆つる賞六句の発表です!
(第1位から第6位まで)



つる賞六句第1位


虫の音と星の光のハーモニー

(作者 hummingbird1980)


(講評)

白杯・みんなの俳句大会を
思ったとき、
この作品がつる賞第一位に
もっともふさわしいと
思いました。

極めてシンプルな俳句と思います。

「虫の音(季語、むしのね)」と
「星の光」
という、
聴覚と視覚の響き合いを
「ハーモニー」と表現したところが
手柄と思い、
とても簡単でありながら、
まるで自然のオペラを
鑑賞しているような心地が
されたのでした。

いさぎよく、
名詞と体言止めのみで
詠まれた、清廉な一句として
際立っていると思われて、
採らせていただきました。

メルヘンのようでもあり、
実景も意識に取り入れたかの
ような、不思議さを
醸し出しているところも
魅力です。

俳句然としていないところも、
新鮮に映りました次第。

単に分かり易いだけでなく、
内に、異種同士のハーモニーと
詠まれた着想を評価しています。

投句期間が半分を過ぎた頃より、
順位付けをし始めたのですが、
結局最後まで第1位の座は
揺るがなかったのでした。

読ませていただいて、
明るい気分になるような一句、
第1位、
誠におめでとうございます!




つる賞六句第2位


コオロギの楽団多し我が団地

(作者 守屋聡史)

(講評)

楽しい一句です。

「コオロギの楽団多し」の
上五、中七の表現が
秀逸に感じました。

コオロギの声を、
「群れの数」と捉えたところ、
手柄に思えます。

ほのぼのとしていながら、
豊かな感性を一句全体より
感じられました。

「我が団地」とも詠まれて、
一句全体の
言葉のバランス感覚が
素晴らしいと思いました。

楽団多し、と終止形で
一旦句切れ、とすることに
よって、
上五中七のメルヘン的な世界と、
下五の「我が団地」の、
現実、物質的な物との
メリハリのある対比を
意図したものと受け取れました。

そのことにより、
「楽団多し」のひらめき
(着想)が
より映える仕組みと
評価しております。

おめでとうございます!



つる賞六句第3位


コスモスを揺らして行きし園児かな

(作者 くま)

(講評)

私の選ぶ句の中では、
もっとも俳句然と
思われる作品でした。

みんなの俳句大賞、
決勝ラウンドまで進まれました。

気持ちは語られず、
ただ景だけを詠み留めたことで、
園児への想いが
まざまざと感じられ得る、
すてきな一句です。

コスモス(茎など)は揺れやすい。
そよと吹く風までも
想像したくなります。

園児とコスモスの丈の
違いをも想わせます。

実際に見たままを、
そのまま詠まれたとも
取れますし、
どこか懐かしい、
セピア色の
スローモーションの
映像シーンでも
見ているかのような、
視覚的で想像力のあふれる
俳句の基本に忠実な
優れた一句と、
採らせていただきました。

外せない俳句でした。
おめでとうございます!



つる賞六句第4位

黄葉おうようがひらり一枚つま先へ

(作者 chiyo)


(講評)

何気ない一句のように思えて、
黄葉を選ぶ色彩感覚と、
それが、つま先へと
落ちて来る、
その瞬間を見事に
切り取ったことと、
採らせていただきました。

俳句に無理が無く、
しかしながら、
しっかりと詠み込まれた、
丁寧で採るべき一句と
思いました。

黄葉は、もみじ、と読む
(ホトトギス季寄せより)
ところを、ルビで
「おうよう」と読ませるところも、
音感へのこだわりが成功している。

そうして、こだわりがあると
思わせつつ、
中七下五で、
軽く気の抜いた詠み易さとの
バランス感覚。

読者にも気遣われた優しい一句と
採らせていただきました。

「つま先へ落ちて来た」
発見は、
想像だけでは詠めないものを
感じた次第です。
説得力のあります。

おめでとうございます!



つる賞六句第5位

陽に透けたススキ金銀風に揺れ

(作者 Minmin)

(講評)

ヴィジュアルに訴える一句。

陽に透けたススキは、
まばゆいばかりの光景でしたでしょう。
金色にも銀色にも見えて。

そして、この御句でも、
下五で、「風に揺れ」と、
軽く抜いた詠みぶりが
効果をもたらしています。

陽に透けたススキに、
スポットを当てる作句の意図を
感じる、
これもバランス感覚に
優れた一句と
採らせていただきました。

おめでとうございます!



つる賞六句第6位

右折して名月行きの最終便

(作者 うつスピ)

(講評)

一読して、ハッとさせられました。
名月行きですので、
飛行機でしょうか。

飛行場をゆっくりと
右折して、滑走路に入る。

これから離陸に向かう情景が、
「名月行き」、
「最終便」に寄せられて、
メルヘン的でありながらも
まざまざと実景をも感じさせる、
作句への意気込みを
採らせていただきました。

「右折して」の着想が
本当に手柄と思います。

おめでとうございます!
(作者 note 拝見しております。
 飛行機ではなく、
 バスからのようです。☆)



☆あとがき


私の授賞の決め手は、

「きらめくひらめきの着想」

「一句の言葉づらから読み取れる、
意図した心がなんであるか」

です。

受賞された方々の句から、
「着想のひらめき」を見ました。

そして、
何の心をもって、俳句としているか。

詠み手と読み手の関係に
着地している俳句か。

その辺りが、
私の審査ポイントであったように
思います。

昔、俳句の先生が
仰っていたことを思い出します。

『 俳句はあいさつ 』

子供のように
素直な気持ちになって、
採りたい六句を
選ばせていただきました。
ありがとうございました。☆

以上、あとがきでした。

別記事にて、
私 つる の個人的に
差し上げたい私設賞を
作りました。

題しまして、
つる私設賞『ナイス着想で賞』。

のちほど、
私の note のホームに公開予定です。

よろしければ、合わせて
どうぞご覧くださいませ。m(_ _)m

以上、つる の、
『 つる賞六句 』でした。

かさねまして、
誠にありがとうございました。☆

つる かく

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