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エッセイ:初めての美術館(348字)

独りで、
モネの睡蓮の絵ほどもある
大きな絵を前にして、
柔らかいベンチに座って、
ボーっと眺めている。

外で一人になれる時間はほとんど無いので、
今でも印象に残っている。

北九州市立美術館。

モダンな建物で、高台にあるので、
正面玄関まで行くのに
長いエスカレーターを上る。

客はほとんどいなかった。

北九州を見下ろすかのような立地に、
空の近さを思った。青空の似合うような美術館。

今から30年前の学生時代の話です。

通学のため、小倉こくらに住んで、
ふと思いついてバスに乗り、
片道30分くらい掛けて、
見に行ったのでした。

館内はゆったりしたスペースで、
昼の美術館は、ほぼ貸し切り状態でした。

観た作品は忘れてしまったけれど、
絵画を観る幸せを存分に感じたことを
今でも大切に心の中に仕舞っています。

(おわりです)

つる かく🍂

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