【工場潜入!】機械と職人の技がハイブリットに融合した"クラフトウィッグ"とは!?
ウィッグが完成するのを、自分の目で見てみたい
MIGUSHIの「つけるパーマ」は、マスターズプランナー株式会社さまの協力のもと開発した商品です。
海外にあるウィッグ工場で出来上がった商品が日本に届きます。
もともと未経験でスタートしたウィッグ事業ということもあり、私にとって「ウィッグがどうやって完成するのか」は、聞いて学ぶことはあっても、実際に見て体験してことではないので、未知の領域でした。
マシンメイドって機械で自動でつくられるってこと?
どうやって髪を編み込んでいる?
そもそも出来上がるのにどれぐらい時間がかかる?
たくさんの疑問を抱えたまま、「自分の目で見てみたい!」という気持ちが抑えきれず、コロナがようやく落ち着いた今年の春に、フィリピンにあるウィッグ工場へ飛び立ちました。
「完成までの全13工程」を動画で徹底解説!
MIGUSHIの「つけるパーマ」が完成するまでの工程を、包み隠さず、全て公開します!
ロングバージョン、ショートバージョンの動画も用意していますので、ぜひこちらも参考にしてみてくださいね。
▼ダイジェスト( 約4分)
▼フルVer( 約32分)
人工毛を整える
1.人工毛の束を選ぶ
MIGUSHIのウィッグでは、3色の人工毛の束を選ぶところから始まります。
一見、黒一色のウィッグに見えますが、実はやや茶色かったり、赤みがかかったりする色の人工毛を混ぜ合わせることによって、より自然な人の髪に近づけることができます。
2.ツヤ落とし加工(ふっくら加工)
もとの人工毛はかなりのツヤが目立つため、そのツヤを落とす加工を行います。この工程を「ふっくら加工」とも呼んでいるのですが、熱したプレス機械に人工毛を通すことによって、自然な「髪の傷み」を再現することができ、ツヤを落とすことができるのです。
3.髪を混ぜる
加工し終えた3色の人工毛を、専用の道具を使って混ぜていきます。均等に混ぜることでより自然な髪に近づくのですが、この混ぜる工程が非常に技術がいる作業です。この作業が1人でできる様になるまでに数年の鍛錬が必要になります。
毛材をつくる
4.1本のひもにミシンで縫う
ほどよく混ざった人工毛の束を、今度はミシンで1本の細いひもに縫い付けていきます。できる限り均一なボリュームで縫い付けていく必要があり、力の入れ具合によってそのバランスも変わっていきます。1本の束にしていくことを「ミルヘアー加工」と呼んでいます。
5.毛量の調整
ミシンで縫い付けた毛材を、今度は「人の目や感覚」でチェックしていきます。見た目や手触りなど細かくチェックしていくことで、均一なボリューム感に仕上げることができます。
6.逆毛をつくる
逆毛をつくることで、自然な根元のボリュームを出すことができます。また逆毛と通常の髪をうまく組み合わせることによって立体的なヘアスタイルのウィッグを作り出すことができます。
パーマをつくる
7.三つ編みにする
パーマのウェーブ感をつくるのは、通常、毛材をパイプにぐるぐる巻いてつくります。何度か試作品をつくったのですが、その方法だと、パーマがつき過ぎてしまうため、絶妙なウェーブ感を再現できませんでした。そこで見つけ出したのが「三つ編み」です。毛材を三つ編みに縛ることで、程よい張力となり、目指していたウェーブ感を再現することができました。
8.パーマ剤と熱をかける
まず、三つ編みに縛った毛材をパーマ剤につけます。そして大きなオーブンに入れて熱加工することにより、パーマのウェーブ感を再現することができます。美容院などでパーマをかける手順と同じですね。
ネットにつける
9.下地をつくる
毛材を縫い付ける「下地」のネットをつくります。頭の形にフィットさせるために、4つのパーツを組み合わせることで丸みを再現しています。こちらも一つ一つ丁寧に型をとって組み立てていきます。
10.ミシンで縫い付ける
出来上がった下地に今度はミシンで毛材を縫い付けていきます。この、ミシンを使って縫い付けられたウィッグを「マシンメイド」や「機械植え」と言われます。決められた幅や位置に沿って丁寧に細い毛材を縫っていく、まさに「職人技」ですね。
手植え&仕上げ
11.手植え
MIGUSHIのウィッグは、つむじの部分を手植えで仕上げています。これによって、つむじ部分が自然なパーマヘアの立ち上がりになります。全体の3%程度の面積となりますが、慣れた職人でも1つ仕上げるまでに半日程度かかります。
12.ピンの取り付け
ウィッグを固定するためのピンを前後左右に1箇所ずつ、合計4箇所に取り付けます。髪が絡まらないようにかき分けながら薄いネットに縫い付けるのも至難の業です。
13.検品
30個のチェック項目に沿って検品していきます。規定の長さや重さになっているか、だけでなく、髪色に間違いがないか、つむじ部分が綺麗に仕上がっているか、全体を見た時に違和感がないかなど、人の目でひとつひとつ丁寧に検品されてようやく”完成”です。
ウィッグは「クラフト」だ
全13工程を見ていくことで感じたことは、ウィッグはクラフト(手作り)で完成される作品であるこということでした。
ミシンを使って縫われたウィッグを「マシンメイド」と呼び、MIGUSHIのウィッグもそのジャンルにあたります。
「マシンメイド」という響きからも、どこか機械が自動的に作ってくれるような、そんな無機質なイメージも感じていました。
ですが、実際に作られているところを目の当たりにし、マシンのすぐそばには、技術と経験を積み重ねた「職人の手」が加わっていることがわかりました。
まさに「機械」と「職人」がハイブリットに融合した「クラフトウィッグ」だということを、少しでも多くの方に知ってもらうことができれば、ウィッグのイメージも変わってくるのではないかな、という希望を見つけることができました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?