
日本一周釣りの旅 イトウ編
こんにちは。
釣りをしながら日本一周の旅をしている涼と申します。
今回は日本一周中にイトウを狙って北海道を訪れた時の事を書きます。

動画も出しているので、動画も見たい方はこちら
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季節は秋、山々は色めき遡上する直前の鮭を狙って海辺は人が賑わう中、僕は1人山へ入った。
北海道はとてつもなく広いが、イトウの生息地は限られる。
ネットサーフィンをしまくり、ある程度生息地と生態は頭に入れていたが、いざ釣り場を前にしてみると迷いが出る。
本当にここにいるのだろうか?
ネットの情報ではミノーやスプーンのリフト&フォールが効くと書いてあったが、自分は25cmを超えるジャイアントベイトを結んだ。
狙うは1mオーバーのイトウ、それ以外は眼中にない。
釣行開始1日目
どこまでも続く湿原の中を流れる大きくうねった川、その水の色は茶色く濁っていた。
大湿原の中を進みながら下流域を攻めてみるがなんの反応もない。
あまりにも川幅が広く、片岸だけ探っても対岸に居るのではないかと気になってしまう為、下流域は美味しそうなところは両岸を撃った。
ぬかるんだ足元、自分の背丈よりずっと高い草が無限に生えた大湿原を歩くのにかなり時間がかかってしまい、初日は下流域の一部の調査だけで終わった。

自分の位置情報が分かるものを持っておこう。
たまにこの草の中で動物が寝ていて、自分に驚いて飛び出してきたりする(ヒグマも例外ではない)
釣行2日目
中流域を見にいこうと思ったが、あまりにも川が長すぎる為途方もない作業になると思い先に最上流を目指すことにした。
本流沿いをひたすら車で上った、コンクリートで舗装された道が無くなっても草がタイヤに踏み潰された跡が残っていたのでそれを追いながらひたすら上った。
1本の細い橋に出たので車を停め、橋の上からそっと川を見下ろすと橋の下に人がいた。
なぜこんなところに人が?そう思いながらも声を掛けてみた。
僕「こんにちは〜。何されてるんですか?」
謎のおじさん「キノコを探しているんだ、釣り人か?この辺はヒグマがいるから気を付けな。」
謎のおじさんは僕のいる所まで上がってきて、しばらく話し込んだ。
その人はなんとヒグマハンターだった。笑
僕は釣りしながら日本一周をしているんだという話をすると、「若いのに大したもんだ、イトウを狙いに来たのか?」と図星をつく答えが。
ヒグマハンターはこの森一帯を知り尽くしているらしく、どんなに山奥に連れていかれても絶対に迷わないらしい。
小さな頃からこの森が友達だったそうで、イトウについて沢山重要な事を教えてくれた。
初めてのイトウとの出会い
そんな話を橋の上でしていたら橋の下からボフッと水の音がした。
何の音だ?!と思い橋の下を覗き込んでも何もいない。
ただ浅い川の真ん中に流木が引っかかっているだけだ。
そう思ったのもつかの間、突如その流木が上流に向かって進み始めた。
「あれ?」
そう、流木のように見えたソレは決して流木なんかではなく、ありえないほど丸々と太ったイトウであった。

緊張の瞬間
まさに追い求めていた魚が目の前にいる。
しかも幻といわれている魚が2日目で。
はやる気持ちを抑え急いで車に戻りウェーダーを履き、竿を手に取り川に降りた。
僕「このルアーでいけますかね?笑」
ハンター「うーん、、(苦笑)」
僕が手に握っていたのはdepsのスライドスイマー250。
25cmクラスのいわゆるマグナムベイト、人によってはジャイアントベイトだ。

25cmのルアーが小さく見えてしまう。笑
イトウルールでシングルフックのみ、針数は2個までと定められているので純正フックを外し5/0のシングルフックを前後に付けている。
目の前にイトウがいる、タイミングを見計らいスライドスイマー250をイトウの上流側に放り込んだ。
リーリングジャークでルアーの頭を左右に振らしながら、川の流れを使ってルアーをイトウの視界に送り込む。
250に気付いたイトウが250と同じ動きをしながら徐々にルアーとの間合いを詰めてくる。
最上流の為川幅が狭く、もうルアーが岸に上がってしまう。。
その時だった。
「バフッ!!!」
「食った!!!!!」
硬い竿をしっかり曲げフッキングをかまし、魚をいなしにかかる。
幸い浅い川だったので深みに走られることもなく自分が主導権を握り魚を陸にずり上げ、ハンターに抑えてもらいランディング成功。
イトウを抱く
小さな頃から憧れていた魚が目の前にいる、というか触れてる、その現実をまだ信じられなかった.....
この瞬間僕は旅に出てよかったと心から思った。

丸太と見間違えるのも無理はない。
そして写真を撮るためにイトウを持ち上げる。
その重さは10kgを優に超えており、なおかつファイト時間が短かった為かよく暴れるので動画を回して後で良い場面をスクショした。
メジャーを当ててみると1mの表記を少しはみ出していた、103cm。
まだうっすらと婚姻色が残っており、尾の方にいくにつれて赤みを増している。
大きな魚体の反面、体表にびっしりある鱗はとても小さくとれやすい、いかにも渓流魚らしい特徴。

学年のマドンナを抱いたと言っても過言ではない。
大きな魚は弱るのが早いため、もっとじっくり味わいたい気持ちもあったが素早くリリース。
しっかり蘇生出来たのだろう、放した後イトウはすぐに川を上り深みに姿を消した。
余韻
その夜僕はヒグマハンターの家に泊まらせてもらった。
ヒグマハンターは久しぶりにイトウを見たらしく、しかもまさか釣り上げるとは思ってなかったらしい。笑

お酒を飲んで一息ついて、ハンターの事について色々聞いてみた。
なんでも最近ヒグマの数が増えてきているらしく、釣り人が襲われて怪我を負ったという話は聞かないもののヒヤヒヤするような出来事が相次いでいるそうだ。

沢を降りてきて見つけた、行きの時は無かった。
ヒグマハンター歴は40年を超えているそう。
何頭もヒグマをしとめているそうで、冷凍してあった足を見せてもらった。

とても大きく、そして重たい。
こんなのでやられたらひとたまりもない、、、

ヒグマの他にもいろんな話をし、旅の話も弾み気が付いたら夜が明けていた。
別れの時
イトウを釣った日の夜から泊まらせてもらい、渓流やキノコ採り等をハンターと一緒に楽しんだ。
1週間くらいはいただろうか。
お世話になったヒグマハンターの家を出る朝。
雲ひとつなく綺麗な朝焼けが地平線いっぱいに広がっている。
夏だというのに全く暑くない、カラッとした風が北海道の大地を吹き抜けていく。
念願のイトウを釣ることができ、ハンターとの旅の思い出もできて、とても清々しい気分だ。
「ヒグマにやられないよう気を付けて釣りしろよ。」
ヒグマハンターはそう言って、遠ざかる僕にいつまでも手を振り続けてくれた。
終わり
日本一周釣りの旅、イトウ編はいかがでしたでしょうか?
僕はこれからも記憶に残る魚を求めて日本一周を続けていきます。
次は貴方の釣り場を訪れるかもしれません。
最後までお読み頂きありがとうございました😊