雨音に 遠く消え入る 郭公の声
今日は比較的涼しいのでエアコンはつけず窓を開けている。夢中で仕事をしていたらいつのまにか雨が降っていて、最初はしとしと、次第にざーざーに変わった。そこへだいぶ遠くのほうから「カッコーカッコーカッコー」という声も聞こえてきた。雨音に負けじと必死である。どこで息継ぎをしているのかと思うくらいノンストップで鳴き続けるので次第に仕事に集中できなくなってきて、「カッコーカッコーカッコー」にずっと耳を傾けていたら母にガンが見つかったことを再び思い出した。母にその話を聞かされたとき「ガーン」と答えたらよかったと思ったりしたまでは覚えているが、そのあとはなんだか思考が消失したらしい。息苦しさを感じて呼吸を忘れていたことに気づき、ハッと息をしたらカッコーはもう鳴いておらず、雨音だけが続いている。つまらないので、窓を閉めてエアコンをつけた。
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