日経新春杯2022ふりかえり

◆レース回顧

タイム:2.11.7
レースラップ:12.5 - 11.9 - 11.6 - 12.2 - 12.0 - 12.4 - 12.2 - 11.8 - 11.4 - 11.8 - 11.9
※前半60.2-後半59.1

締まったペースで推移しつつも後半のほうがタイムが早かったのですが、これはテンの2ハロン目(11.9)が遅かったのでその分前にとっては楽に運べたということだと思いますし、全体でスローだったので後ろの馬にはやや厳しい展開だったようにも思います。ただ、コーナーでの最速ラップで外を回したヨーホーレイク・ステラヴェローチェの2騎のパフォーマンスは額面通り抜けていて、3着のヤシャマルがトップと0.6秒差なのでこの2騎だけがレースをスローバランスで駆けていました。すごいですね。
4歳世代牡馬の進撃はまだまだ続きます。

1着:ヨーホーレイク&川田将雅
コーナー通過順:9-9-9-9 上がり3F:34.4

ゲートでふらつき出足はつかず。それでもじわじわ促し1コーナーでは中団へセット。淀みなく流れていたので馬のリズムでそのまま進め、コーナーで外を回しつつも本仕掛けはまだ先。少しずつふかしてステラヴェローチェの後ろを取り直線へ入り、ステラの外から真っ向勝負。ぐいぐい伸びて3着以下との差を大きく広げ、ステラ&ミルコとのマッチレースを制し嬉しい重賞初制覇。

強かったですね。末脚の強さは4歳世代でもトップレベルだと思いますし、川田騎手が非常に丁寧に運んでいた印象です。デゼルである程度差しの感覚は掴んでいたと思いますが、余力を残しつつステラを倒せれば勝てるという乗り方でした。言うことなしでしょう。

上のステージでは差しの利きやすいレースのほうが向きそうです。大阪杯やスローの有馬記念のような、立ち回りのほうが重視されるような条件だと軽視した方がいいかなという印象で、どちらかというと秋の東京のほうが狙いは立てやすそうに思います。

2着:ステラヴェローチェ&ミルコ・デムーロ
コーナー通過順:4-6-8-8 上がり3F:34.7

ゲートをきちんと出て、促していき好位をゲット。2コーナー出口でやや下げて動けるスペースを重視。向こう正面の時点でごちゃつき気味の内を捨てて外を選択し、コーナー入り口でやや置かれつつもちょっとずつエンジンをふかし前との差を詰め、4角出口でフルスロットル。末脚の鋭さで内の各馬を圧倒するも直後からヨーホーレイク&川田が強襲。しぶとく食い下がるも末脚の残量で競り負け2着惜敗。

負けはしましたが、非常に今後に向け収穫の大きな一戦だったと思います。一番はポジションを取って競馬ができたことで、これは今後取り得る戦術の幅が広がったという意味で前進の幅は大きいはずです。1番人気らしい競馬もできていましたし、勝ち馬との差は正直斤量差だろうと思うので勝ちに等しい評価をされてしかるべきだと思います。前目を取っても末脚が鈍らなかったのはさすがでしたし、騎手もそつなく運んできました。詰めた間隔も馬を前向きにさせるにあたっては効果も出ていましたね。お見逸れしました。

順調に行けばやっぱり宝塚記念で狙いたいですね。そのあとの天皇賞(秋)がぶっつけであればそこでも一考の価値はあると思います。

3着:ヤシャマル&松田大作
コーナー通過順:7-7-4-4 上がり3F:35.3

ゲートはややあおり目もどうにか出て、ポジションは取りに行きたい構え。1コーナーで斜行してしまい、修正する形で中団の中目からコーナーで前のステラに取りついていき、向こう正面でステラが外へ出したときにすぐさまそのスペースへ進入。コーナーでもイン側から積極的なプッシュでスペースを早めに埋めていき、4角も経済的に回り直線。上位2騎には歯が立たなかった者のしぶとく粘り、内のエフェクトオンとの競り合いを制し3着健闘。

ドスローの中日新聞杯で後方から上がり最速だったのは確かに買い要素ではありましたが、ちょっと見込めなかったですね。今回は常に積極的なポジショニングでレースを運んでいたのが印象的で、早め早めに位置を取りに行っていたことが最終的に後方へのアドバンテージになっていたように見えました。明確なスローのほうが動きやすそうな戦績ではあるので、もろもろマッチした感はあります。

内容的には1・2着とは差があり、斤量ももらっていたことを考えると上でどうこうというのは現時点では難しそうです。詰めて使ってきているのでちょっとしんどいとは思いますが、左回りを意識してこなしているところも含めダイヤモンドステークスであればワンチャンスくらいはあるかなということころでしょうか。

6着:マイネルウィルトス&川須栄彦
コーナー通過順:8-7-4-4 上がり3F:35.8

ゲートは五分、特に促さず中団のインから。1コーナーでヤシャマル&松田からの斜行を受けつつ、変わらずインで展開し向こう正面へ。残り1000メートルを切ったあたりでヤシャマルと接触しつつ前との差を詰め、先団でコーナーへ入り内目を回って直線へ。早めに進路確保し全開で追うも、隣にいたヤシャマルに比べ脚色は劣勢。そこから伸びずばてずで6着敗退。

レース質は合っていなかったわけではないと思いますが、細かいところでのロスが重なってこの着順だったかなという印象です。1コーナーで斜行を食らったところよりは、向こう正面からコーナーにかけてヤシャマルとやりあったあたりでやや早めに行く形になってしまったところのほうが末脚には響いたように見えました。それで56キロですから、ちょっと厳しい競馬にはなってしまったでしょうか。乗り替わりが凡走の決定的な要因ではないと思いますが、もう少しスムーズには運べたかなというところでしょうか。

とはいえ実績は上位でしたから、この着順だと2200は微妙に長いような気がします。アルゼンチン共和国杯はスローでごまかせましたが、体力要求の上がった条件だと2000mくらいがスイートスポットのように思えます。
それなりに使ってきているので小倉大賞典には行きづらいでしょうし、春の間は重賞戦線だと買いどころが難しそうです。

8着:クラヴェル&横山典弘
コーナー通過順:14-14-14-14 上がり3F:34.9

ゲートから特に出して行く気配もなく、後方のインに位置。特に仕掛けていくこともなく、コーナーではインベタで回り、ある程度ショートカットで前との差を詰め直線へ。入りでスムーズに加速し前を捕えに行くも、坂を上り切ったあたりで脚勢が衰え、なだれ込むようにして8着完敗。

後方からの競馬が基本の馬なので、展開的に難しい部分があったのは確かだと思いますが、ラストで脚が上がってしまっていたので2200は長いのかもしれません。そうすると前走はやはり展開利を多分に受けることができたというべきなのでしょう。基本的には昨年と同様、1800~2000でハマり待ちのスタンスなのかなと思います。

15着:フライライクバード&武豊
コーナー通過順:4-4-4-4 上がり3F:37.0

出足はついてそのままの勢いで先団へ。騎手も抑えるでもなく行かせて前方で展開し、コーナーでも外目から強気に押していき直線へ。ところが追っても全く反応がなく、最後は鞍上もあきらめてまさかの15着惨敗。

この距離であればこのペースでも十分許容範囲と思っていましたが、すごい失速っぷりでした。騎手のコメントやパドックの様子を見ると、気難しい面がこの舞台で出てしまったかなというところ。これは予見できませんでした。

見限る必要もないと思いますが、狙いどころは難しいタイプです。鳴尾記念なんかは落ち着いた精神状態で臨めれば悪くないかなと思います。

◆あとがき

4歳世代の強さがあらわれたレースでした。中距離路線については基本的に4歳上位勢・牡馬を重く見てもあながち間違いではないだろうと思います。回顧に時間を使っているので、予想の時にあれこれこねくり回すよりは過去の自分を信じてあげた方がいいようにも思ったので、また反省しようと思います。

ご覧いただきありがとうございました。

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