シルクロードステークス2022ふりかえり

◆レース回顧

タイム:1:08.1
レースラップ:12.2 - 10.5 - 10.9 - 11.5 - 11.2 - 11.8
※前半33.6-後半34.5

4角のセクションでラップがガクッと落ちて直線入り口から再加速するラップ構成で、4角でそれほどラップが落ちなかった昨年の同レースと比べると後方勢が前へ取りついていく際の体力ロスが少なく、結果的に差してきた人馬が上位に進出する結果となりました。どちらかというとスプリンターは前向きさが特長の馬が多いゆえ、道中のギアの上げ下げが得手であるタイプが少ないように思うので、前で競馬をしていた組にとっては少し苦しい競馬になったかもしれません。

1着:メイケイエール&池添謙一
コーナー通過順:4-3 上がり3F:34.2秒

五分のゲートから押していき、逃げたくはなかったか行きたがるところを引っ張り引っ張り、ビアンフェが先頭に立った際はコントロール下に置いて番手のイン。直線に入り上り坂で鋭く加速、トップに立ち先行勢にはセーフティリードを確保。差し追い込み勢も余裕をもって封じ切り、王道競馬で復活の重賞4勝目。

中京の1200mはゴリゴリのスプリンターというよりは距離の融通が利く馬のほうが向く印象があって、そういう意味で1600mも勝っている本馬にとっては相性は悪くないと思ったのですが、ここまでバッチリ修正してくるとは思えませんでした。陣営と騎手を褒めるしかないですね。前向きな気性とは裏腹に、身体的にはギアの上げ下げが非常に滑らかで坂の上りでの加速では一頭違う伸びを見せていました。先行勢の中では4角の緩みを問題としていなかった存在だと思います。

本質的には1400mベストの技巧派かなと思うのですが、体力的に1600mまでこなせてしまうところを見ると、高松宮記念では有力候補の一騎に挙げられるでしょう。どちらかというと馬場がパフォーマンスに大きく影響するタイプの可能性があって、馬場を使い込んで時計がかかってくると案外かもしれません。

2着:シャインガーネット&田辺裕信
コーナー通過順:7-7 上がり3F:33.8秒

外枠・五分のゲートから押していき中団外目へ。コーナーの入りで内へ寄せ、動かさず我慢を選択し、直線では外を意識。やや進路に迷いつつ、横が遅れたところで外へ出してフルスロットル。じりじり伸びて前に迫るも、決定的な伸びは見せられず。それでも人気薄からの2着健闘。

ここもオーロカップの内容に見どころがあって、面白そうだと思っていたらこの内容。やはりゴリゴリのスプリンターよりは1400m寄りのほうが向きそうなレースですね。また、田辺騎手が絶妙なライドを見せてくれました。大外から促して中位を取り切り、コーナーでスムーズにインへ寄せてロスを防ぎ最後の伸びへと繋げました。どちらかというと要所の反応よりは末脚を出し切ってナンボの馬ではあると思うので、コーナーでブレーキを強いられた今回の展開はベストとは言えないと思います。

タフな馬場であればメイケイエールを逆転してもおかしくないと思うので、オッズ次第では次回の高松宮記念も面白い存在になるんじゃないかと思います。よりタイトに流れて体力面が活きる展開になるとより楽しみが増しそうで、GⅠを取るならここじゃないかという思いですね。

3着:ナランフレグ&丸田恭介
コーナー通過順:15-15 上がり3F:33.3秒

ゲートはスムーズも、二の脚遅く最後方から。末脚一手で腹をくくり4角から少しずつふかして、潔く大外を取って直線へ。進路は確保、脚勢鋭く坂を上り前を捕える勢いも最後の最後でジリ脚に。ラストまで伸び続けるも3着確保まで。

プラス体重の幅が多すぎたのかなというのはないこともないですが、比較的差し込んでこれる流れで突っ込み切れなかったのは少し残念でした。この流れでワンパンチ足りないなレベルが上がってくると追い込み一辺倒でもしんどいだろうと思うので、戦法も工夫してこないと重賞クラスで勝ち切るまでには至らないんだろうなあという感想でした。

基本的には速い上がりで差し込んでこれる流れがあるかどうかですね。オープン特別くらいであれば格上だなと思いますが、重賞になってくるとよっぽど前が引っ張ってくれないと今の追い込み一手では厳しそうです。逆に言うと流れが向けばスプリンターズステークスでも突っ込んでくる力は持っているので、穴党は外すのが怖い馬ではあります。

6着:エーポス&亀田温心
コーナー通過順:9-11 上がり3F:33.8秒

発馬は良好、窺いつつも外から主張する馬が多く中団外目に位置。コーナーでは内に寄せつつロスを省きに行くも、4角での減速で外を回してきた馬に脱出路を塞がれ直線へ。外を狙うも他馬がいてそれは無理筋、インに切り替え最終的にはシャインガーネットの後ろを取ってようやく全開。よく伸びるも遅きに失したか、6着が精いっぱい。

4角で進路を締められたのが大きく響きました。なかなかトリッキーな流れだったので酌量の余地は大いにありますが、スタートからの流れで安易に下げすぎたのはいただけなかったかなというところ。普通に減速ラップで流れていたとしても、中京1200mで後方のインから差してくるのは難しいので騎手が自分で自分の騎乗ハードルを上げてしまったなと思います。タイトな流れは得手、1400mでの勝ち鞍もあるのでスムーズならもう少しいい結果を得ていてもよかったなと思います。

とはいえワンパンチ足りないのも事実で、差しが決まるトラックバイアスや展開の助けが欲しいところ。割と前傾ラップになりやすい北九州記念あたりでちょっと面白いかなとは思います。

7着:カレンモエ&松山弘平
コーナー通過順:5-5 上がり3F:34.4秒

ポンとゲートを出てそのまま先行態勢。先団に入りそのまま推移。コーナーではジッとためて直線へ入り、前がしんどくなってできたスペースに入り加速、メイケイエールに迫るもラストで末脚が鈍り、後ろからの強襲を食らい後退、7着完敗。

使える脚が極端に短いカレンモエにとっては途中で息が入って他馬が余力を持って直線へ入れる展開は最悪と言っていい展開でしょう。相対的にほかの脚も削がれる流れのほうが良かっただろうと思うので、この結果もさもありなんという感じです。

大崩れはしにくいタイプなのでどこに出てもそこそこできるとは思うのですが、自身の脚ももたせつつ他馬の追い込みも防ぐという意味では、北海道でのスプリント戦線のほうが相性はいいのかなと考えたりもします。

13着:ジャンダルム&荻野極
コーナー通過順:2-2 上がり3F:35.3秒

ゲートを五分に出るも、外からで入れるところがなくそのまま押していきビアンフェの後ろまで進出。コーナーでは追い越すくらいの動きで直線へ入り、坂を上がってメイケイエールについていくも残り200mで失速。ガス欠の様相で13着大敗。

ゲートを普通に出てしまったので外枠なりの競馬になってしまったなあという印象です。緩急にも割と対応はできていたとは思うのですが、速い流れを外から先行していってちょっと息がもたなかったようには見えます。しかしこの馬は荻野騎手だとちゃんとゲートを出ますね。

斤量も堪えていたかなと思うので、ノーカウントでもいいかもしれません。もう少し競馬のしやすい枠で荻野騎手であれば出番はありそうです。さすがにGⅠでどうこうという話ではないですが。

今のところ高松宮記念の中心はレシステンシア・グレナディアガーズ・メイケイエールといったところで、ここにシャインガーネットとタイセイビジョンが人気薄で面白そう。まだトライアル戦もあるので楽しみに見ていこうと思います。

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