愛知杯2022ふりかえり
大幅に更新が遅れていますが、回顧は3レース分やります。
タイム:2.01.0
レースラップ:12.5 - 11.3 - 13.1 - 12.9 - 12.5 - 12.1 - 11.8 - 11.3 - 11.5 - 12.0
※前半62.3-後半58.7
◆レース回顧
9レースで同条件のレースがあったのですが、2勝クラスでタイムは1秒そちらの方が早かったです。斤量的にも9レースのほうが背負っていたので、まあそういうレースだっただろうという印象です。レースのタイプとしては4コーナー最速で末脚を出し切る展開で、上位の顔ぶれを見るとより長い距離で結果の出ている馬やゆったり入って末脚を活かすタイプが目立つので比較的長距離色の強い競馬になったなという印象でした。
1着:ルビーカサブランカ&武豊
コーナー通過順:11-11-11-9 上がり3F:34.2
何とか普通にゲートを出して、馬なりで後方のイン。向こう正面でやや促しつつ、コーナーでも内を意識。最速地点でコーナーワークを使ってポジションアップ、前の馬が外へ寄れたこともあり進路も良好。目立った伸びはないもののラスト200mで鞍上のムチに応えじわじわ伸び、後続の追撃をクビ差凌いで重賞初制覇。
長距離色の強い競馬で豊騎手の内枠、かつ馬も適性に不安がないとくれば走ってくるなあという印象でした。ロスなく内をすくって、かつゆっくり入れたのでラストまでもたせられたかなという感じですね。ちょっと運もあったか、内がガポッと空いたのもラッキーはラッキーでした。
全体としては見解記事でも述べた短縮スローの斤量減、さらに展開面にも恵まれての好走ということで出来すぎの感は否めないよなあというところ。レース全体のレベルもそう高くはないなと思うので、明確に買いどころだと思うのは新潟牝馬ステークスくらいだろうと考えています。
2着:マリアエレーナ&坂井瑠星
コーナー通過順:2-2-3-5 上がり3F:34.5
ゲートは五分も、二の脚がついて先団の内に位置。そのまま運んでコーナーでもインベタ。じっと動かず直線へ入り進路も十分も、どんどん右へ寄れていき、騎手の右ムチでも矯正が利かず。なかなかまともに追えない中粘るも抜け出したルビーカサブランカを捕まえるまではいかず悔しい2着惜敗。
余計に30mくらい走ってたんじゃないかと思うくらいには寄れてましたね。騎手も言っていましたがあれがなければ勝っていたでしょう。坂井騎手もきっちりポジションを取って、コーナーでもじっと我慢と非常に上手に立ち回ってレースをしていたなと思います。
コントロールも利いて体力もあるタイプですが、割と速い上がりも出せるようなので、次戦で速いペースを経験できればもしかしたらヴィクトリアマイルで出番があるかもしれません。
3着:デゼル&川田将雅
コーナー通過順:11-12-11-9 上がり3F:34.2
ゲートで立ち遅れ、馬のリズムで中段やや後ろから。前後と離れた状態で3コーナーから進出開始。思いっきり大外を回して直線へ入り、ロスを被る形でも直線序盤から馬群に対しては末脚で優勢。ただ内のルビー・マリアがしぶとく伸び続け、ラストで猛然と迫るもわずかに及ばず3着。
一番強い競馬をしたのはデゼルだと思います。ラップを考えれば4角で外を回しつつ仕掛けるのは結構しんどい形だったと思うので、そんな中斤量差のある1・2着とほとんど差のないところまで突っ込んできたのは実力の現れでしょう。ゆったり運んで末脚を活かしたいタイプではあるので、このレース質にはどうしても合わない部分はあると思うのですが、川田騎手が末脚を活かしてかつ届かせるポジションで競馬をしてくれたのは大きいのかなと思います。内でじっとためていたらどうだったかなとも思うのですが、機動力を考えるとこのレース運びでもよかったのかなという印象です。
直線の長いコースがいいとは思うのですが、どうしてもGⅠクラスだとワンパンチ足りないのがもどかしいところ。阪神牝馬ステークスや府中牝馬ステークスでは見込んでもいいと思いますが、トップクラスでは慎重な検討が必要かなというところです。
4着:ソフトフルート&岩田望来
コーナー通過順:15-15-14-14 上がり3F:33.9
ゲートは五分も二の脚がつかず最後方での競馬に。道中でも特に動きはなく3コーナーに差し掛かったところで外を意識。4コーナーで本格的に動き出し、外からスパート。伸びていくも前の脚も上がらず、上がり最速で追い込んでくるも前を捕えるまではいかず、3/4馬身差の4着でフィニッシュ。
3着との差を考えると、ポジションを取り切れなかったのは結果に大きく影響しただろうと思います。同条件での勝ち鞍もあるので、当然やりようはあっただろうなという思いです。何回か当noteでも取り上げているので多くは言わないですが、騎手の序盤のポジショニングに対する意識の薄さは重賞を勝とうと思えば改善が必須です。
馬の戦績を見ると、しんどい中突っ込んでくる体力はあると思うのですが、坂をねじ伏せるパワーにちょっと物足りない部分があるような気がします。条件的にはエリザベス女王杯が京都でやっていれば面白かっただろうなという気がしますね。差しの利くような小回り・平坦の1周コースで外枠を引ければ突っ込んでくるイメージはあるのですが。
8着:アナザーリリック&津村明秀
コーナー通過順:10-10-6-7 上がり3F:34.9
五分のゲートからそこそこ意欲的に出して行き、中団の外目で展開。3コーナーから外を回して進出、4角で前へ並びかけるも回り切れずに数列後ろで直線へ。そこからの伸びは地味で、バテるまではいかずも決定的な伸びるわけでもなく、疲れてきた馬を交わして8着を拾う形に。
太目残りだった可能性はあると思うのですが、もう少し乗り方は工夫できたんじゃないかという印象です。ターコイズステークス予定を騎手の進言でこちらにしたという記事を目にしましたが、距離は持つ算段があったにしてもあの大外ぶん回しはちょっと馬に頼りすぎただろうというところ。
序盤で出して行ってインを取りたいように見えましたが、それが叶わなかったときのプランBは十分に準備できていないように感じました。
一回距離短縮で見てみたいなという思いはあります。中山牝馬ステークスよりもダービー卿CTのほうが切れは活かせるはずなので、こちらに向かってほしいかなというところです。
9着:マジックキャッスル&クリストフ・ルメール
コーナー通過順:13-13-13-13 上がり3F:34.5
ゲートから重そうで、二の脚つかず後方からの競馬。そのまま進めつつ、コーナーでは外目を意識。4角から外に出して直線に入るもやや進路取りで後手を踏み、目立った伸びも見られず。そのまま見せ場なく9着完敗。
やっぱり心身のどちらか、あるいは両方のコンディションがだいぶ減退しているように思います。しばらくは様子見です。
11着:アンドヴァラナウト&松山弘平
コーナー通過順:5-5-6-5 上がり3F:35.1
ポンとゲートを出て、スムーズに先団へ。道中はやや力み気味で進めつつじっと我慢、コーナーもインで構えて4角出口で外のスペースを求めるも他馬と接触し進路に困る形。その後進路は開けるも全くと言っていいほど伸びず。見せ場はなく11着大敗。
こんだけ負けるかと思ったのですが、秋華賞のラストが明らかにラップを落とす形になっていたので、今回の成績を踏まえても末脚の量を問う展開は苦手なのだろうと思います。別の展開を想定していたのでこういう結果になっても仕方ないのですが、ちょっと負けすぎですね。コンディションや道中の力みなど凡走の要素は色々あると思うのですが、根本的に苦手な条件だったのが最も大きいのかなと思います。騎手はいい形を作って乗ってくれていたという印象です。
道中の感じを見ると距離を縮めてくるのが手っ取り早いかなというところ。続戦で京都牝馬ステークスなら見込めるかなと思いますし、展開次第でヴィクトリアマイルも面白そうだという思いは秋華賞の後から変わっていません。
◆あとがき
秋華賞の時に感じた4歳世代のレベルへの懸念はやはりある程度あたっていたのかなという思いで、特に中距離の王道路線については引き続き疑問視していった方がいいのかなと感じています。上のレベルで普通に通用しそうなのはユーバーレーベンくらいで、他はある程度好走できる条件が限られてくるだろうと思います。
ご覧いただきありがとうございました。
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