最終起動実験終了
横浜の動くガンダムことガンダムファクトリーのRX-78F00の起動実験が終了しました。
要はこのイベントが終わったという事です。
普通に寂しい。ぴえんです。
なので、ネタバレの事も考えてあんまり詳しく文字にしてこなかった個人的な感想と考察を、全部纏めて記しておこうと思います。
私が横浜の現地に行ったのは2回だけでしたが、F00が動いているこのタイミングでガンダムのファンであり、実際に見に行けた事が本当に素晴らしい事だったと思います。
私はわかり易く女オタなので、メカのオタクと言うよりもキャラクターありきで、そのキャラクターが乗る機体だからそのMSが好きという感じで作品を見ているところがあったし、いまでも大いにそういうところがあります。
私はアムロが好きだからRX-78には思い入れがある。
でもF00はアムロが一年戦争で乗った機体じゃない。
だからまぁ、オタクの矜恃として1回位は見とこうか、という位の気持ちで横浜に行きました。
ガンプラの事は大好きだけど思い入れのある機体じゃないし購入は見送ろうと思ったので、ガンダムベースもちょっとお土産買いに寄る場所くらいの認識。
兎に角、私が求めていたのは推しが乗った機体なわけです。
だから、初めてファクトリーでF00の演出を見た時はびっくりしたし、衝撃と感動でめちゃくちゃ泣きました。
推しが乗った機体どころか、推しやん。
メタな話ですが、「キミハダレダ」と話しかけてくるオリジナルAIの音声はオタクが聞いたら誰でもわかる古谷徹さんの声で、大抵の人はアムロの気配を感じると思います。
私は正直めちゃくちゃF00を舐めていたので、でかい造形物がちょっと動いて光る程度のもんだろうと思っていたので、古谷さんが喋るのは想定外でした。
想定外だし、古谷さんの声はこのコンテンツでは大抵アムロとイコールです。
なんの情報もなくめちゃくちゃ舐めて見ていたF00からアムロ(推し)の声がする破壊力は私の涙腺を破壊するには充分でした。
これは好きなキャラが喋ったからというよりは、「令和の世界に存在しているF00に、令和に存在し得ないアムロ・レイの因子が眠っている」という事実、設定がめちゃくちゃに刺さったという感じでした。
キモイ言い方をすれば、
アムロがそこに居る。
それだけが望むすべてだったということです。
F00のパイロットとAIが会話をする中でその声はアムロの記憶で作られたオリジナルAIだったと判明して、アムロ・レイ本人ではないと判明します。
でも、自分が何者かと自問して自我を取り戻すところは人の声色だったと思うし、それがただのデータだったとしてもこちらからすればもうアムロなんですよねテストパイロットくんも多分そういう感覚で「アムロ・レイ!」って呼び掛けてると思う。
後、ここの解釈については当日現地で見ている時からずっと思ってた事があって、所謂考察なんですが、オリジナルAIは「ガンダムのパイロット」というワードからカミーユとハサウェイを導くんですが、カミーユはともかく、ハサウェイはアムロが存命中にはガンダムに乗ってないんですよね。
ハサウェイがガンダムに乗ってる事を知ってるとしたら、それはアムロの「記憶」ではないのではないか?
じゃあ何か…っていうのが希望的観測を多分に含んだ女オタの妄想的考察なんですけど、
「そこに居たのは部分的にはアムロ本人だったのではないか?」
ということです。
UCの最後で思念体となったアムロがシャアとララァと一緒に仲良くやってるのが描写されてて、でも別に3人が常に一緒とは限らないわけです。
わかるのは宇宙に漂ってるということ。
思念体となったNTが地球圏に来るかどうかは分からないですけど来ることが可能と仮定して、だったら懐かしいMSの姿を見つけて遊びに来ること位あってもいいと思うし、搭載されていた自分の記憶を元に作られたオリジナルAIにちょっかいのひとつやふたつかけたっていいと思う。
だとすれば、「記憶」が知りえない、先の事実を知っていてもいいのではないかと思いました。だって本人は思念体として全てを見ていただろうから。
オリジナルのアムロが、F00のオリジナルAIに自分が持っている記憶を追加したという可能性だってあるんじゃないか。
追加というか、同期に近い感覚ですけど。
もうひとつあって、テストパイロットくんの容姿について
「君の金色の髪と青い瞳は懐かしい人を思い出させる」
と言うのも不思議です。
男性でその容姿を指して懐かしい人とは十中八九シャアの事なのだと思うのですが、私達から見ればアムロとシャアの関係は過去の話であっても発掘された遺物であろうオリジナルAIから見れば現在進行形で今起きている事象のはずです。「シャアは懐かしい人」という感覚は果たしてオリジナルAIが記憶(データ)として表現する事なのだろうか。
時間感覚すら学習させて検知する機能があるならこの話は詰みなんですが、私はずっと疑問に思っているし、そばにいるオリジナルのアムロの思念が影響したと解釈する方が私にはしっくりきました。
私はF00の傍にアムロが居たと思っています。
もう一つ、オリジナルAIの口調についてなのですが、「私は…僕は…!」と自分に気づいて行く所に関して思ったのですが、あまりにも15歳過ぎる………。
でもアクシズショックについて語る声はどう聞いても大人のアムロ大尉なので、思い出したり語る内容によっては姿が変わるのではないか。
姿というかその存在自体のことなんですけど、とにかく、今何を伝えているのか、どういう意思でいるのかという内容に存在自体がひっぱられて固定した姿ではないのではないかと仮説しました。
これら仮説だと、まだ地球でカマリアと一緒に暮らしていた頃の記憶もあるだろうし幼い存在にもなりえそうですね。
なってほしいんですが。
あと、テストパイロット君がアムロのことを懐かしい人と表現するんですが、多分これは実際会った思い出ではなく、歴史上の人物として教科書に載るレベルの人でしょうからそういう意味での「懐かしい人」ってことなのだろうなと解釈しています。
ここで私のこの記事を読もうだなんて思う方はすでにこの演出をご覧になってると思うのですが、私が割り込みを躱しながら頑張って最前キープして撮影した動画なので宜しければどうぞ。
以上をふまえて迎えた最終起動実験
最終日だし、わざわざ配信までするんだからいつもと違う演出がワンチャンちょっとでもあったら嬉しい……。起動実験って書いてあるけど、最終日だしマグネットコーティング稼働実験も一緒にしてくれたらいいな、アムロが喋るし。
……おわかりいただけただろうか。
こいつ、またガンダムファクトリーの力を舐めているのである。
そうなんですよね。
最初に全然期待せずに演出を見た結果、その現場で泣き崩れた女なのにどうして忘れてしまうのか。
でも弁解させてください。私はオタクなので、公式からの供給に対して過度に期待すると失望することも結構あると知っているんです。
だから、これは自衛‼
でも、本当にめちゃくちゃ素晴らしい、期待した何十倍もすごい演出でした。普通に大号泣。
最終起動実験中のシステムエラー
システムエラーの演出は通常時もある演出なんですけど、ミッションコントロールの上官から「最終移動実験中だぞ、何をしている」っていう声が出るんですよね。
このセリフ、普通にどこかの軍用施設で実験しているだけなら最終だろうがいつだろうが多分そんなこと気にならないんだろうと思うんですが、ショーアップして、観客に見せることを前提とした実験だというのがわざわざ示されてるんですよね。
私たちの存在があの空間にいる事が前提で、折角の最終日の最後のなのに!という心理が見えてめちゃくちゃ粋な演出だなと思いました。
で、テストパイロット君はこの大騒ぎのエラーの原因はオリジナルAIのアムロだと気づくんですよ。一回経験してるから「また目覚めたのか?」ってなるんです。機能じゃなくて、存在だと思ってるから出る台詞だし、会いたいと思ってる。わざわざオリジナルAI って言った後にアムロって言いなおしている。
上で散々書いたんですけど、当然私はアムロは存在している派なので、テストパイロットくんも同じなんだと思うと胸熱でした。
アムロの最後の別れ
アムロがシステムを強奪してまで言いたかったこと、最後のお別れ。
最終起動実験だしF00事態も眠りにつくのかもしれないし、だからそういう意味で長い眠りにつくって言ってるのかもしれない。
でも、アムロの因子が「今から僕はここを離れます」って言ってるようにも聞こえてハチャメチャに泣けました。
寂しいのもあったけど、自分の解釈がどんどん埋まっていく感じもして。
そのあと、次にF00が目覚めるのはMSやガンダムが平和利用される時代で、それはいつかきっとやってくるっていうんですけど、まぁテストパイロット君はそれはいつなのか?って当然聞く訳です。だってアムロが言い切るから。
多分、未来を知ってるのかな?とかそういう現実的な感覚で聞いた部分もあるんだと思うけど、アムロは「それを決めるのは君たちだ」って言うんですよ。
このあたりのやり取りで、アムロの感覚がすでに人としてのものじゃなくて、もっと高位の、いわゆる四次元や五次元の存在みたいな感じになってるんだなと思ったんです。
善くも悪くも他人事で、自分が人として介入してあれこれする問題じゃないっていうのがめちゃくちゃはっきり伝わってくるし、テストパイロット君に対しても「君」じゃなくて、「君たち」っていうのも、接触した人間代表に言ってる感じ。自分たちはここで見てるから頑張れよって感じですよね。
メタなことを言えば、これは見ている観客に対して言ってる事でもあるので当然複数形なんですけど、物語としてみれば、上記の解釈が一番しっくりきました。
ちなみに、この最後の別れの言葉を残すとき、序盤は電子音交じりの音声なのに、急にめちゃくちゃクリアな音声になるんですよ。
あの電子音声がオリジナルAI の音声で、クリアな肉声の部分はアムロ本人の言葉と思って受け取っています。
だから、未来への希望はいつも君たちの中にあるって言ってくれてるのはアムロなんだろうなって。
この後テストパイロット君「もう会えないのか?」に対して「いつか遠くはない未来で会おう」って答えてて、これテストパイロット君にはちょっと残酷なんですけど個人宛のものじゃないですよね。
遠くはない未来って1年や10年みたいな話じゃなくて、短くても数十、長くて数百年とかそういう単位で、人類史的に見れば遠くはない未来という話なだけで、多分生きてるテストパイロット君には会うことはないよってことだと思うんです。
人類にまた会おうって言ってる。
でも、最後に「君とはわかりあえた気がする」って急に個人宛のメッセージを残すんですよ。
存在はもうとっくに高位の存在だけど、感情は私たちの知ってるアムロ大尉のままで、そこの部分が多分テストパイロット君とわかりあったんだろうなと思いました。
かえるところ
「僕にはまた、かえるところがあるから」
このセリフは当然1stガンダムのオマージュ台詞なんですけど、ここで言われたら無理なんですよね。泣きすぎて死んでしまいます。
ポケットの中の戦争のCMのセリフが「バーニィ、忘れないよ」から成長したアルの「バーニィ、忘れてないよ」に変わってるっていう話がありますけど、それみたいな感じで「まだ」じゃなくて、「また」なんですよね。
最初聞いたときは今回のかえるって帰るというよりも還るって感じなのかなって思ったんですけど、よく考えていくうちにやっぱり「帰る」なのかもしれないって思ってて、ていうのも、多分アムロはずっとそこにいるんですよね。姿も形も変わってるけどアムロ・レイは存在してて、メビウスの輪を超えてる。
じゃあどこに帰るんだってことで、そんなのシャアとララァのところでしょって思ってます。
ララァはともかく、シャアとアムロは殺しあったわけですけど、思想として殺すしかなかっただけで、殺したかったわけじゃない。
一方で、自分以外の誰かの手にかかるくらいなら当然自分が殺したいって思ってる。どっちの側面もあるだろうけど、主にアムロは前者でシャアは後者だろうと。でもお互いに執着しているし、多分どちらも相手の一番は自分だと無意識に思ってると思うんです。
アムロは自分が行けばシャアが出てくると思ってるし、シャアも私を感じてみせろとか、二人とも自意識過剰だし傲慢ですけどそういう意味では完璧に相違相愛なわけです。
で、ララァはその二人の間に永遠に挟まっていたい。
UCの三人が仲良く一緒にいるところを見れば、多分もう彼らの中でお互いは殺しあう相手ではなくなっているようなので、だったら一番自分を必要としている人たちのところに帰るのが妥当だし、帰りたいだろうと解釈しています。
これにはララァもにっこり。
最後の言葉を受けて
実験終了後にドローンの演出があったのすごかったですね。
私は結構前からF00の最後にはシャアがアムロを迎えに来ると思ってたので、ドローンの演出でシャアがアムロと一緒に空に映し出されたときは「おいマジで来たやんけ!」ってなったのですが、まぁそれは置いといて。
最後のアムロのメッセージめちゃくちゃよかったですね。
この時にはすでに私の顔面はぐちゃぐちゃでしゃくりあげて泣いてたんですが、アムロが本当は自分の技術も能力も平和利用のために使いたかったっていうのが伝わってきてアムロ・レイの解釈が完全に一致でした。
ただ、100年後の未来を想像してほしいっていうメッセージめちゃくちゃ考えさせられますね。
なんというか、ぱっと聞いた感じ100年先の未来を考えてっていう言葉はどちらかと言えばシャアの意見っぽい。
100年先を考えて、地球はもうだめだからって思ったのがシャアで、今そんなことをしたら駄目だろう!ってなったのがアムロ。
でも、未来の地球に対してどういうビジョンを持つかで今やることが変わるわけだから、やっぱり「100年後を考えて」っていうのはアムロの意見なんですよね。
100年後を考えて何をどう選択するか、それが大事だよって。
それを考える手助けに今回のF00が役に立ってたら嬉しいし、ぜひ役立ててねって言ってる。
やっぱりこれはアムロからのメッセージなんですよね。
今後、閃光のハサウェイの新作もあって、多分一作目の映画の感じだと小説よりはアムロやシャアに対する言及もある気がするんですがどうだろうな。期待しすぎかな?いや、やってみせろよ、マフティー。
このマフティーの思想も地球の未来を彼らなりに考えた結果で、めちゃくちゃテロリストですけど、それが正しいか間違っているかどうかは本当の意味では分からない。
でも多分、アムロの望む未来ではないし、そもそもそのアムロの望む世界が正しいのかもわからない。
ただ、テクノロジーは平和利用されてほしいし誰も傷ついてほしくないアムロに対して、でも将来のそのビジョンの為に、今兵器でやらなければいけない粛清があると考えるのがマフティー。
現実に最近いろんな活動家の方がいて、その人たちも彼らなりに考えた行動をしている。
それを見てどう思うか、どう感じるか、どうしていきたいのかをもっと考えて欲しいし、それを託しますと子供たちに言ってる。
私は大人ですが、勝手にしかと受け取りました。
私は絶対にアムロに会いたいので、もう一度アムロに会える未来を考えていきたいと思いました。
F00、アムロ、ガンダムファクトリー横浜を作り、盛り上げて下さった多くの方、本当にありがとうございます。
絶対に未来で会いましょうね。