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繁閑の差
岐阜県の緊急事態宣言が明けて1週間が経過しました。
奥飛騨周辺の観光地も営業を再開し、徐々に通常時に戻りつつあります。
お客様の状況については、宣言前と後で大きな変化はなく、2月と変わらないくらいでしょうか。まだ様子見といった状況のようです。
Gotoトラベルの再開はまだ先になりそうですが、
今後コロナの状況が改善されればGotoがなくとも、
観光業及び宿泊業も需要の反動で忙しくなるのではないか、と思っています。
今回はそんな繁忙期・閑散期の差のお話です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/af5edeaad97f1e3498c56cda2d2b38a6ba3c80b8
業界全体や経営者的な視点に立てば需要の反動って喜ばしいことなのですが、現場の視点で見るとちょっと戦々恐々としてしまうところがあります。
昨年のGotoトラベルの地域共通クーポンが開始した際、
私はホテル付帯施設のラウンジで働いていました。
ホテル周辺でクーポンが使える施設が少なかったため、急激にお客様が増えて忙しくなりました。
元々例年と比べてお客様が少なかったため、スタッフ数も少なかったのですが、
急にお客様が増えたため夏の最盛期に匹敵する忙しさを、少ないスタッフ数で対応することになってしまいました。
その時の私の上司にあたる方は全く休憩とれていなかったようでした。
これはホテルの付帯施設でGotoトラベルというイレギュラーの話ですが、
このように極端な繁忙期、閑散期の差は宿泊業に従事するスタッフに負担を強います。
極端な話、毎日満室であれば業務量も変わらないので最適な人員数でシフトを組んで、休憩や休日も定期的に回せるのですが、
繁閑の差が激しく、例えば土日祝日は満室で平日は30%くらいの稼働となると、スタッフが余ってしまって余計な人件費等が生まれてしまいます。
そうなると、土日祝日を少ない人員で無理に回さざるを得ません。
もしくは派遣やパートさんのような非正規雇用の人たちを雇います。
どちらにしても高いサービスの質を維持するのは難しくなってしまいます。
また平日と週末の違いに限らず、一昨年のようなGW10連休が発生すると、残業時間がえらいことになったり、連勤が発生してしまいます。
会社員時代は社員が多く比較的勤務体制がしっかりしていた施設だったので6連勤で収まりましたが、
非正規雇用で小規模な施設に入るようになってからは、10連勤超えは普通になりました。
場所によっては30連勤だとか、倒れてようやく休みがもらえた、といった話を聞くこともあり、宿泊業の離職率が高いとされる理由の1つでありそうです。
星野リゾートの社長がよく述べていますが、休日の分散というのはこの業界の悲願でもあります。他業種からすれば難しいのかもしれませんが...。
話は冒頭に戻ってGotoが再開するにしても、極端な割引をせず10%の割引を長く続けたり、平日に限定して行うなど、緩やかに稼働が上がったり繁閑の差が無くなるような工夫をしていただけることを願うばかりです。
あとは今後テレワークが一般化し、ワーケーションができるようになることで、人々の休日が分散し、スタッフもお客様もWinWinな環境になるといいな、と思っています。
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