クリーピー 〜偽りの隣人〜

ワンちゃんかわいいやったー!

あらすじ:”刑事から犯罪心理学者に転身した高倉(西島秀俊)はある日、以前の同僚野上(東出昌大)から6年前の一家失踪事件の分析を頼まれる。だが、たった一人の生存者である長女の早紀(川口春奈)の記憶の糸をたぐっても、依然事件の真相は謎に包まれていた。一方、高倉が妻(竹内結子)と一緒に転居した先の隣人は、どこか捉えどころがなく……。”(yahoo映画より引用)

あの北九州殺人事件をモデルにしているという映画と聞いていたのですが、いや全然違うじゃん…

映画そのものは、突出して酷いわけでもないが面白いとはとても言えない、一番中途半端なやつです。冷たい熱帯魚もこの類なんですよね、どうして実在の事件をモデルにするとこうなるんですか?(凶悪はそこまでじゃないですけど)

モデルの事件を考えれば、犯人である隣人(香川照之)がもっと、外面は人当たりがよくて、被害者は最初油断してしまって取り込まれる…という流れになると思うんですけど、残念ながらこの映画ではもう最初からおかしい・怪しい・やばいの三拍子揃ってるんですよね。それってもう完全に前提から崩壊してませんか?最初から露骨に怪しいんじゃ関わらないじゃないですか。途中から牙を剥くっていうならわかるのに、最初から牙剥き出しってどうなってるんですかね。
そこの違和感がすごいのに、なぜか主人公夫婦はガンガン関わっていく……イカれてんのか?まず引っ越しの挨拶のときにあの対応されてなんで関わる…?それを言うなら同じ程度とまでは言わないけどそこそこ対応悪かった別の隣の家にはなんで関わろうとしない?と前提の破綻がここにめちゃくちゃ響いて来ます。
自分の家にまで招いてるの本当に意味がわかりません。なので主人公の妻が取り込まれても、まぁあんな怪しいやつに自分から積極的に関わってりゃそうなるわ…としか言えません。

と、前提が破綻しているので話に乗り切れず、色んなところが気になって気になって仕方なくなります。
例えば主人公の妻が香川照之に前日のシチューをおすそ分けに行くところとか…いやシチューって、しかも前日ってお前…
他にもオープンスペースみたいなところで香川照之の前の犯罪の関係者の任意取り調べみたいなことをしたり、やたら単独行動の無能な警察(もちろん危険な目にあったり死んだり状況を悪くする)等など、盛りだくさんです。
最も気になるのが、なぜかやたら監禁に適した香川照之の家です。この家も乗っ取った家のはずなので、なぜか一般家庭ですごい監禁に適した家が建てられていたと…そんなわけあるかい!いや本当…いくらなんでも都合が良すぎます。

また、香川照之が普通に手を下していることも、元の事件を考えるとそれじゃダメでは…?となります。捕まるつもりがないというのはわかりますけど、仮に捕まったときに自分でやったのではないという自己弁護が出来ないのはいいのか?と思います。
また、人を操る方法も、洗脳とかではなく怪しいミラクルマジカル薬物を使っているところもなんだかな〜…と思います。洗脳を書くのは難しいかもしれませんが、そういう安直なやつではなく、やっぱり洗脳がよかったです…

他にも話の進み方がちょっといまいちかなと思います。最初から香川照之が怪しいので、話が動かないのが遅く感じるんです。途中から、あれ…この人おかしいな…ならそうはならないと思うんですけどね…

とにかく、犯人の隣人が登場した瞬間から怪しいのがすべてを壊してしまったという感じの映画でした。
香川照之の演技は悪くないのですが、もう存在がかなり怪しいに振っていて外面がいいというところすらないので、ちょっとなんだかなぁ…と思ってしまいます。個人的にはリリー・フランキーにして最初は外面よく面倒見のいい隣人…でも実は「あの人、本当のお父さんじゃありません、知らない人です」がいいと思います。怖すぎるのでやっぱり香川照之で自衛させてもらえた方がいいかもしれない!


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