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\ビジネスモデル超入門/ビジネスモデルってなに?

こんにちは。
クラウンコンサルティング株式会社で、
管理部 兼 広報を担当している、つのだ(@tsuno_bgent)です。

起業をする時
新規事業を立ち上げる時
既存事業の見直しをする時
「ビジネスモデル」という考え方が重要になってきます。

今回は、ビジネスモデルについて学んでいきたいと思います。

ビジネスモデルとは?


 アメリカのジョアン・マグレッタは、「ビジネスモデルの正しい定義(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー論文)」の中で、ビジネスモデルを再定義しました。

 ジョアン・マグレッタによると、「どのようにお金を稼ぐかではなく、どのように価値を創造するか」だと言っています。つまり、ビジネスモデルとは、顧客にとって何が重要で、どのようにそのニーズに応えるか、そしてその過程でどのように収益を生み出すかを明確にする「物語」なのです。

  • あなたは誰に対して価値を提供するのか?(Who)

  • あなたはどんな価値を提供するのか?(What)

  • あなたはどのように価値を提供するのか?(How)

  • なぜそれが収益を得るのか?(Why)

 これらの質問に答えることで、ビジネスモデルという物語を創り出すことができます。そして、その物語が現実と一致するのかどうかを、2つの視点でテストすることで、ビジネスモデルの妥当性を確認することができます。

テスト① 物語(Narrative)
・ストーリーに意味があるかどうか?
・話の筋道は通っているのか?

テスト② 数字(Numbers)
・損益計算書が成り立つのか?
・利益が上回ることができるのか?

 「物語」の失敗事例を1つ紹介します。アメリカのオンライン食料品配達サービス「ウェブバン社」のビジネスモデルの物語は『人々の時間と手間を節約し、高品質で低価格の食料品を届ける』というものでした。しかし、この物語は現実とは一致しなかったのです。ウェブバン社は8億ドルもの巨大な資金調達に成功したものの、高額な倉庫やトラックを維持するコストがかかりすぎて、利益を上回ることができませんでした。また、顧客もウェブバン社のサービスに十分な価値を感じられなかったのです。結果として、ウェブバン社は2001年に破産しました。これは、物語が現実と一致するかどうかの確認が十分になされていなかったのです。

 素晴らしい物語には、緻密な人物描写、説得力のある動機、価値を見抜く洞察力をもって生みされた構想があるのです。素晴らしいビジネスモデルも同様で、人間に対する洞察から始まり、豊かな利益の流れで終わるのです。

ビジネスモデルキャンバス


 ビジネスモデルキャンバス(BMC:Business Model Canvas)とは、2005年にスイスのアレクサンダー・オスターワルダーとイヴ・ピニュールが考案した、ビジネスモデルを可視化/理解するためのフレームワークです。

ビジネスモデルキャンバスは、以下の9つの要素「ビルディングブロック」で構成されています.

1.顧客セグメント(Customer Segments)
誰に価値を届けるのか?

2.価値提案(Value Propositions)
どんな価値を届けるのか?

3.チャネル(Channels)
どのような経路で価値を届けるのか?

4.顧客との関係(Customer Relationships)
どのように顧客と関係を築くのか?

5.収益の流れ(Revenue Streams)
どのような仕組みで収益を届けるのか?

6.主なリソース(Key Resources)
必要なリソースはどれぐらいか?

7.主な活動(Key Activities)
どんなタスクが必要なのか?

8.主なパートナー(Key Partners)
どのようなパートナーと協業できるのか?

9.コスト構造(Cost Structure)
どのようなコストが発生するのか?


ビジネスモデルキャンバス作成のメリット


①ビジネスモデル全体を直感的に理解できる
 ビジネスモデルの全体像が一枚のビジュアルなキャンバスに収まるため、直感的に理解することができます。

②複数のビジネスモデルを比較できる
 自社だけではなく、他社のビジネスモデルキャンバスを作成することにより、違いや特徴などを比較することができます。

③足りない部分が見えてくる
 9つの「ビルディングブロック」を埋めていくことで、ヌケ・モレがないかを確認でき、見落としていた部分や足りない部分が明確になります。

④ビジネスモデルの共有ができる
 ビジネスモデルキャンバスは共通のフォーマットで作成するため、社内外の関係者との、ビジネスモデルの共有や議論が円滑に進みます。関係者全員が同じビジネスモデルを理解し、共通の認識を持つことができます。

ビジネスモデルキャンバスの作成方法


 ビジネスモデルキャンバスの作成方法は、9つの「ビルディングブロック」を順番に埋めていくシンプルなものです。しかし、9つも要素があるとそこから埋めればよいのか分からないかもしれません。まずは、前述している1~9の流れで作成してみましょう。

 まずは、ビジネスの根幹となる①顧客セグメントと②価値提案を埋めていきましょう。つまり「誰にどんな価値を提供するか」です。この2つが明確になると、③チャネル、④顧客との関係を埋めることができ、⑤収益の流れも
見えてきます。そこから、⑥主なリソース、⑦主な活動、⑧主なパートナーを埋めていき、最後に⑨コスト構造を埋めていきましょう。

ビジネスモデルキャンバスを実際に作成してみましょう


 それでは、実際にビジネスモデルキャンバスを作成してみましょう。今回は、コンビニのフランチャイジーで作成してみます。

①顧客セグメント(Customer Segments)
コンビニの主な顧客は誰か?
・地元の住民
・通勤・通学者

②価値提案(Value Propositions)
コンビニが顧客に提供する価値は何か?
・24時間営業
・多様な商品やサービスのラインナップ

③チャネル(Channels)
商品やサービスはどのように顧客に届けられるか?
・店舗

④顧客との関係(Customer Relationships)
顧客とどのような関係を築くか?
・セルフサービス

⑤収益の流れ(Revenue Streams)
収益はどのように生み出されるか?
・商品販売
・サービス手数料
・定価販売

⑥主なリソース(Key Resources)
ビジネスを運営するために必要な主要なリソースは何か?
・立地の良い店舗

⑦主な活動(Key Activities)
ビジネスを運営するための主要な活動は何か?
・多頻度小口配送
・少人数での店舗運営

⑧主なパートナー(Key Partners)
ビジネスを運営するための主要なパートナーは誰か?
・フランチャイズ本部

⑨コスト構造(Cost Structure)
ビジネスを運営するための主要なコストは何か?
・仕入原価
・ロイヤリティ
・店舗運営費用


まとめ

・ビジネスモデルとは、顧客にとって何が重要で、どのようにそのニーズに応えるか、そしてその過程でどのように収益を生み出すかを明確にする「物語」である。

・ビジネスモデルを成立させるには、「物語」と「数字」の2つの視点でテストをし、妥当性を確認する必要がある。

・「ビジネスモデルキャンバス」は、ビジネスモデルを可視化/理解するためのフレームワークである。

今後も、皆さんのお役に立つ情報を発信していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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