デザインの意図 -ウィークエンドカメラバッグ-
カメラバッグの試作品に予想以上の反応があったため、今回は”ウィークエンドカメラバッグ”の開発背景と特徴について書いていく。
ウィークエンドカメラバッグとは
カメラを収めるのに最低限必要な機能と、洗練されたデザインを両立させることで、ファッションスタイルを崩さずにカメラを持ち歩けるよう設計された防水レザー製のバッグだ。
なぜ審美性の高いカメラバッグを
作ろうと思ったのか
市川渚さんと共に開発したドローン専用バッグに、市川さんがカメラを収納して持ち歩いていたことが開発のきっかけとなっている。
市川さんのみならず、最低限の機材を持ち歩くバッグとしてちょうど良いという声をいくつかいただく中で、デザイン性の高いカメラバッグが求められていることを実感した。
考えてみると、カメラバッグの多くは機能性重視のものだ。
もちろん大量の機材を持ち歩く人は、高機能なカメラバッグを選ばざるを得ない。
しかし、もっとカメラを気軽に持ち歩きたいと考える人たちは、機能と同じくらいデザインを大切にしたバッグが必要だと感じている。
ウィークエンドカメラバッグは、そういった方々の思いに応える”美しいカメラバッグ”として開発している。
機能の特徴
休日仕様のカメラバッグに必要な機能については、日常的にカメラを使用している方々に話を聞きながら決めていった。
特に求められた以下3つの機能について説明していく。
まずは保護性。
ウィークエンドカメラバッグは、緩衝材となる厚み5mmのスポンジが収納物を包み込むようにバッグ全体に内蔵されている。
また、緩衝材を入れるだけではなく、高い防水性を持つ革と、アウトドアブランドでも活用される止水ファスナーを使用することで、急な雨に降られても安心して使うことが可能だ。
※どんなに厳しい環境下でも完璧に水の浸入を防ぐプロ仕様ではないのでご注意ください。
次に軽さ。
ラージサイズ約700g、ミディアムサイズ約490gとなっており、同様の機能を持った生地製カメラバッグと比較しても遜色なく、気軽に持ち歩ける重量を実現している。
軽さを出すために革の厚みを調整したり、軽量な生地を採用してはいるが、それによって製品の耐久性が落ちることがないよう細心の注意を払いながら設計している。
最後に収納性。
ラージサイズは、レンズを取り付けた状態の一眼レフカメラと予備レンズ1本の収納を、ミディアムサイズはSIGMA fpやVLOGCAM ZV-1など小型カメラの収納を想定して設計している。
カメラを入れたまま財布やコスメを収納できるポケットを取り付けたり、バッグ背面部分にはスマホをスムーズに出し入れできるポケットを配置するなど、使い手が心地良く使えるよう工夫を施している。
収納力が気になる方は、市川さんが撮影してくださったレビュー動画が参考になるかと思う(カメラバッグは5分35秒から登場)。
デザインの特徴
デザインにおいて最もこだわったのは「製品のフォルム」で、男女問わず持ちやすいコンパクトさが感じられることを大切にした。
この製品の元となったドローン専用バッグのデザインは、市川さんの骨格やファッションスタイルをイメージしながら考えたのだが、いかにも機材が入っていそうな大ぶりで無骨なフォルムが市川さんのスタイルに似合うとは思えなかった。
収納力はあるけど見た目はコンパクト、という矛盾を成立させるためにインスピレーションを得たのは「サイコロ」。
たとえバッグ本体に厚みがあったとしても、正面から見た際の面積が狭ければ小さくまとまっていて軽快な印象を与えることができると考え、サイコロを想起させられるコロンとした可愛いフォルムを設計した。
フォルムにおいて重要なデザイン要素がもう1つ。ショルダーテープ根元の革パーツの形状だ。
付け根からショルダーストラップに向かって細くしているが、このような形にすることで箱っぽい印象を緩和し、より身体に馴染むような見た目となる。
例えば、このパーツをただのストレートなベルトに変更すると下の画像のようになる。上のデザインだとバッグ本体が浮いて見えることがわかるだろうか。
ちょっとしたことではあるが、使用者の身体にバッグが馴染むことで、見た目の印象が変わる重要なデザインポイントとなっている。
機能性と審美性を両立させることで
新しい価値を見出す
カメラバッグを開発するとなると、どうしても機能を詰め込んだ安心設計で製作したくなってしまうもの。
美しいカメラバッグを作るというのは、私にとっても挑戦的な取り組みとなった。
搭載すべき機能を選定するのに大変な苦労をしたが、私なりの1つの答えを出すことができたと感じている。
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