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デザインの意図 -レザーハイブリットバンド for Apple Watch-
うだるような猛暑が当たり前となった日本の夏。
街では快適に過ごすための工夫を様々な形で見かけ、つい機能性を重視したくなる暑さとなっているが、快適さを求めてファッションを楽しむ気持ちが萎えてしまってはいないだろうか。
今回は、真夏でも毎日Apple Watchを身に付けられるレザーバンドについて書いていく。
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なぜつくったのか
きっかけは「自分たちらしいApple Watchバンドが欲しかった」というシンプルな思いに尽きる。デバイス関連のレザープロダクトを生み出す私たちがApple Watchバンドを展開するのは、ごく自然な流れだった。
一般的なレザー製時計バンドには個人的に耐え難い3つの課題がある。
・バンド内側に汗が染み込むことで黒ずんだり、劣化しやすい
・汗臭くなりやすく、臭いの除去が難しい
・バンド側面のインクが劣化して剥がれてくる
これらの課題を気にして、ハイブランドや高級時計のレザーバンドは夏に付けないと決めている人は多い。また、Apple Watchにおいてはヘルスケアアプリと連動させるために運動中や睡眠中に付けている方もいるため、快適に装着し続けられるかどうかは重要だ。
季節やシーンによってバンドを変えるのもファッションの楽しみ方ではあるが、「付けたいのに付けられないという状態は楽しみに制限をかけている」と考えた私は、その制限を解放し、季節やスタイルを問わずに使えるレザーバンドを形にする挑戦を始めた。
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レザーハイブリッドバンドとは
汗が要因となる臭いや劣化を予防しつつ、レザーバンドならではの上質感とファッション性を季節や服装問わず楽しむことができる、Apple Watch専用のバンドだ。
バンド表に防水シュリンクレザーを、バンド裏にはスポーツバンドで使われるFKM(フッ素ゴム)という異素材を掛け合わせたデザインによって、相反する要素の調和を成立させている。
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こだわりの機能性
前述した課題を解決するために採用したFKM(フッ素ゴム)は、常に肌へ密着している状況、耐久性、メンテナンスのしやすさという観点で見たときに非常に優秀で高機能な素材だ。そして世界で最も使用されているであろうスポーツバンドにも採用されているという信頼の厚さを考慮すると、今回の製品に最も適した素材であると判断した。
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バンド裏の汚れが少し気になる際は、ノンアルコールのウェットシートなどでケアしてあげても問題はない。
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また、バンド側面の劣化に対しても有効な工夫をこらしている。
一般的なレザーバンドがインクで処理している部分を、革を折り畳む仕様にすることでそもそもインクを使わずとも綺麗な仕上がりになるよう設計しているのだ。
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1mm以下の薄さかつ細い革パーツを丁寧に折り畳む仕様にすることは、相応の手間がかかるものの美しい見た目を永く保つためには欠かせない。
こだわりの審美性
時計バンドのように小さくシンプルな製品ほどユニークな見た目を表現するのが難しいのだが、どこにでもあるバンドをつくっても意味がない。
かといって、ブランドアイコンである楕円型の浮き出しラインを、そのままバンドへ入れようとすると主張が強すぎる。アイコンの形を綺麗に保つためのステッチも必須となり、煩雑な見た目になることが容易に想像できた。
考えた末、楕円型の穴を開けることでブランドのアイコンを想起させられ、装着時に手首をチラ見せできる大人なデザインへ仕上げている。
ファッションにおける三首(足首、手首、首)を見せると色気が出せることは有名な話だが、それに則った形だ。
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アイコン型のホールの代わりにスタッズを入れることで
デザインのアクセントとしている
また、バンドを固定する革パーツは最小限のステッチを入れたミニマル仕様に。
小さな製品にこそこだわりを入れられるかどうかで、大きな違いが出せるかどうかが決まる。
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大人の色気を見せつつ、クラシックな印象になり過ぎない抜け感を覚えるミニマルなデザインとすることで、ブランドのユニークさを感じてもらえたならとても嬉しく思う。
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どんなときでも自分の好きなものを身に付けたい
異常気象と言われるほどの酷暑が続く日本にいると、もう服装なんてどうでも良いと思わされる人も多いかもしれない。私自身も近年の日本の夏は過酷だと思う。
しかし、だからこそおしゃれを楽しむことを諦めたくない。
自分らしいファッションを崩さない、美しさと機能の調和が取れたプロダクトをこれからも生み出していこうと思う。
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Apple Watchバンド 商品ページ
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