人の心を読み解く~大阪都構想住民投票の結果から~
なぜ、大阪維新の会を敗れたのか?
11月1日(日)の大阪都構想の是非を問う住民投票のことです。
全国レベルで人気実力とも抜群の吉村知事と松井市長の知名度に加えて、
公明党も賛成に回ったにもかかわらず結果は負けました。
私も一大阪市民として今回の投票にも参加しましたが、
結果どうこうよりも人の心の本質を垣間見れたと感じています。
告知後の序盤戦は大阪維新の会が完全にリードしていました。
大阪市民の吉村知事への信頼度はコロナへの対応実績を踏まえて、
圧倒的な支持を得ていたと感じております。
どうみても反対派は劣勢に立たされている状況でした。
その状況から反対派は心理学的に絶妙の策に出たと感じました。
「大阪市がなくなり二度と元に戻らなくなっていいんですか?」
市民に対してシンプルに1ワードで問いかけたのです。
質問されると人の習性として脳が勝手に答えを探し始めます。
多くの人が大阪市がなくなっていいのか?と疑問を持ち始めました。
そこで、さらにとどめの一言が、、、
「住民サービスが下がります。今より生活水準が悪くなります。」と、
市民の不安を煽るメッセージを繰り返し訴えていました。
人は変化による不安や怖れを避ける傾向があります。
結果として、票が反対派に流れてしまったのではと考えています。
それでも、大阪維新の会は圧倒的強者です。
私は戦略的に戦っていれば負けなかったと思っております。
では、何が足りなかったのか?
私は大阪の将来のイメージを示せなかったのが敗因とみています。
何のために大阪市を廃止して二重行政を解消するのか?
何のために特別区を設けるのか?
俗に言う手段の目的化に陥ってしまったように感じます。
あくまで一個人の見解にはなりますが、
大阪は日本や世界の中でどのような位置付けを目指していくのか?
東京に対抗する西の首都を目指すのか?
京都神戸と連携して関西エリアを一大経済圏とするのか?
大阪をどんな街にしていくのか?
それによって住民の暮らしはどう変わるのか?
そんな未来をビジュアル化できるようなメッセージが出せれば、
大阪市民への伝わり方も違っていたのではと思います。
つくづく人は事実よりも感情や感覚で動く生き物なんだと、
あらためて感じた出来事となりました。
やっぱ好きやねん大阪です。