事業は「実験」。化学反応を楽しもう!~光本勇介さんに学ぶ世の中を変えるサービスの作り方~#光本勇介 さん #バンク #女性起業家サロン
9月26日に行われた女性起業家サロン恒例・特別対談イベント。
今回はゲストに株式会社バンク代表取締役兼CEO 光本勇介さんを招き、「世の中を変えるサービスの作り方」をテーマにトークイベントを開催しました。
大盛況だった当日の模様を徹底レポートします!(執筆:木村 真由美)
《光本勇介さんプロフィール》
2008年10月、最短2分でオンラインストアを作れるサービス『STORES.jp(ストアーズ・ドット・ジェーピー)』などを運営する株式会社ブラケット(現ストアーズ・ドット・ジェーピー株式会社)を創業。2013年8月にZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイへ売却。2016年10月にスタートトゥデイ社に対しMBOを実施、スタートトゥデイグループより再度独立を果たす。同月、ブラケット社の取締役会長に就任。 2017年2月に株式会社バンクを創業し代表取締役に就任。2017年6月に目の前のアイテムを現金に変えられるアプリ『CASH(キャッシュ)』をリリース。2017年10月に株式会社バンクをDMM.comへ売却。 2018年2月にコイニー株式会社とストアーズ・ドット・ジェーピー株式会社の持ち株会社であるhey株式会社を設立、取締役に就任。現在に至る。
女性起業家サロンとは?
オンラインベビーシッターサービス「キッズライン」代表・連続起業家の経沢香保子主宰の会員制オンラインサロン。「起業で社会を変えたい」と目指す女性起業家のためのプロジェクトや勉強会を開催。月に一回ホットな人物を招いてコラボ対談イベントを実施。※サロン詳細ページはこちら。
毎回恒例となっている女性起業家サロンからゲストへのプレゼント。
今回は靴下屋の靴下と……↓
「CASH」のロゴ入り板ガムを贈りました!↓
(光本さんは靴下屋の靴下がお気に入りとのこと。チェック済みです☆)
株式会社バンク代表取締役兼CEO、STORES.jp株式会社創業者・取締役会長、hey株式会社取締役という肩書を持つ光本勇介さん。
STORES.jpやCASH、TRAVEL Nowなど、世の中を変える新しいサービスを常に生み出してきました。
今回はこのような魅力的なサービスを発想するヒントや、数多くの事業を展開する原動力について話を伺いました。
「今までにない表現」で新しいサービスは生み出せる
目の前のモノをすぐに現金化できるアプリ「CASH」は、サービスリリースからわずか16時間でサービスを停止する事態になるほどの人気ぶり。
また今年6月にリリースされた後払い専用旅行代理店アプリ「TRAVEL Now」も、開始後5時間足らずで1日の販売上限額に到達しました。
いずれも今までにない発想のサービスに、消費者が殺到したと言えます。
しかし光本さんによると、
「表現を変えれば新しいサービスは生み出せる」
とのこと。
例えばCASHも言ってしまえば「買取アプリ」の一つ。しかし「買取」というワードを一切使わず、
「 目の前のアイテムが 一瞬でキャッシュに変わる」
と売り出しました。確かにこう言われると、魔法のように感じます。
同様に、
STORES.jpは「世界でひとつだけのオンラインストアをオープンできる」。
TRAVEL Nowは「思い立ったらすぐトラベル」。
このように今までと違う新たな表現にするだけで、消費者が注目してくれたり、メディアが取り上げてくれたりします。
その結果情報が拡散されていき、広告費にお金をつぎ込まなくても、サービスを市場に浸透させていけるのだそうです。
イケてるサービスをやるにはイケてるサービスに触れてみる
「イケてるサービスをやるにはイケてるサービスをつかう」
新しいサービスのインスピレーションを沸かせる方法として、光本さんはこう述べました。
例えば社員一人ひとりに、いいと感じたサービスを毎週3つから5つ共有してもらう。30人いたらいいサービス90個に触れられる計算になります。
その中で「このサービスイケてるな」と感じるものがあるのだそう。
またインスピレーションを広げるためにも、月に1、2回は必ず海外に出向くとのこと。最近は訪れたのはモンゴルだそうです。
(経沢さんも最近海外に行くようにしているとのお話が。インスピレーションのカギは海外にあるのかも!)
事業成功のポイントは市場に出すタイミング
光本さんが数々の事業をやってきた中で実感したのは、
どんなにニーズがあっていいサービスでも、世の中に出すタイミングを見誤ればビジネスとして成り立たない
ということ。
「僕は失敗も結構してきているんですよ」と光本さん。
一番最初の事業は個人間のカーシェアリング「CaFoRe(カフォレ)」。リリース当時(2008年)は「そんなの成り立つわけないじゃん」と誰も共感してくれなかったのだそうです。
しかし今ではシェアリングエコノミーの市場は活発で、「Uber(ウーバー)」や「Airbnb(エアビーアンドビー)」が日本でも浸透しつつあります。
また最近ではアメリカ発のカーシェアリングサービスにトヨタやソフトバンクが出資。
光本さん:「だから(個人間カーシェアリングを)やるなら今なんですよね」
既存のサービスと世の中との間にギャップが生まれるときが必ず来る
光本さんいわく、サービスリリースのタイミングを見極めるには、市場の転換期に合わせるのが一つの方法。
転換期を迎える市場とは、例えば5年、10年とビッグビジネスをしているプレーヤーがいる市場だといいます。
そのような市場では、ずっと同じやり方が続いていることが多いのだそう。常に変化している世の中との間にギャップが生じ、それが業界全体をガラリとかえるきっかけになると。
(そのギャップに切り込めるサービスを出せるかどうかなのですね!)
そういう意味で、光本さんが次に注目しているのは不動産業界。あとは医療や教育など、長年既存のシステムで成り立っている業界はサービス展開の余地が十分にあるといいます。
事業は実験。世の中に出したときの化学反応を見たい
事業を多数展開する原動力については、光本さんから「実験」というキーワードが出てきました。
「チャレンジ」や「起業」に怖いイメージを持つ人も、「実験」と言い換えると一歩を踏み出せるのでは?と。
光本さんが一番ワクワクするのは、
今までにないものを世の中に出してみてどういう化学反応が起こるか想像するとき。
また実験は「失敗ありき」。光本さんは成功よりも失敗から学ぶことのほうが多いと考えているのだそう。
ですので社員にも、「カジュアルに思いっきりやっていいよ」と伝えているといいます。
(素敵なメッセージですね!)
夢は自分の手で誰もが知っている「マスサービス」を生み出すこと
これまで関わってきた2人の経営者、株式会社ZOZO代表取締役社長の前澤友作さん、DMM会長の亀山敬司さんについて聞かれると、
「亀山さんは“スーパー商売人”、前澤さんは“アーティスト”」との回答が。
2人は全く違うタイプでありながら、細かい数字までチェックしているところは共通しているといいます。
経沢さん:「確かにIT系でうまくいっているところは割と細かい印象がありますね」
また2人を間近で見て受けた影響は、「自分も一代・10年で大きなサービスを作れる気がしてくる」点。
そんな光本さんの今の夢は、例えば今のメルカリのような、5年後10年後、誰もが知っているマスサービスを生み出すことなのだそうです。
(光本さんが生み出すマスサービス……楽しみです!)
毎年テーマを決めて事業をやる光本さん。
今年は「旅行と仕事の年」と定めて、まずは旅行のサービス「TRAVEL Now」をリリースしました。
そこで気になる「仕事のサービス」についてですが、実はもう完成しているとのこと。これはリリースが待ち遠しいです……!
今回光本さんからは、数々の金言を聞くことができました。中でも特に印象的だったのは、「事業は実験」という発想です。
確かに実験と捉えると、失敗も次に生かす成長の種と前向きに考えられそうです。
事業という実験を行い、世の中との化学反応を楽しむ光本さんだからこそ、常に新しい発想のサービスを生み出すことができるのでしょう。
これから出てくるサービスがどう化学反応を起こし、世の中にどのような変化をもたらすのか......今から楽しみでなりません!
光本さん、今回はありがとうございました!
参加された皆様、ありがとうございました。
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執筆:木村 真由美
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