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角野隼斗ツアー2022大阪シンフォニーホール

15/01/2022 14:00開演

行けるかどうか博打だな。そう思いながら取ったチケット1枚。大阪公演。
東京公演がFC先行枠ですんなり取れたものだから、勢いで取った。東京公演はコンチェルトが入る分ソロが短くなる。1/8から始まる全国ツアー、千秋楽まで待つの長すぎる…土曜日なら翌日休みだし日帰り行けるか?冬の感染症の脅威は知ってる。(インフルエンザで一家全滅を何度も経験している)東京公演とこれだけ間隔空けば最悪どっちかは行けるだろう。保険のつもりで…

2022年、穏やかに明けた新年(かてぃんファンは紅白だニューイヤーコンサートだ深夜ラジオだと何かと忙しかったですけどね…)仕事始めからじわりとそして倍々に増えるコロナ感染者。ドギマギしたけど幸い自分、家族の体調は大丈夫だ。長男の駅伝大会の日に被ってしまい気まずかったが、こちらの予定が先だったので、(多少の後ろめたさはあるものの)前日に覚悟を決めて発券した。「いくぜ!大阪」2年前の角野さんのツイートが頭をよぎる。

結局、長男の駅伝大会はコロナ感染拡大のため中止になった事を発券したその夜に知る。なんて事…駅伝走れぬまま中学生活終わるのか…(中高一貫なので悲愴感は多少薄れるけどでもかわいそうだ)

幸いコンサートは開催されるため、駅伝大会→通常授業となった長男を送り出し、私も自宅を出発した。

早めに出たの。指定席は取ってあったけどあわよくば前倒しで乗ろうと…。最寄り駅でタッチの差で電車に乗れず嫌な予感的中。乗り継ぎ悪い、座れない…新幹線乗るまで自宅出てから2時間…半島民あるあるです。千葉も房総は辛いっす(笑)
結局予定の新幹線に乗りました。いざ!!!品川でてすぐ富士山見える。天気いい!テンション上がってきた〜!

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新幹線で仮眠を取ろうと思ってたけど、全然寝れない。富士山や南アルプス、中央アルプスの山々がついてくるの嬉しい(千葉県民あるある海はあるけど山な〜い。子供かっ)サブスクでガーシュウィンの3つの前奏曲などを予習したり、過去のコンサートの皆さんのnote読んだりしてたらあっという間2時間ちょいで新大阪に着きました。(川村さんの「神曲」持ってったんだけど、なんかテンションが違った。ごめんなさい笑)

新大阪の新幹線構内でパッと昼食とり、ホールへ向かう。最寄り駅の環状線福島駅からはキレイめのお姉さまがたくさんいらしてついていきました。突如ひらけて目前に現れた!これが憧れのシンフォニーホール!かてぃんさんが2020.1蜜蜂と遠雷コンサートでバルトークを演奏したホール。(私が彼のTwitterをフォローし始めた頃でめっちゃ記憶に残ってる)藤岡さんのエンターザミュージックで良く映ってるホール!音響が良いと噂のホール!

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入ったら新年のお飾りが飾ってあり、特大パネルも!豪華な雰囲気漂うホールだ。

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サントリーホールでの無観客配信のBlue-Rayを購入。嬉しい。

お席は10列目。1階後方左手ブロックの1番前。よく見えるではないかぁ!

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ギリギリまでトイレに行ったりバタバタしてたので席に着いた瞬間暗くなり左手から登場。ネクタイなしのコックシャツ、黒スーツ。相変わらずスラリとしてカッコイイですね。

一礼した後演奏が始まった。


華麗なる大円舞曲

大きなステージにグランドピアノと角野さん。スポット当たる中、同音連打から始まるワルツ。始まった瞬間、音のふくよかさ、ヤバって思った。このホールは反響音がすごいです。ピアノにマイクはついてないのに増幅されて耳に入ってくる感じ。綺麗な同音連打にウットリ。途中の装飾入れながら音域降りてくる右手、小指が立ってて魅入ってしまう。髪型が後ろが少し跳ねてて風を受けてピアノと一緒に飛んでるみたい。目と耳でいきなり惹き込まれました。紀尾井ホールと浜離宮で聴いた時はテンポ速っ!おもちゃ箱をひっくり返したような煌びやかさって表現したんだけど、今回はテンポ速めなのに全然慌てた感なくて、品があって優雅。とにかくノーブルに磨きがかかってたー(泣)

MC

こんにちは。角野隼斗です。今日はありがとうございます。大阪は最近来ることが多くて、先々月も先月も、ラジオもあったし、何なら明日も。実家より訪れているという笑。でもソロのリサイタルは2019年のツアー以来です。前回200人くらいのホールだったんで(感無量)ありがとうございます。って事で楽しんで頂ければと思います。次の曲は家で飼ってる大きい猫を見て作った大猫のワルツです

大猫のワルツ

角野さんの名刺ともなっている代表曲。先ほども書いたがプリンちゃんがなんとも優雅にプリンセスになっていました。ドテッ感が薄れて、高音でのフワッ感がましてプ、プリンちゃん?!って感じ。自作曲ならでは、微妙にアレンジ変わってて「よしよしノッてきたー」って思った。

胎動

照度がさがり暗い中始まった。ショパンエチュード10-1をモチーフにオリジナルのメロディ。左手の奏でるメロディーラインがどっしりと大地を思わせる歌で委ねてしまう。高音のアルペジオも時にメロディーを奏でて、左手に呼応する。あぁ、まさに胎動。母と子(お腹の赤ちゃん)の神秘を思わせる曲。感動した。徐々に照明は明るくなりクライマックスへ。ブラボー!!!
10-1は紀尾井ホールのアンコールで披露してくれた。すごく良くて、YouTubeで15才の角野君の演奏にまた打ちのめされて、Cateen‘s Piano Live 夏(#20)にリクエストしたらバッハのアベマリアの旋律でアレンジして弾いてくださった思い出の曲。1次予選でも弾かれたし、このような形で生まれ変わって嬉しいです。

マズルカ24-2

予備予選前にマズルカ難しい、苦戦してるって言ってたの懐かしいな。ポーランドのリズム、現地で感じたのか、ものになってると思う。3次でも披露されてこの曲褒められてたよね。心地よく聴かせていただきました。

木枯らし

間髪入れずに始まった。予備予選で演奏したエチュード。今回ガチで演奏したのは何か思うところあったのかな?このホールの私の席位置では低音のメロディがより強調されずっしりと聴こえました。ん?今一瞬左手指パッチンした???笑。超絶技巧の難しいエチュードなのにお手のものって感じ?私、PTNAのホームページ、ピアノ曲辞典で10歳の角野さんの演奏を見つけてしまったのですが、驚愕ですよ。本当に1周か何周か回って帰ってきてるんですね。お見事!

ここで一度立ち上がりペットボトルの水をストローでごくごくごく…でそのまま、また演奏へ

追憶

照明が落ち、バックのオルガンのところだけ黄色オレンジに。素敵。ショパンのバラード2番をモチーフに編曲をしているようで、でもかすかに冒頭の優しいメロディが聞こえるだけでほぼ別の曲。RADWIMPSのスパークルを思わせるような伴奏に何度も何度も同じ旋律が遠くから聞こえてくる感じ。「こっちにおいでー」って聞こえたんだけど…笑。照明の効果もあって懐かしい気持ちになった。

マズルカ63-3

とても美しくせつない短調の曲で一発で気に入ってしまった。1846年ショパン36歳の時の曲(月刊ショパン2019.11月号のまるっと1冊ショパンより。角野さんが表紙のやつです!)角野さんのショパンのレパートリーの中では晩年の方になりますね。きっと角野さんもメロディ好きなんだろうな〜。弱音の美しい事。とても心を込めて弾いておられました。

いったん袖にはけて再登場
演奏再開

ソナタ2番

キターーー第1楽章はもはや角野さんの演奏じゃないとしっくりこないよ。低音の迫力が半端なくホールが鳴る鳴る。コーダは1番初めには戻らなかったけど1楽章でゾーンに入ったなって感じた。今回は私は間違いなくこの第1楽章にズドーンとやられました。第2楽章のスケルツォも緩急が効いててよかった。
第3楽章に入るところで照明がほとんど見えない状態まで落ちた。角野さんの白シャツの襟、両手とピアノの鍵盤だけ浮かび上がる。ホラー状態(笑)。暗順応するまでしばらくその状態で葬送を聴いていました。私の席からは顔は見えなかったのだけどどんなだったのかなぁ。中間部の優しいメロディで角野さんのクリスタルな透明感ある演奏を堪能。ワルシャワフィルハーモニーホールでスタインウェイ300で奏でた音もこんなだったのかなぁなんて想像しながら…
4楽章は少し照明明るくなり流れる様な演奏。なめらか過ぎて息をするのを忘れた。
前半終演。ブ、ブラボー!!!


20分の休憩が入りますが、お分かりでしょうか。この濃密プログラム…ロビーで放心状態ですよ。その時勢いで打ったツイートがこちらです。

少し落ち着いたところで席に戻り、お隣の女性に「角野さんのコンサートよく来られるのですか?」と話しかけてみた。初めて、とのこと。YouTubeで見はじめて、気がついたらショパンコンクールに出てて凄いですよね?!と。ラボも入って、あれ本当に面白いですよね!とおっしゃってました。こんな一期一会の出会いもLiveならではなんですよね!

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I got rhythm

スーツのボタン開けてコックシャツ裾アウトして、少しラフになって登場。角野編曲のアレンジの事もあって、気持ちも楽に楽しそうに弾かれてて、私も一気にリラックス。指1本でホールの空気を作り、指パッチンもはっきり聴こえた!(練習しているのだろうか…?!笑) Level 9の左手英雄モチーフの場面で、同列の小学生の男の子が前のめりに乗り出し熱視線バリバリ。憧れの曲なのかなぁ。Level 10も怒涛の演奏でフィニッシュ!お見事!!!

3つの前奏曲

1. Allegro ben ritmato e deciso
予習しててこの曲1番楽しみにしていた。変わる景色を楽しめながら山を登る様な、ギミッククリアしながら扉を開けて一部屋づつ進んで行くような楽しい曲。でも堪能する前にあっという間終わってしまったw
2. Andante con moto e poco rubato
この曲、とっても印象的だった。場所的に?左手の低音が大きく聞こえがちだったので、この曲の右手の主張を持った歌いがバランス的にすっごく良くて。エモチルい曲も良いのよね〜かてぃん炸裂。好きだわ〜!!!
3. Allegro ben ritmato e deciso
キタキタキタタタター!テンポ速めで!ノってくノってく!!グルーヴ感が気持ちいい〜!!!速いのに乱暴にならずに綺麗にサラッと弾いちゃうのさすがだわ。カッコよー!!!

MC

あらためまして角野隼斗です。楽しんでいただけてますでしょうか〜?ショパンのポーランドからガラッと雰囲気変えてガーシュウィンのアメリカにやってまいりました。まーあの、なんていうんですか?そういうの、出てこない。あ、リラックス、リラックスして聴いて頂ければって思います

ってな感じで場が一気にふわっとなごみました

次にオリジナルの曲を披露させていただきます。ティーンファンタジアって曲なんですけど、プログラムに曲名載ってますよね?!岡山の時は僕が曲名決めるの遅過ぎで入稿に間に合わずで空白っていう…なのでこの大阪のプログラムで初めて載りました。少年の冒険を描きました。聴いて下さい。

ティーンファンタジア

今となってはメロディ全く思い出せないけど、bpm 120くらいのノリが良くて明るい長調の曲だったと思う。ジブリやディズニー映画を彷彿させる、ドキドキワクワクな曲。ガーシュウィン味もあってこの場所にプログラム組んだの大正解!憧れや夢を感じる中間部。最後は朝になりまた冒険に漕ぎ出す(マンガ読んだ事ないけどワンピースのルフィの絵が浮かんだ)楽しーい!

一旦袖に退場
再び登場。手に真っ赤なピアニカ!

MC

なにやら現れましたけど…笑い。ラプソディインブルー、普通に弾くと15分くらいで終わる曲なんだけど、会場の空気によっては長くなるかもです。皆さんの熱量次第ですので……楽しんでください。

Rhapsody in Blue

マイク置いて座ってすぐ始まった。ショパンの英雄ポロネーズに並んで「ザ・角野隼斗」な曲。私はサントリーホールでの日フィルとのコンチェルトを生で聴いて以来本当に好きで、Jazz Auditoriaで披露したピアノソロバージョンもいまだにちょくちょく聴きに行ってる。Blue Noteでもトリだったし!TVのCMで演奏動画が流れるしっ(CASIO)!!!こんな素敵なホールでソロVer.を聴けるなんて夢のよう。時間的にも角野さんがゾーンに入る時間帯でもう楽しい楽しい。のだめのエンディングパートの角野Ver.大好きっ!て、あれっ?ピアニカ、ピアノの上にないな。あ〜っ!隣の台に置きっぱなしだ!どうするんだろ〜?完全ピアノソロver.で押し切るかな〜?と心配していたら……一歩踏み出し伸びて取りにいった。かわいい!会場から笑いw。気を取り直して再スタート。思い出し笑いしちゃいそうなところだけどそこはプロ。真剣にピアニカで歌う。スタインウェイに負けない圧倒的な存在感。良いわぁピアニカ(感涙)。和音でタンギング効かせながらスピードアップ。息大丈夫か?酸欠にならないで〜!おしゃれなラグタイムを経ていよいよ有名な泣ける旋律へ。あ〜本当に美しい。このエモパート、Jazzのオシャレ和音も混じりつつでリピートあり、2回弾いてくださいました。その後のいわゆるカデンツァからはCateen全開!ラテン調になり転調し大暴れ。終盤の大団円の場面ではピアノ1本でオケを表現。迫力の演奏。かてぃんさんにしかこんなこと出来ないよ。本当に素晴らしかったです!!!


一旦袖にはけ止まぬ拍手に連れ戻され再登場

パデレフスキ ノクターン16-4

しっとりと奏で始めた。初めて聴く曲だがポーランドの美しい情景が想起される。なんとなく懐かしいような郷愁を誘う曲。日本の里山に吹く風や流れる小川を想像してもしっくりくる。ショパンが好きな日本人。その理由としてポーランド人と日本人は感性が似ているんじゃないかって聞いたような。本当にそうだなって思いながら聴いていました。

MC

ありがとうございます。パデレフスキのノクターン16-4を演奏しました。
ショパンとガーシュインをお贈りしてきました。2021年は本当にいろんな経験をさせてもらって自分も楽しんでやってきた訳ですが、集大成としてのこのプログラムです。皆さんにハッピーを届けたいそういう気持ちです。色々考えさせられて音楽は楽しいだけじゃない、だけどやっぱりハッピーを届けたい。もー話をするのは得意じゃなくて、でも伝えたいことがあるから話しているわけで、あー何を言いたいんだ?とにかくハッピーですハッピーが伝われば嬉しいんです。

というような感じだったかしら?興奮しながらハッピー連発で会場全体ハッピーに包まれたのでした。

子犬のワルツを演奏しますが、この曲を引いている間だけ、思い出として写真撮っていいですよ。携帯電源入れてくださいね!と言いながらすぐに弾き始める笑。

子犬のワルツ

序盤は原曲に忠実に、中間部はジャズアレンジ入れてオシャレに。私は前半必死に写真撮り、ジャズのところから自分個人で楽しむ用に動画も撮りました。この時点で2時間超えで相当疲れていると思うのですが、子犬のワルツの演奏、本当に美しくて今でも何度も動画を見返してはうっとり。カメラのシャッター音、フラッシュの光。ちょっと遠目からの撮影だったので、会場全体を見渡して、天井の反射板まで映したりして。本当に音が天に昇っていくようでした。幸せだった。

ハッピー!ハッピー!!ハッピー!!!
私もこの時点でスタンディングオベーション。一旦袖口に戻られましたが拍手が止む訳もなく再び登場。指1本立てて「もう一曲だけね」のジェスチャー

英雄ポロネーズ

お疲れなのにありがとう。角野さんの曲です、英雄。落ち着いた雄壮な英雄。気品溢れる英雄。夢のようなコンサートが終わる…と一抹のさみしさも覚えながら聴く英雄。同列の小学生の男の子、また乗り出して聴いている。2000人が一点に集中して聴いている。何の不安も迷いもなく奏でられる英雄ポロネーズ。圧巻でした。本当に素晴らしかった!

目前の聴衆一斉に立った。P席も両脇の2階3階の方々もスタンディング。夢見た光景が現実に起きている。感動しました。向かって右手に、後方に、そして左手に丁寧にお辞儀をする角野さん。聴衆をしっかり見て時に手を振って。最後に正面へ。ありがとう、ありがとう。こちらこそありがとうです。今、目、合いましたよね?思わずこっち見てーって手を振っちゃうよね(笑)声も漏れちゃうよ。大きなブラボーはないけど一斉に皆が吐息交じりの声出て、角野さん「お口ミッフィーだよ〜」ってジェスチャー。かわいいな〜ほんと。

少し大股で早足に退場、と思いきや舞台袖に入る間際に振り返り斜め体勢で両手でバイバイ…うっ、もう、やられた(キュン死)

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ショパンコンクールを経ての凱旋コンサート、全国ツアー。わかっちゃいたよ。わかっちゃいたけど、ピアノ、本当に素晴らしかった。ホールの音響もあるのかな?音色が素敵だったし、20分近く弾いたラプソもアンコールの英雄もミスタッチってほとんどなかった。2時間以上もソロで弾いてて、でも変な力みも無理もなく、なんの心配もなく聴かせていただきました。

セットリストも良かったよ。編曲や自作曲(新曲発表)組み込みながら、変化に富んだ演目。私、ピアノのリサイタル、実はつい寝ちゃうことが多いんです。(気持ちよく眠りにつける演奏もそれはそれでいい演奏なのではと思ってる笑)でも角野さんのリサイタルではどんなに寝不足でも覚醒する。出だしからアンコールまで緊張感持って聴いていられる。ドキドキとワクワクが半端ないのです。楽しいのです。だからやめられない。


毎回最高を更新してくる男は健在です!!!


新大阪、新幹線待ちでバーガー食べながら書いた終演直後の熱のあるツイートはこちら(笑)

新大阪発17:45ののぞみに乗って帰路につき、私の日帰り大阪大遠征は終わりました。無事に行ってこれた。全てのことに感謝


つたない自分用忘備録を最後までお読みいただきありがとうございました。
書いていて最高に幸せでした。