モーツァルト戴冠式 角野隼斗×オルソップ×ウィーン放送交響楽団
2024.9.8(日)18:00- サントリーホール
2024.9.16(月・祝)15:00-所沢 ミューズ アークホール
指揮:マリン・オルソップ
ピアノ:角野隼斗
ウィーン放送交響楽団
ヘッダーは所沢ミューズ2階席より遠景像
こちらの記事が出たのは2024年ツアー千秋楽(武道館除く)が終わったあとくらいだっただろうか?ePlusの自分の記録だと4/6にFC先行抽選申し込みをしている。2年前にショパンのピアノ協奏曲を率いてくださったマリン・オルソップさんと再び組んでツアーだなんて。聴きたいに決まってる。角野さんの演目はモーツァルトのピアノ協奏曲第26番『戴冠式』。カップリングはベートーベンの交響曲第3番『英雄』 or 第7番(のだめでおなじみ)。ウィーン放送交響楽団(どうやらいわゆるウィーンフィルとは違うらしい…というところから入るど素人ですワタクシ)。古典の2曲をオーストリアの楽団と!ワクワクの反面一抹の不安が。私、あまりよく知らないのよね古典。ベートーベン、長いし寝ないかしら?角野さんのピアニズムはロマン派以降の方が映えるのではないかしら?オーストリアの楽団に認めてもらえるかしら?etc.
そんな事はさておき、FC先行で関東2ヶ所申し込みました。幸いにも関東は週末で助かった。最新が最高になりそうなので所沢は押さえたい。神奈川と東京は連日になってしまうので、地理的に近いサントリーホールを選択。結果、サントリーは当選するも所沢は残念…。でも聴きたい!埼玉在住のFFさんがミューズの会員になるというので、便乗してチケット取って頂きました。ほんとにありがとうございました。
9/7(土)、前回のポーランド国立放送交響楽団(NOSPR)との千秋楽(感動の公演のレポはこちら)の地、神奈川県民ホールから9/19(木)の広島公演まで13日間で11公演。5日(神奈川→東京→香川→愛知→福岡)やって1日休み5日(新潟→長野→大阪→埼玉→札幌)やって1日休みで千秋楽広島…全国を回るが、距離ある移動が多くて大丈夫かしら?オルソップさんもオケの皆さんも…(角野さんは慣れた日本だし、たぶん大丈夫。協奏曲1曲だし、何ならいい休暇かもしれない笑)。そんなツアーの2日目サントリーホール公演と、9日目所沢ミューズ公演に聴きに行けたので感想を両公演対比しながら残そうと思う。
両公演のお席はお写真の通り
実際の演奏順と曲が前後するが戴冠式より書くことにする…笑
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」
東京と所沢で全く違うものに聴こえたのですよね。サントリーホールではピアノ下であったからか、ピアノの音、振動が直接伝わってくる感じで迫力満点!まだ2公演目で緊張もあったか、ヴィンヤード型の巨大ホールに音を届けなければならない為か、硬質なしっかりとした音で、ロックだったよ(笑)。左手低音域でのベース音がかなり聴こえてきて、カデンツァもベートーベンっぽい男性的な部分もあったりして。モーツァルトなんだけど、クラシカロイド(NHKのアニメ、角野さんの公での編曲初仕事)のベトさんとモツくんが腕を組んで踊ってるイメージが湧いてしまってウケた。テンポ速めの戴冠式にオーケストラが何とかくらいついている感じであった(笑)。2、3楽章もちょっとしたアレンジ、角野色は垣間見られるも、2023年の藤岡幸夫マエストロとのタッグの時程、尺は長くなく、割と原作に忠実だった気がする。ピアノでオルソップさんは見えず、角野さんのお顔もたまに見える程度で、ペダリングとピアノの蓋に映る鍵盤のフエルトの動きを見ていた。オケも前列の弦の方々しか見られず、協奏曲の醍醐味は残念ながらあまり分からなかった。
一方の所沢ミューズ、軽やかで美しかったです〜(泣)。私はこちらのホールは初めて伺ったのですが、響きが良くて会場も明るくて、パイプオルガンの両脇にミューズさまがいらして、さながら天上の世界。オケが冒頭奏で始めるとパァァっと花が咲き乱れた感じだった。前奏で楽しそうに膝の上でエア弾きしていた角野さんが入ると明るく朗らかなピアノの音色に会場が多幸感に包まれ、コロコロよく回る指から放たれる音の粒がキラキラと光をふりそそいでいた。下手側だったので右手の高音域は動きもよく見えて、駆け上がった最高音がポーンと響く、手首がふわっと舞う、いやいや全く美しかったです。テンポ、やっぱり速めだったと思うけど、オケとのやり取りがスムーズで。角野さんがアップギア入れてオケが少し落としてクールダウンする感じはあるんだけど全く違和感なくて、その揺らぎも含めて存分に楽しんだ。10日あまりでソリストを理解するオケ、さすがが過ぎる。まとめ上げるオルソップさん素晴らしい。1楽章の大カデンツァは転調しながら主題のモチーフを3回いろんな色合いで奏で、でも終わらず、そこからさらに場面転換3回くらいあったと思う。モーツァルトの別の曲のフレーズ混じった!(後にピアノ協奏曲20番2楽章とSNSの書き込みで知る、有識者さま素晴らしすぎる!)と興奮してたらいつの間にか主題に戻ってオケも入ってフィニッシュ!心の中で拍手ー!!。2楽章は東京公演では見られなかったソロパートでのエモいリハモ。くどくはなくほろっと酔わされるその加減が神すぎた。オケ団員さんも聴き入っている様子が見られた。3楽章は出だしからノリノリで、楽しんじゃってるねーこの人って感じでした(笑)。音色も自在に操って、聴かせてくれる。途中唐突にハープの様なアルペジオ。ショてぃん?いやこの曲は…チャイコフてぃーん!(ワードに無理がある笑)。花のワルツの冒頭だ。あからさまだなwww何か関係あるんだっけ?頭が忙しい(笑)。サントリーホールでよく見えてたチェロの副主席の男性(音楽が表情に出て見ていて楽しい奏者)が所沢でもオルソップさん角野さんの画角に入って嬉しい。コントラバス副主席の森武さん、所沢では2列目最前列客席側に下がってくれたので、またまた所沢の自席からも超見える(喜)。その低弦のパートの弦の動きにシンクロして角野さんも左手ベースを奏でて楽しい楽しい。終盤にカデンツァ、「さぁ好きにお演りなさい」と振り向き微笑むマリン・オルソップさんが見られた。もう思い残すことはない。最後はかなり角野色を出して…あぁ、ウィーンの団員に受け入れられて好かれて自由に羽ばたいている…。圧巻の演奏に笑うしかなくなってたワタクシ。本当に素晴らしかったし楽しかった。自然にスタンディングオベーションして感謝を伝えられて嬉しかった。オルソップさんと手を繋いでの挨拶、今度見られるのはいつかしら…。これからもずっとこのタッグでコンチェルトのツアー続けて欲しいです。
公演後のPost
ソリストアンコール、所沢ではこの曲でした
奏でた瞬間、「あ!数日前CASIOのYouTubeにアップされた曲だ!」とわかったが曲名がわからず。そんな事はさておき、所沢ミューズの雰囲気、多幸感にあふれたモーツァルトの後でのこの曲、ナイス選曲でした。軽いタッチで速めのテンポで軽々弾くラグタイム。1階中段2列目という、後ろに人が居ないのをいいことにグルーヴに乗って揺れながら楽しく聴かせて頂きました。かてぃん最高!
休憩中にフォロワーさんに曲名教えて頂く。パリで妹の未来さんとセッションしてたよねー!(インスタストーリー)と。あーそうだったかも。インスタ動画最古の動画あたりにも昔弾いた連弾あったよね。曲名はScott Joplin
『Maple Leaf Rag』。ザ・エンターテイナー書いた人でしたか!(それなら弾いた事ある)
余談:何でこの曲?を敬老の日だから?(もみじマーク)とSNSで推理していた方がいてコナンが過ぎると思った(凄い!)
ちなみに2日目サントリーホールでのソリストアンコールは『きらきら星変奏曲、戴冠式風』でした。
ジェシー・モンゴメリー:ストラム(弦楽オーケストラのための)
コンサートの幕開けを飾るこの曲、とても魅力的でしたね!私は大して予習せず(1、2回さらっと聴いただけ)でしたが、弦のピチカートから始まる冒頭、ゾクゾクしました。初めて生演奏を聴いたサントリーホールでは2列目という場所からで、主席4人(4人とも女性!指揮者も!)の室内楽を間近で見るような形で非常に面白かった。ビオラを正面で見たので、ギターのように楽器を持ってピチカートが始まった時、何事かと思ったよ。1stと2ndが向かい合う様なバイオリンの配置(対向配置という様だ)も初めて見たので、それぞれのバイオリンが何をしているのかがよく分かった。1stが必ずしも主旋律を弾いている訳でもないところが面白い。コンサートミストレスの女性の動き、いろいろなバイオリン奏法テクニックに視線釘付け。最後の方の変拍子、オルソップさんが3-3-2-2で振っててなるほど!でした。これは前方席で聴けて本当に良かったと思った。
若き日にバイオリニストとして活躍し、ジュリアード音楽院で博士号も取得したウィーン放送交響楽団の主席指揮者マリン・オルソップ(ニューヨーク出身)の愛想曲である、とプログラム(奥田佳道)より。なるほど、作曲者もニューヨーク出身ですしね!
ベートーベン:交響曲第3番「英雄」
何度か予習で音源を聴いたけど第1楽章の主題の和音の旋律(ハ調でのドーミドーソドミソソーー)くらいしか頭に残らなくて…(汗)。そもそもベートーベンの交響曲、全楽章聴くのって第9くらいだし、生演奏を聴いたのは大宮ソニックシティでのコンサート、バルトーク3番のカップリングだった6番「田園」(下野竜也指揮)しかないし…。で、このnote冒頭の「寝るんじゃないか」の不安がよぎった後半のメインでしたが…全くの杞憂でした!てか、何なら覚醒した。サントリーホールではお席の具合もあったと思うけど、ピアノ協奏曲の感動を超えてきた!(かてぃんさんごめんなさい)
ウィーンの本場のオケの奏でるベートーベンの交響曲は半端なかった。マリン・オルソップさんの指揮を間近で見られた事もあると思うが、音圧、息づかい、統率…生の演奏を聴くという事はこうも違うのか…と思わされた。特に2楽章に私は感動して涙が出そうになりました。前方席のサントリーホールでは弦楽器の各パートのやりとりを、少し遠めの所沢ミューズでは木管楽器の受け渡しを、視覚情報として得られて、違う聴き方ができたのも面白かった。3楽章、ホルンの3重奏を呼び込むオルソップさんを所沢で見られて、2022年のサントリーでのブラームス1番4楽章を思い出してじーんとしてしまった。所沢では場所的に音のバランスはイマイチだったのですがホルンやフルートは(楽器の向きの関係で)下手側はよく聴こえますね!4楽章の出だしは弦楽奏のところがあって、対向配置での弦のやり取りハーモニーが素晴らしかった。ベートーベン先生、よくぞこんな構造の曲をお書きになりました。クライマックスは弦、管合わさり圧巻のフィナーレ。オルソップさん男前だったかっこよかったー!!!
SNSのサイトで調べるとベートーベン自身が傑作と思う交響曲は(第5番、「運命」ではなくて)第3番だと言っていたとか…。私、このオーケストラで英雄2回聴けてよかったな。(いや正直言うと7番も聴きたかったー)
サントリーホール公演後、私がまず投稿したPost
数回のカーテンコールの後にマリン・オルソップさん自らステージより挨拶「アンコールとして2曲用意してきました。1曲目はこのツアーの為にに書いて頂いた曲。2曲目はシュトラウスのシャンパン・ポルカです。楽しんで!」
オーケストラアンコール
アイゼンドレ:『アツィンヘイラ』より「ダークグリーン」
サイト上に音源なくたぶん全員が全くの初見。始まった…と思ってすぐにオケ全員が会場の聴衆を見て睨み。え…?!?!?(笑)ストップモーションから何事もなかったかの様に走り出す音楽。面白過ぎるwww。スターウォーズの劇伴を連想する様な音楽だった。金管楽器が効いててかっこよかったです。終盤にも弦が弓を振り上げた瞬間にストップ!www!何でしょこのフラッシュモブ(笑)。時間を共有するという点で、相性いいんだね。てかオーケストラの団員さん、こういうの何なら得意分野よね!作曲者さん何にヒントを得てこの曲にストップモーション入れたのでしょう。楽譜にどういう指示書きがされているのか…超、気になる〜〜〜!
J. シュトラウスⅡ:シャンパン・ポルカ
ツアー2日目が私的初見でしたが、ネタバレなく楽しめて、神奈川県民ホール組さん内緒にしてくれてありがとうでした。この曲がアンコールと分かったら直ぐに、あーコルク発射の曲ねー、ってわかるものなのかしら、有識者さんは。曲に合わせてポンポンと発射されるコルクの栓…(あれは何という装置(楽器?)なの?売っているのか…?笑)ティンパニ奏者が忙しい(笑)。最後はマリンさん。サントリーでの様子はこちら。
所沢では曲が始まると客席より手拍子入る。さながらウィーンのニューイヤーコンサートだね。楽しく華やか!ツアー後半にもなると発射員さんも慣れたもので、P席上手にポンッ!オルソップさんに「邪魔だ」とジェスチャーして指揮台越しにポンッ!前方にいくぞいくぞと前振りしながら後方2階の下手にのけぞりながらフェイントでポンッ!最後はマリンさん。SNSで腕を上げた様子が連日流れてきていたのでどこまで飛ぶかなー?と期待しちゃう。曲終わりにポンッ!あ、収音マイクに当たって舞台上に落ちるコルクwww。こんな事ってある?(笑)。その様子は下記の動画よりどうぞ!
大熱狂のうちに公演は幕を閉じたのでした。いやーウィーンのオケだからちょっと堅苦しいのかと思ってたら、ないんというエンターティンメント!オルソップさんもおちゃめだし人を喜ばせるのが大好きなんだなぁ、きっと。鳴り止まぬ拍手スタンディングオベーションに何度もカーテンコール。照明が上がってお開き。でもその後も団員さんが発射装置を持ってステージへ。お客さんにやってみる?と聞いてくださり、男性がステージに上がってポンッ!目の前の女性が振り返りながらナイスキャッチ。近くだったので見せて頂いたけど、コルクにいろんな顔が描かれているんですね!上手の上方にも団員さんがポンッ!3階席まで届いちゃった!!!オルソップさんが発射した舞台に落ちたコルクは手渡しで1列目の女性に無事に渡りました。
千秋楽広島ではかてぃんさんも終演後のコルク飛ばしに登場した様です。そりゃやりたいよねーwww。
所沢公演には亀井聖矢さん、児玉隼人さんが1階席から聴いていたようですよ。なるほどなるほど、花のワルツの伏線回収(笑)。その日の夜は児玉くんの優勝お祝いパーティー!
2024.4.24にアップされたテンポプリモの記事。モーツァルト「戴冠式」について角野さんが語っています。
ツアーの最中、毎週日曜午前11:30〜11:50放送のJ-WAVEのラジオ収録をされ、9/15モーツァルトの戴冠式について、9/22ウィーン放送交響楽団とのツアーについて、語っています。以下番組サイトの書き起こし。ありがたいですね!
9/22の放送後半に10/31日本発売の世界デビューアルバム「HUMAN UNIVERSE 」よりの先行配信、自作曲「After Dawn」のMV撮影秘話がありました。
千秋楽、広島公演終えたその夜(翌日未明9/20 0:00)に各アプリで配信開始(自分の感想はこちら)、そして夜22:00にMVのプレミア公開…ファンなかなか忙しかったですね(嬉しい悲鳴)!それにしても角野さんの時間軸はどうなっているのかしら?いつモロッコ行った?www
(→9/29のラジオ放送で3月のソロツアー直後に日本から出発しアブダビ、カサブランカ経由で向かったそうです。)
連日、満員御礼大盛況だったウィーン放送交響楽団の日本ツアー2024。毎日“X”に大量にPostが流れてきて楽しかったですね!全公演のプログラムとソリストアンコール曲、印象に残った出来事を記録しておきます。
■2024年9月7日(土) 開演 14:00
神奈川:神奈川県民ホール
ベト7
24の調によるトルコ行進曲変奏曲
当日AM9:00- コントラバス副主席奏者、森武大和さんがFM横浜に生出演(後述)
幕間にオルソップさんとステージ上で記念撮影
■2024年9月8日(日) 開演 18:00
東京:サントリーホール
ベト3
7つのレベルのきらきら星変奏曲
金子先生とご両親、1階席から聴いていらっしゃいました
在日オーストリア大使もご臨席
アンコールでマエストロ誤射のツイートがテンポプリモさんよりあり
■2024年9月9日(月) 開演 19:00
高松:香川県県民ホール レクザムホール
ベト7
ガーシュウィン:アイ・ガット・リズム
飛行機にて初香川上陸。うどんパワー。テンポプリモさんよりシャンパンポルカの動画がアップされ始める
翌朝海の写真でツイート「瀬戸内海、やさしい風景」ラジオ収録(9/15分)
■2024年9月10日(火) 開演 18:45
愛知:愛知県芸術劇場 コンサートホール
ベト7
グルダ:プレリュードとフーガ
香川から当日に瀬戸大橋を電車移動後新幹線で愛知に
■2024年9月11日(水) 開演 19:00
福岡:アクロス福岡シンフォニーホール
ベト3
ショパン:華麗なる大演舞曲
愛知より新幹線で移動。コントラバス奏者森武さんは福岡出身凱旋公演
翌日世界デビューアルバム『HUMAN UNIVERSE』の取材。ビジュがよいFC動画アップ
■2024年9月13日(金) 開演 19:00
新潟:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
ベト7
ガーシュウィン:スワニー
ブルボン創立100周年公演。ブルボンのブースあり。限定のお菓子ギフトの販売あり。カデンツァにブルックナーの7番のモチーフ入れ団員のウケがよかったと本人のツイート
■2024年9月14日(土) 開演 14:00
長野:ホクト文化ホール 大ホール
ベト3
カプースチン:トッカティーナ
公演前に善光寺参り
オケアンコールのシャンパンポルカで自然に手拍子入る
特急しなので大阪に移動
■2024年9月15日(日) 開演 14:00
大阪:ザ・シンフォニーホール
ベト7
バッハ:イタリア協奏曲第3楽章
カデンツァにフィガロの結婚?後半は客席でご本人も鑑賞。終演後バックステージでオルソップさんからビールの祝杯。ヒガシマル醤油の協賛で帰りに手土産あり
夜、髙木竜馬さん、亀井聖矢さんと髙木さんの結婚祝い会食(それぞれが大阪、京都でコンサート)
■2024年9月16日(月・祝) 開演 15:00
埼玉:所沢市民文化センターミューズ アークホール
ベト3
ジョプリン:メープル・リーフ・ラグ
カデンツァにモーツァルトピアノ協奏曲20番2楽章が混ざる。花のワルツも登場
客席に亀井聖矢さん、児玉隼人さん。夜は上野耕平さんも加わり会食(前述)
■2024年9月17日(火) 開演 19:00
北海道:札幌コンサートホールkitara 大ホール
ベト3
ショパン:子犬のワルツ
カデンツァにご当地CMソング 千秋庵の山親爺 が混ざる。中秋の名月
角野さんは北爪裕道さんと札幌でスープカレー
■2024年9月19日(木) 開演 19:00
広島:広島文化学園HBGホール
ベト3
カプースチン:フィナーレ
カデンツァにそれゆけカープが混ざる
角野さんもカーテンコール後に団員とコルクトスに参加
公演前に9/22分のラジオ収録
RCCラジオのイベント第9ヒロシマの宣伝ラジオ収録
そしてツアーが終わって月末にかてぃんチャンネルのメンバー限定配信、かてぃんラボにて即興カデンツァのやり方、密かに入れた他の曲のモチーフなどのネタバラシがありました。面白かった。こういうところ!お忙しいのにありがとう。かてぃん最高!!!
さてこのレポートをまとめている最中に札幌劇場ジャーナルの多田圭介さんから札幌Kitara公演のライブレポがアップされました。所沢公演の翌日の公演。角野さんの音色について、戴冠式2楽章の創作カデンツァについて、ソリストアンコールの子犬のワルツについてなど、ファン歓喜の内容。こちらを是非読んで頂きたいです。これ紹介するためにこのnoteがあったと思おう。
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楽しかったウィーン放送交響楽団の日本ツアー2024のまとめ、長々とお読みくださりありがとうございました。ここからは個人的な覚えの番外編です。
番外編①
このレポにも度々登場。コントラバス副主席奏者の森武大和さん。別売りパンフレットにも見開き1頁で紹介がありました。ツアーに先立ってテンポプリモさんから紹介記事もアップ。
その森武さんが、ツアー初日の神奈川公演の日の朝9時に地元のFMヨコハマに生出演されました。その情報を私は全然知らなくて後日タイムフリーで視聴するわけだけど、出演への経緯が奇跡的だったのでここにラジオの内容を残す事にした。
FUTURESCAPEは、毎週土曜日の9:00 - 11:00にFMヨコハマが生放送しているラジオ番組で、同局の最長寿番組。日本を代表する人気放送作家・脚本家である小山薫堂と、小山薫堂を時にはしっかりと、時には面白くサポートする柳井麻希の2人で進行。
この番組に「小山薫堂が会いたかった人」として急遽森武さんの出演が叶った。なんでも、薫堂さんがこの8月にイタリアのトリエステに友人(映画祭で知り合ったイタリア人)を訪ねた時に食事に行った家族経営のレストラン、壁にいろんな人のサインがある中唯一日本語で「森武大和」とサインがあった。後日気になってネット検索したところFacebook に行き当たり、「これあなたのサインですか?」と連絡したら「そうです」と。薫堂さんの行った日の1週間くらい前に森武さんが同じレストランの同じ席で食事をしたようで(笑)。
以下、ラジオでのトークの内容
コントラバスとの出会いは高校の吹奏楽部。サックスをやりたかったが(かっこいい)高い楽器は買えず、部室に余ってたコントラバスを弾くことになりずっぽりハマる。魅力は吹奏楽、ロック(エレキベース)、ジャズ、クラシック、いろんな分野で活動できる。メロディも弾ける。チェロとは違いもっと低音でオーケストラの屋台骨を支える。
ここで薫堂さん、映画「おくりびと」の脚本書いた時、主人公の職業、最初の構想はコントラバスだったと暴露。大きなケースが棺桶に似ている、それを運び慣れている、が理由。でもいつのまにかチェロって書いちゃってた(違いがよく分かってなかったw)
ずっとヨーロッパに行きたいと思っていた。日本ではフリーで働いていた。劇団四季で働いてお金をためさせてもらいました。
録音技師の資格を取るためウィーン音大に通って勉強もしている。マイクを立てて演奏者とどういう録音にしたいか相談する。自分が音楽家なので、マイクを立てる位置は音楽家のストレスにならない場所を探してます。アナ「支える側、導く側ですね」「はい、人に光を当てる方が好きですね。」
ここで森武さんのYouTubeチャンネル『イイサチャンネル』の紹介。指揮者ってどんな人でもできるんじゃないの?→あの舞台の重圧に耐えられる人いないと思います。同じ曲を100回200回演っている。「あなたはこの100回を超えて来れるの?」最初の何秒かで「この人は私たちのリーダーとしてふさわしい人かどうか」のやりとりがある…
『イタリアの小さなウィーンを旅してきたよ』の動画の19分くらいのところに出会いのきっかけとなったレストラン・アンジェリーナと森武さんのサイン出てきますね!バイオリニストの奥様、山中里恵子さんとのほのぼのトーク、とても素敵です。
そして今日、この後横浜でコンサートであるんですよね?!すごく森武さんの演奏を聴きたいんだけど残念ながらソールドアウト。森武さん「聴きどころはソリストの角野隼斗さんですね!」と。あー人気のかてぃんさんですねー!全11公演中、9/19の広島公演のみまだチケットあります。チケット持っている方、いいですねぇ〜。
日本に滞在されるのは少ない中、今回このような機会をいただけてよかったです。本当に今日きて頂きありがとうございました。
とこんな感じのラジオでした。
イタリアのとある街のあるレストランの同じ席に数日違いで居合わせたのも奇跡的だけど、SNSで知り合ってまもなくウィーン在住の森武さん所属オケが8年ぶりに日本公演で来日するのも奇跡だし、横浜の土曜の朝のラジオってのも奇跡だし、ツアー初日にラジオ出演が叶うのも奇跡的じゃありませんか?!この方も持ってます!!!
番外編②
ツアーの公演場所、ほんとにたまたまかも知れないのでだけど、ラス2が札幌、オーラスが広島って何か運命的なものを感じてしまった。別売りプログラムでのマリン・オルソップさんのインタビューに初来日は1990年、バーンスタインが創設した札幌の国際教育音楽祭PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)とある。それを見て今年3月に読んだ『親愛なるレニー レナード・バーンスタインと戦後日本の物語』という本を再び開いている。
バーンスタインはニューヨーク・フィルを率いての日本ツアーを1961年、1970年、1974年、1979年におこなっている。彼のその次の来日が1985年広島だ。
1950年代から核兵器廃絶運動を支援していたバーンスタイン。1983年8月25日自身の65歳の誕生日に核兵器凍結への支持表明として水色の腕章をつけて欲しいと発信し、全世界の友人、音楽仲間ら賛同者が腕章をつけた。その2年後の1985年、原爆投下40年の年に平和記念式典に参加し「広島平和コンサート」と称したチャリティーコンサートを行い、広島平和記念資料館も訪れている。(直接は関係ないがこの時マリン・オルソップさん29歳)
また、60代も後半に差しかかったバーンスタインが作曲家、指揮者としての仕事に加え自らの使命として優先していたのが教育活動。自身が育てられ、小澤征爾に会う機会を得たタングルウッド音楽祭。この精神を世界に広めようと1987年北ドイツにシュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭オーケストラ・アカデミーを設立。(この年の夏にタングルウッドで小澤征爾に師事を受けた佐渡裕はシュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭でバーンスタインに学び愛弟子の1人になった)
1990年、中国日本ツアーを予定していたバーンスタインであったが、1989年の天安門事件にて計画が頓挫してしまいぽっかりとスケジュールが空いてしまった。東京や大阪など大都市のコンサートホールはすでに埋まっており、白羽の矢が立ったのが札幌。企画の6月下旬、北海道は他の地域より雨が少なく過ごしやすい。1972年の冬季オリンピック開催の際に建てられた宿泊施設が揃っている。札幌芸術の森という企画にぴったりの施設が建設途中であった。「バーンスタインが教育にかける情熱、音楽は国境や文化の壁を超えるという信念」をプロジェクトの核とし「アジアにおけるタングルウッド」という構想で札幌市を説得。開催にこぎつける。
前年の1989年にベルリンの壁が崩壊し、12月にベートーベンの第9を演奏したバーンスタイン。(シラーの詞の“歓喜”を“自由”に変えて歌い歴史的なコンサートになった)。この時体調を崩し肺炎の診断。その後も体調優れなかったが1990年、PMFに向けて日本に向かった。PMFでは若い団員をバーンスタインが直接指導するだけでなく、指揮者のマリン・オルソップ、レイフ・ビアランド、大植英次、佐渡裕にとっても大変貴重な教育の場であった。4人はバーンスタインの指導を受けながら自分で任された楽曲をオケと作り上げていった。2週間半の日程を終え、その後ロンドン交響楽団との日本ツアーをこなしていたバーンスタイン。途中で倒れ、急遽帰国となった。(残された公演は佐渡裕らが代演を務めた)。その後体調悪化し、指揮者の引退の報道があり、同年10月に肺がんで亡くなる。
以上ざっとだが、バーンスタインと日本の関わりについて本の内容を抜粋して記した。これを思うと、愛弟子であったマリン・オルソップさんからすると札幌はバーンスタインとの最後の思い出の地であり、その後何度もPMFに来ているとは思うが、やはり感慨深いものはあっただろう。そして広島。昨今ジェノサイドというワードをまた耳にするようになった。2024年のアメリカのアカデミー賞の作品賞は「オッペンハイマー」であった。春に角野さんは被爆ピアノで演奏しマルタ・アルゲリッチと会食して戦争についても会話をかわしている。前後にコンサートの日程がなく、奏者の方々は広島の地で何を思い感じただろうか?まぁ忙しく観光どころではなかったかもしれないが、その辺もお話しを聞いてみたいものである。
広島来日の時の記者会見でのバーンスタインのメッセージを戒めの意味も込めて記載しておく。
こちらの本、近代のアメリカ音楽史と日本の関わりを知るのにとても良いです。知られざる2人の日本人とバーンスタインとの関わりを追うノンフィクションの恋愛小説(ソウルメイト)の側面もあります。作者は吉原真里さん。ハワイ大学アメリカ研究学部教授。専門はアメリカ文化史、アメリカ=アジア関係史、ジェンダー研究など。ショパン国際ピアノコンクールの際Nikkei Asiaの記事で角野さんの事も「最終選考に進めなかったが…」と紹介してくださってます。
さて、ツアー千秋楽から2週間弱たってしまったが、角野さんは次の公演に向けて準備中でしょう。マリン・オルソップさんと、また2年前にショパンピアノ協奏曲1番でツアーを行ったポーランド国立放送交響楽団(NOSPR)さんと、ついにポーランドのカトヴィツェで共演。その後ソロコンサートも。10/4は3年前、2021年のショパン国際ピアノコンクールで角野さんが1次予選に出場された日でもあります。学生次代に感銘を受けた映画「戦場のピアニスト」。たしか高校3年生の時原著で原作も読んでいたと記憶。そのシュピルマンの作曲した曲を演奏するのだから、いろいろ思うところもあるでしょう。たくさんポーランドの地で勉強して感じて発信して頂きたい。世界デビューアルバムの発売も間近ですね。ポーランドに限らず世界をたくさん巡って人生の糧にしてください。いずれバーンスタインや坂本龍一さんのようにメッセージを発信する側の人になると思うから。