子持ち(4人)社会人合格者_予備試験論文合格法
自己紹介(↑)
論文合格方法について書きます(これで全部ではないけど…)。
なお、使用教材は下記の通り(↓)
【インプット素材】
条文(ポケット六法をバラバラにしたもの)
アガルート論証集(7法+選択科目知財)
アガルートテキスト(商法、行政法、民訴、刑訴)
合格思考憲法
「完全講義 民事裁判実務の基礎〔第3版〕(上巻)」、民事実務基礎アガルート「一問一答集」、辰巳の実務基礎の書籍(赤い本と青い本)、
刑事実務基礎は伊藤真の「定石」(青い本、出版年度は古いが全然使える)、苦手な伝聞対策として「伝聞ノック」
【アウトプット素材】
アガルート旧司法試験論文解説(各科目30~40問くらい、但し、商法と民訴は、一行問題&手形等が予備&司法試験に合わないので、問題数的には20数問になる)
アガルート市販問題集(7科目、上三法は各25問、下四法は各20問)
アガルート予備試験論文解説(R4~H23全年度)
論文演習会社法 上巻と下巻(過去問・オリジナル問題×若手実務家(解答例)×研究者(コメント・解説))
基礎演習行政法(30問)
伊藤真の実務基礎の問題集(過去問付いてる)
【補足】
①アガルートがベースになった
論証集もアガルートだったし、親和性があるかなとアガルートで統一した。
とにかく論証集はよく出来ていて、予備試験から司法試験までズーっと使用した。その上で、さらに「これは覚えにくいな」「趣旨から書きたい」「必要性と許容性の記載順番を変えたい」みたいなものがあれば、それだけ聖書サイズノートに整理して書き出した(全部ではない)
②全て答案構成で潰した
留意点は二つあり、答案構成と言っても簡素なものに留めた&脳内答案構成した問題もあった、という事。
答案構成を簡素にするポイントは、論証を覚える事。
論証を覚えてない→「規範なんだっけ?」「定義なんだっけ?」→不安になって答案構成に書き出す→答案構成時間が遅くなる
つまり、論証を覚えると答案構成時間が短縮できる。
アガルートは問題をPDFでも提供してくれるので、スマートフォンにダウンロードして歩きながら答案構成したりした(事故注意!)。その場合は脳内答案構成にとどめ、間違えたところはLINEにメモしておいて、備忘的に紙に記した。
③会社法と行政法だけ補充した
会社法は、旧司法試験の問題が使えない(少ない)。
そして、アガルートの記事を見ると新司法試験の問題と予備試験に親和性があるという。
ならばと、会社法だけ新司法試験の問題を使った。本来は憲法や刑法、刑訴、民法あたりも新司法試験の問題を解きたかったが、そこまでやる時間が全然なかった。
行政法は、旧司法試験が無い。だからアガルートの旧司法試験解説にも行政法は無い(6法だけ)。という事で、丁度良い問題数の基礎演習行政法を利用した。答案構成形式でグルグルした。
④実務基礎は正直対策が遅れた
インプット本を読んだけど、読み散らかしただけ。
アガルート一問一答(民事)が良かったけど、試験2週間前の定期健康診断の待ち時間でザーっと読めたくらいで、インプットが不足。
めちゃめちゃ不安なまま本番を迎えて、やっつけ仕事で対応。準備不足だったので、あまり思い出したくない。
(試験前の自分の手帳の記載を見返すと「憲法と会社法と民事基礎実務がリスク高そう」、「刑法と刑訴と民事基礎実務は定義や論証や訴訟物等の暗記により試験本番の時短が可能っぽい」と書いてある。うん、分かっている、分かってるけどそこまで対策してる時間が取れねーんだよ社会人…社会人受験生は常にタスクと時間のジレンマと戦う必要があるのでメンタルだけご注意を)
【まとめ】
①自分の短答対策だけでは論文民法対策としては不十分だった(それに気づけず)
以上を実行し、
憲法A、行政法A、刑法A、刑訴B、知財A
と初日で合格できていた(望外の結果)。
他方、
民法F、商法B、民訴F、実務基礎B
と二日目だけなら落ちてた。
上三法は、短答過去問を解くプロセスでかなりインプットできるので、基本論文特化型のインプットを省略したのだけど、民法については穴が出来てしまったのだと感じた(逆に、憲法と刑法はそれで事足りた)。
特に、民法の短答過去問を予備試験分しか解かなかったので、知識量的には少なかったのだろうと思う(司法試験なら1年分で37問あるが、予備試験だと1年分で15問しかない)。短答民法は組み合わせテクニックで得点できるので(短答は26点/30点)、自分が「民法できない子」との認識が遅れた。
②旧司法試験論文よりも予備試験論文の方が自分には合っていた
それと、
下記の記事でも書い通り、旧司法試験論文よりも予備試験論文の方が自分には合っていた。
旧司法試験論文は問題文が短く事実が少ないが、予備試験は問題文が長く事実が多い。結果、旧司法試験は解答を『作る』問題類型で、予備試験は事案を『整理する』問題類型だと思った。
旧司法試験は、例えば、弁論主義と証明責任の関係は?(民訴平成16)とか、ある調書が存在する場合に各要証事実との関係で伝聞性は?(刑訴平成20年代)みたいな連想ゲームをさせる論理性が強い問題が多く、自分はこれが苦手だった。憲法なんかも与えられた事実が少ない分、自分で事実や評価を沢山補う必要がある(図書館→公的機関→公益性高い→制約肯定方向etc)
他方、
予備試験は、特に憲法、行政法、刑法、刑訴で顕著だが、例えば、憲法であれば合憲方向事実 vs 違憲方向事実の整理、刑訴であれば捜査違法事実 vs 捜査適法事実を整理してあてはめで列挙すれば、それだけである程度は得点が来る(評価も必要ではあるが、予備試験ではなく司法試験では評価すらなくてもギリギリ合格は可能)
という事で、自分は落ちるべくして旧司法試験に落ち、受かるべくして予備試験に受かったのだなと思う(もはや運命、そして単に運が良かったという事)