日本の「ろくろくび(轆轤首)」の起源説(起源は2つの妖怪らしい。首だけで飛び回る中国の妖怪「飛頭蛮」。「内臓をぶら下げた女性の首だけで飛ぶ吸血鬼」東南アジア諸国の妖怪)
日本の「ろくろくび(轆轤首)」の起源説が、「ムー」説では、中国と東南アジアの妖怪ではないか?と書いてあった。
(生首妖怪「マーライ」が夜な夜な出没、人々を襲う! 東南アジアの怪奇ろくろ首事件簿)
https://web-mu.jp/history/37366/
一方で、自分が思うには、「首と胴体を細い縄でつなげた絵」というよりも、普通に、「斬首で首を落としたのに失敗してしまい、首がうまく斬れていないのに、首を外そうと引っ張ったら、当然、脊髄の線が引っ張り出される」と思うのだが、「人間は、つながっていれば死んでいない」ので、その異様な状態でも生きて話しているような人の実際にあった物語の話がスタートなのかもしれない。
(あまりにも切れ味が凄すぎる刀では、「斬った後に、肉はつながったままだいぶ生きている」という言い伝えがある)
(日本刀の「試し斬り」によって付けられる業物の日本刀の異名といわれ)
https://www7b.biglobe.ne.jp/~osaru/wazamono.htm
という日本刀の試し斬りの伝承が残っているように、「あまりにも切れ味が凄すぎる刀では、包丁などでわかるように、斬った肉が表面張力などでつながったままになる」ようで、「つながったままの人間は、すぐには死なないで、だいぶ生きている」ようです。
(「ム-」説の日本の「ろくろくび(轆轤首)」の妖怪ができあがっていった歴史の経路かもしれない説の流れ)
<1> 「飛頭蛮」
((wikipedia)首だけで飛び回る中国の妖怪「飛頭蛮」)
https://ja.wikipedia.org/wiki/飛頭蛮
『(「飛頭蛮」のいろいろな地域での呼び名)
・虫落(むしおとし)
・落民(らくみん)(首が落ちる人の意)
・飛頭獠(ひとうりょう)』
(<ムー>「首だけで飛ぶ吸血鬼(首の下に少しだけ内臓をぶら下げている)」の東南アジアの妖怪の原形)
https://web-mu.jp/spiritual/5272/
(『お化けのガスー』について調べてみた)
https://okamototomohiro.com/krasue_ghost/
と書いてあるが、「ガハン(Krahang)」という男性の妖怪をネット検索で画像検索すると、どうも、日本でいう所の宴会芸の「男性が素っ裸で、股間をお盆で隠す」というやつの海外版で、「向こうが透けて見えるザルのような、丸い箕(ふるい)の籠のフタのような物を持って、股に、巨大なすりこぎを挟んで、人々を驚かせるために出てくる変質者」のようにしか見えない。
「飛んでいる」というよりも、宴会芸の「男性が素っ裸で、股間をお盆で隠す」というやつを、「スケスケの籠のフタ(で股間を隠す)」を腕にくくりつけてやる「羽ばたく」ように見える動作なだけだろう。
<2> <「女性の首だけで飛ぶ吸血鬼(首の下に少しだけ内臓をぶら下げている。妊婦を襲うなどのある程度の共通点がある)」の東南アジアの妖怪の呼び名>
・アープ【カンボジア】
・マーライ【ベトナム】
・クヤン(Kuyang)【インドネシア】
・ペナン・ガラン【マレーシア。マレー半島、ボルネオ島】
・クヤンダヤク【マレーシア。マレー半島、ボルネオ島】
・ガスー【タイ】
・ピーガスー【タイ】(「ガスー」、「カスー」、「グラスー」、「クラスー」と、これらの前に、「ピー」の付いた「ピー・ガスー」、「ピー・カスー」、「ピー・グラスー」、「ピー・クラスー」は、タイ語を日本語のカタカナ表記にした時の、ただの「表記揺れ」で、全部、同じもののようです)
・ピーカスー【ラオス】
・ケフィン【ミャンマー】
(おそらくルーツにつながりはあるだろうが、若干違う妖怪)
・マナナンガル【フィリピン】
・レヤック(Leyak)【インドネシア、バリ島】
<3> (日本)
・ろくろ首(轆轤首)
(妖怪の伝播の系統樹の手法)
こういうような、妖怪の伝承の歴史的な伝播の仕方を系統樹のようなつながりで調べていく手法を使うと、「都市伝説」や「ネットミーム」系の解析がしやすいようです。
自分の考えでは、「新しく伝わった先で加えられた新要素」の差分の箇所は、「その新しい地域で、何か似たような実際の事件や、過去の因習なんかの伝承の似たやつがあった」のと混ざりやすいようで、「差分検証をすれば、その新しい地域で加えられた要素の元になった事件、因習」の内容が判明すると思われる。
(まとめ)
「ムー」説だと、上のような妖怪は、全部何らかのつながりがあって、日本の「ろくろ首(轆轤首)」にまでつながっている。
自分が調べた感じだと、これらの妖怪は、オリジナル妖怪が、「2種類」いて長い歴史の中で混ざってしまったようです。
(おそらく、最初のオリジナルの妖怪「2種類」)
(1) 首だけで飛び回る中国の妖怪「飛頭蛮」
(2) 「女性の首だけで飛ぶ吸血鬼(首の下に少しだけ内臓をぶら下げている。妊婦を襲うなどのある程度の共通点がある)」の東南アジアの妖怪(こちらの原形は、「アープ【カンボジア】」らしいと「ムー」説では書いてある)
(要するに、オリジナルの妖怪が、中国でも東南アジアでも、どうもかなり古くからあるので、このモチーフの妖怪の著作権はクリアーしていると思われる)
この2つの妖怪は、もともとは別の妖怪だったが、「首だけで飛び回る」という共通の特徴のある妖怪だった事と、過去の東南アジア諸国への中国の侵略戦争などがあって、2つの伝承が混ざってしまったようです。
日本の「ろくろ首(轆轤首)」は、中国の古文書の絵を日本人が変だと思って、勝手に、「首が伸びる」という「設定」に変えてしまったようです。
日本の「ろくろ首(轆轤首)」は、「抜け首」という中国の妖怪「飛頭蛮」と同じタイプと、「普段は普通の女性だが、首が伸びる妖怪」という2つの種類に分かれている。
(現実の医学で、「首の骨は伸びる」のか?)
「キリン」のような首が伸びっぱなしになるのではなくて、現実の医学で、「(普段は普通だが)首の骨は伸びる」のか?というと、
・ヨシゴイ
という鳥が、餌を捕る時に、実際に、「首の骨が伸びる」ようです。
この鳥の足も、「ガニ股」で、だいぶ見た目がおかしい鳥です。
((ヨシゴイ))
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヨシゴイ
(エイリアンのように、「口が長く伸びて獲物を捕食する」魚)
「ギチベラ」という魚は、「かなり長く口が伸びて獲物を捕食する」魚のようです。
(ギチベラ)
https://karapaia.com/archives/51731242.html
このような感じで、
・「(普段は普通だが)体の一部が長く伸びる」という動物は存在はする。
ので、日本の「ろくろ首(轆轤首)」は、実際に、そういう人がいたのか?は不明ですが、完全に、いないとも言い切れないようです。
そもそも、男性器は伸びるものだし、たしか、何かの昆虫の目は、繁殖期の時期だけ異性にアピールするために、「カタツムリの目」のように、かなり長く横に伸びる目を持つ昆虫がいた記憶があるので、「(普段は普通だが)体の一部が長く伸びる」という生態は、動物として、それほど変わった特徴でもないようです。
「カタツムリの目」と呼ばれている、伸び縮みできる部分は4本あって、正確には、「上の長い2本が、光を感じる触覚」で、「下の短い2本が、匂いを感じる触覚」だそうです。
(カタツムリの触覚)
https://douyou-shouka.himawari-song.com/katatsumuri/
最終結論を書くと、これらの妖怪は、歴史的な伝播の過程で何らかのつながりはあるが、オリジナルらしい妖怪は次の2つらしい。
(1) 首だけで飛び回る中国の妖怪「飛頭蛮」
(2) 「女性の首だけで飛ぶ吸血鬼(首の下に少しだけ内臓をぶら下げている。妊婦を襲うなどのある程度の共通点がある)」の東南アジアの妖怪
↓
日本の「ろくろ首(轆轤首)」