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子どもに「将来の夢は?」って気軽に聞かないで
将来の夢は?
大きくなったら何になりたいの?
大人が子どもに対して何気なくするこの質問。
できることならあんまりしないでいただきたいのです。
自分の将来の生き方について,という
とてつもなくセンシティブで
プライベートな内容を
カジュアルな感じで質問したり
さらには
そこで出てきた答えに
勝手に期待して
子どもが期待通りの動きをしない時に
「え,前にこうなりたいって自分で言ってたよね?」
と引き合いに出したり
「もっと頑張った方がいいんじゃない?そんなんじゃ夢は実現できないよ」
なーんて脅しに使ったり。
絶対やっちゃダメです。
もちろん,
将来の夢や職業を言葉にして伝えることで
実現に向けてより頑張ろうという気持ちになる
という効用も子どもによってはあると思いますが
それだって
「誰かれ構わずペラペラ話しまくる」
という感じではありません。
なんでこんなことを書いているかというと,
子どもにこういう質問を気軽にするのは
世界的に見ても日本だけのようだ
ということを知ったからなのですが
「ほら!やっぱりそうだよね!!」
という気持ちになりました。
私自身は一時期アメリカで高校生活を送り
当時のことを振り返ってみても
日本のような「進路・キャリア教育」とか
進路相談や親同伴の面談みたいなものも
一切行われませんでした。
高校3年になれば自然と
「どこの大学でどんなことを学びたいか」
という話題は友人間で出ても,
その先○○という職業に就きたいとか
どこどこの企業で働くことが夢だ!
なんて会話にはならなかったので
それが普通だと思っていたのですが
日本に帰国するやいなや「文系か理系か」
を選択させられて
さらには自分の志望大学に合わせて
履修する教科を選ばなければいけない。
自分が学びたい教科を自由に選ぶという発想ではなくて,まずは大学や就職などの自分の行き先ありきで,それに応じて目の前の選択肢をどんどん狭めていく,というやり方に違和感を持ちました。
日本では生き方を考える時
結構な確率で
「どんな職業に就くか」を
考えることが多いですが
これをあんまり
「あたりまえ」にしないほうがいいと思います。
そんなことをしていると
幸せに生きる
という本質を見失いがちになるからです。
家族を大事にする生き方
自分の趣味や時間を大切にする生き方
いつでも好きな時に旅に出られる生き方
そんな風に
自分の理想とする生活や生き方のイメージがあって,それを実現するために相応しい働き方・稼ぎ方を考えたっていいんじゃないでしょうか。
中学校でも総合の時間に
「進路・キャリア教育」が行われます。
しかしながらここでも
自分のキャリアを考える最初の入り口が
「職業調べ」や「高校調べ」になります。
もちろんこの世の中にどんな職業があるのかを
知るってことも大事だけど
それを調べたって
豊かな生き方には繋がらない。
自分はどんな生き方をしたいのか
どんな人生を送りたいのか
自分にとっての幸せってどんなことだろう
ということを全てすっ飛ばして
いきなり職業の話されてもね…
って思うんです。
そんなだから,
なりたい職業に就くためにはあそこの大学を出て,その大学に入るためには最低でもここの高校に行って…
あぁ,今の自分の成績じゃ無理だから諦めよう。
「将来の夢とかよく分かりません。」
「自分には何もできない気がします。」
という残念な発想になることが多い。
自分の未来の話をしているのに
あんなに表情が暗い子どもたちって
日本くらいじゃないの?
なんて考えていたら,
フランス文学者で武道家の内田樹さんが
まさしくこんなことを書かれていました。
「将来の夢は?」なんて、よく知らない人に訊かれても、すらすら答えられるはずがないし、答えたくもない。(中略)今の高校生たちは「夢」という語を見るとうんざりした気分になるんだそうです。これは日本社会の得意芸であるところの「均質化圧」「同調圧」の典型的な表れだと思います。
結果的に,こうした「圧」がかかっている中で
子どもたちの夢は似たり寄ったりになっていきます。
子どもが心底「やりたい」
と思っていることがあったとしても
同調圧に負けてしまい
それを表に出さないまま
「どうせ自分には無理だよね」
と自己完結してあきらめてしまう。
「才能がなければ無理なんだよ」
「お前じゃ無理だよ」
なんて声をかけて
子どもの夢を潰しておきながら
早いうちに現実を教えたほうが本人のためだ
なんて思っている大人のなんと多いことか。
今私がやっているこの仕事だって
いくら職業調べをしても出てきません。
(今なんの仕事をしているの?と聞かれることが多いのですが,説明するのが面倒だな,といつも思います。笑)
以前は
先生になりたい。
自分は先生として生きていくんだ。
そんな風に思って教職に就きました。
結局今の自分にとっては
理想の生き方を追求するのに「合わない」働き方であるということに気がついて,
自分がずっとやってみたかった!
と思ったことを始めて
子どもとの理想の生活を優先したら
今度はそれが仕事になりました。
いまだに「先生をやめてしまった」
ということに対して,
なぜそんなにもったいないことをしたんだ
と言ってくださる方もいますが
私は今のこの生き方と働き方が気に入っているし日々とても幸せに生活しています。
もちろん常に「今の自分」が大事なので
この先変わることだっていくらでもあり得るし
それでいいと思います。
仕事なんて
「もののはずみ」で決まるもんだ,と
内田樹さんも書いておられました。
本当にそう思います。
たまたまご縁があった。
なんとなくその仕事になった。
それでいい。
むしろ就きたい職業にこだわって
自分の生活を全て犠牲にして
しんどい思いをしながら毎日生きる。
それこそ本末転倒では?
と思ってしまう。
クライアントさんのコーチングしていても
感じることですが
「自分が本心でやりたいこと」
「理想の生き方」
を心に描けている人ってほんの一握りなんですよね。
とにかく
自分のやりたいことが分かりません!!
って生き方迷子になって困ってる方が多いです。
その状態からコーチングで
ワクワクとした
自分の将来のビジョンが描けるようになるまでにはそこそこの時間と手間がかかります。
自分のことなのに
自分が一番分かってないんですよね。
自分が本当にやりたいこと
どんな人生を生きたいのか
というところとあまり向き合わずに
大人になった結果
40歳前後で急に自分の生き方に迷い始めたり
今のままでいいのか
と不安にかられてしまう。
自分よりも家族のサポートの必死になっているうちに
結局自分の夢もやりたいことも分からなくなって
気づけば「家族の幸せが自分の幸せ」に。
本心ではそうじゃないのに
自分の本音を奥底にしまい込んで
気づけば自分の好きなことをしている家族に
羨望の眼差しを向けたり
自分のネガティブな感情に蓋がしきれなくなって,結局その負のオーラを家族にも撒き散らしてしまう。
結果的に家族関係にもヒビが入り
子どもに対しても
その負の影響が及んで
不登校になったり親子関係を悪化させてしまう。
あ,これ全て過去の私の話です(笑)
もしこれをお読みいただいている中に
自分のことかと思った!!!
と思われた方は安心してください。
自分の今の状態に気づけたら,
いくらでもここから変われます。
子育てで悩んでいる時は
自分の働き方や生き方に悩んでいる時でもあります。
特に女性の場合は,全てがつながっているので
悩みも深くなりがちなんですよね。
自分の生き方に不安があるからこそ
子どもの将来に対しても不安になる。
でもね
親が心配せずとも
子どもはちゃんと育ちます。
だからこそ
元々持っている子どもの育つ力を
親の不安で取り上げたり
才能の芽を摘み取ってしまわないように
まずはご自身の「好きなこと」「やりたいこと」を見つけて,
ワクワク生きられる人生を取り戻しましょう。
時間はあなたの命そのものです。
絡まって
自分では解けなくなってしまった人生の糸
ほどき方が知りたい
ひとりじゃ無理そう
という方はいつでもお声がけください。
ほどくお手伝いをします😊
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