行間を訓む vol.18 ~ somunia 「各駅停車」 編 ~
プロローグ
おばんです!つななでございます。立春が近づいて参りましたが、まだまだ寒い日が続きますねぇ。頼むからスタッドレスタイヤを履かなくても良い冬であって欲しい…!(切実)(立ち上がるフラグ)
…さて、今宵はインターネットのどこかにある部屋から響いてきた一曲をテーマに行間訓みをしていこうと思います。お時間ある方、是非お付き合い下さい。
タイトルにもあるとおり、今回は「ソ」ことsomuniaさんの楽曲に触れていきます。僭越ながらsomuniaさんについて簡単にではありますがご紹介させて頂きmst…と言いたいところなのですが。調べれば調べるほど謎多き人物のため、確定できる情報が限られておりまして。正直今回はちょっとだいぶかなり自信無いです…w 貴重な情報を少しづつ紐解いて行く感じで進行します。
introduction ~導入~
まず、彼女は「インターネットにある何処かの部屋で歌っている」らしいです。もう既にこの時点でミステリアスなのですが、ではV推しの私が取り上げるからには俗に言う「Vtuber」なのかという点について、VtuberなのかVsingerなのかという問いに対しては本人が最近こんなツイートをされております。▼
―――― ほえ?( °д°)なんでもええのん?
ではオフィシャルインフォメーション用のアカウントでは何と紹介しているかというと…『Virtual singer 「somunia」』の文字が。ほなVsingerさんなのかなぁ。じゃあどんな方なの?というところはこの動画を。▼
要点をまとめると
・名前はsomunia
・インターネットのどこかにあるこの部屋で歌ったり、
声を使った表現をして生きている
・物心ついた時から「ここ」にいる
・昔のことは時間が経つにつれて思い出せなくなってきた
わかること
・声がいい(ウィスパーボイス)
・かわいい
・不思議な世界観を纏っている
・記憶喪失とも言い切れない(断片的にならわかるから)
―――――――――― わからない。じゃあ他には?▼
ねむること・歌うこと・音楽を聴くこと・アニメ作品を視ること・夢を見ることが好きな小さな女の子で、部屋から出たことが無いのでそれ以上の情報はわからない、と。
では参考までに彼女の公式サイトの紹介を見てみると▼
さらには設計図面のようなモノと共にこう記されている▼
よし、「わからない」ということが「わかった」。
―――― そしてつななは考えるのをやめ……….かけたその時!ひとつの言葉が頭をよぎった!
「Don't Think. feel.(考えるな、感じろ。)」
そう、端から見れば目の前には謎多き少女が佇んでいるだけかもしれない。\カワイイヤッター!!/ しかし!彼女もクリエイターなのだから考えるのではなく、作品を通して感じ取ってみようではないか!という訳で。
表題にあるの「各駅停車」は2019.06.08.にyoutubeにて公開されており、2018年にリリースされた 1st EP「Room No.001」にも収録されております。
下記にリンクを貼っておりますのでどうぞ一度ご試聴くださいませ。▼
途中の各駅に停車しながら進む列車のごとく、終始ゆっくりとしたテンポで紡がれるリズムには、移りゆく世界を景色として窓越しに眺め、物理的な移動をしながら同時に自分の心の旅をしているような描写にとれます。
早速ですが歌詞の内容について振返りながらそこに込められたモノについて紐解いてまいりましょう。
注)セクション分けや歌詞の内容の考察ついてはあくまで筆者の個人的主観です。もちろん専門家ではありませんので、もしかすると表現や言葉使い等に間違いもあるかもしれません。万一の場合は生暖かい目で何卒ご容赦ください。
歌詞訓み(§1)
気がついたらこの街に辿り着いていたけど、そう言えば私はなぜここに来たんだろうか。その理由すら忘れてしまうくらいに自分の目的に靄のかかった状態であることにに今更気がついた。やってきた当初には心躍らせたであろう背の高いビル達には、今や見慣れて心揺さぶられるられることも無い。
「いつかきっと」が「明日から」であると信じ続けて歩んできたけど、忙しなく動く町並みと共に過ごすうちに、周りに同化すべく街に溶け込んでいたことに気付き、どっぷり浸かっていたはずの夢から覚めてしまった。周りを見渡し自分を見てみると、いつの間にやら頭の中にあった夢や希望(=ここに来た本来の目的)ですらなにかに浸食され、食い荒らされてしまっていた。
列車の中から外に目をやると、窓に反射した自分の姿。その目には自分が見ているものと同じく眠らぬ街の灯りが映し出されている。何も変わり映えのしない、いつもの光景が見えるだけで何一つ面白みが無い。
私が行かんとする目的の地に、この蛇のように大きく長い「列車」というゆりかごであれば、きっとたどり着けるはずだと信じて。各駅に停車しながらゆっくり体揺らされつつ、幾多の遠方へと敷かれている線路の上をあっちへこっちへと迷いながら、私はどこまで行ってしまうのだろうか。列車から降りることは簡単なはずなのに、体が動こうとしない。
歌詞訓み(§2)
列車に揺られる前の私は夢と希望に満ち溢れんばかりに「いつかあの場所へ」と目を輝かせ、左手に地図を握りしめていた。息を弾ませ乗り込んだ電車から見る窓の外に広がる真新しい景色には、心踊らされるばかりだった。
しかし今はどうだろう。抗うこと無く流れる人並みに身を任せ、定刻通りに流れる時間と毎日に「楽さ」すら感じてしまっている。きっと心の奥底では「これで良い」と思ってしまっている自分すらいるように思えて仕方ない。
列車から外を見やると窓に映るのは自分の寝起き顔。どれぐらいの時間うたた寝をしてしまっていたんだろうか。あまり目覚めが良く無さそうに見える。いったい自分はどんな夢を見ていたかったんだろうか。そんなことすら浮かばないくらいのまどろみ具合。
私が目指すかの地に、この蛇のように大きく長い列車というゆりかごであればきっとたどり着けるはず。このまま各駅に停車しながらゆっくりと揺られるのも心地良いし「楽」というのもあるけれど。幾多の彼方へと敷かれている線路の上をあっちへこっちへと迷いながら、このまま乗っていればどこまで行けるのかわからないけど、見届けてみよう。
エピローグ
人生は旅に例えられがちですが、私個人も大学卒業の時に「列車に乗る」というこの曲の比喩に似たような感覚を得たことがあります。
私が通っていた大学は都内の某私大でした。電車での通学がほとんどのため、卒業式を終え、打ち上げの飲み会も終わりにさしかかり、駅で皆と別れる際に「ありがとう、またね。」と握手を交わし、各々が電車に乗り込んで帰路に就く。その様子が私にはどうしても人生みたいに思えて仕方が無かった瞬間を今でも覚えています。
言ってみれば、今までは同じ路線=同じ大学=同じ学部=同じゼミで活動を共にし、同じプラットホームから同じ列車に乗り込んだ仲間が「卒業」というターミナル駅への到着をきっかけにまたそれぞれの志す道に向けて旅路を進めていく。その先の道程は人によっては徒歩かもしれないし、飛行機かもしれないし、また電車やバスかもしれない。そしてその先は未だ「白紙」(=自分で切り開き、創造していくもの)であって、自分が思い描く未来に向かって手探りで進んでいく。まさに人生は壮大な旅なんだなぁと思わされました。今でもその情景と感覚は脳裏に焼き付いています。
皆さんも、忙しい毎日に追われて「あの頃の自分」を見失ったりしていませんか?未来に希望を抱き、がむしゃらに突き進んでいた青強めの映像が映り込んだ方も居れば、気付けばいつの間にかここに居たという方。望んでここに居る人も居れば、望んでいないのにそこに押し込められた方。正直、毎日をやり過ごすことは簡単ではありませんし、一所懸命各々の与えられた環境で頑張っていらっしゃることと思います。
「各駅停車」という表題と歌詞からは、なんとなくではありますが、旅をしながら自分を見つめ直し、「この道で合っているのか」と信じていた道を疑ってしまったり、「面倒だからこのままでいいや」と匙を投げたり、過去の自分と現在の自分を照らし合わせてみたり…という様々な葛藤や現状に対する不満、未来に対する思いに対して聞き手にも一石を投げかけ、整理してくれるような気がしております。深いッ…!(いろんな解釈があるとは思いますが…。)
ご興味を持たれた方は是非somuniaさんのチャンネルに遊びに行ってみて下さい!謎多き彼女の世界に浸ってみては?▼
somunia Twitter:https://twitter.com/she_is_wired
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somunia 公式サイト:https://somunia.net/
それではまた次回の「行間を訓む」でお会い致しましょう!
ダァシェイリイェス!!(ドア閉まります)
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2023.1.28. つなな