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行間を訓む vol.41 ~ AZKi × 星街すいせい 「 The Last Frontier 」編 ~

プロローグ


 皆様ご無沙汰しております、つななでございます。最近私は仕事がアレでとてもじゃないですが創作意欲すら出せない状況でございました…。しかしホロのイベントで代々木体育館でのゲーマーズフェス現地参戦をはじめ、ホロEXPO後夜祭イベントで大阪の某イオンモールに飛んだり、4期生&すいちゃんコラボで東京ジョイポリスに飛んだりということはしておりました。
 一方で突然の入院を機に活動休止中だったミオしゃが病気療養から最近復帰されて安堵、最推しナギナミも5周年を迎えて7月10日に記念配信をされ、推しの元気な姿を拝めて満足しておりました。また、リスナーの横の繋がりで7月13日に「わためいとボウリングオフ会2024」が開催されたので参加して3次会でカラオケまでガッツリ楽しんで参りました。推し事となると急にフッ軽になりますよね。ここ数ヶ月は供給を享受し推しに時間を使えて嬉しい反面、心身的には余裕が持てず推し事としてのアウトプットまで時間を割けずにおり、胸につかえができたように悶々とするような日々でございました。
 ※余談ですが9月からホロライブCITYでレジャーランドコラボがあり、三重のナガシマスパーランドと熊本のグリーンランドへの旅行を鋭意画策中です。


 さて、気を取り直して今回も「行間をむ」、やって参りませう。今回はhololive 5th fes. Capture the Moment 「 stage3 」にてあずきちとすいちゃんが披露し、コラボ曲のラストを飾った「The Last Frontier」を題材とさせて頂きました。この曲は作詞・作曲をあずきちが手がけ、2021.10.16.にリリース&youtubeで公開された楽曲となります。

 ホロライブ5th fes.の記事にて少しく触れておりますが、あずきちとすいちゃんはかつてホロライブ内に存在した音楽レーベル「イノナカミュージック」(2019.05.19.~2022.0.3.31.)に所属していたVtuber / Vsingerでした。すいちゃんは個人勢Vtuberとして、あずきちはイノナカ所属のVtuberとしてそれぞれデビューをしており、かつては別々に活動しておられました。

 2019.05.19.にすいちゃんがイノナカに所属となり、2人体勢となったのもつかの間、同年11.30.にすいちゃんがサポート体制強化の為ホロライブに転籍、あずきちは1人で2022.0.3.31.にレーベルとしての活動が終了してホロライブへ転籍となるまでイノナカにて活動をされ、現在は2人共「ときのそら」さん・「さくらみこ」さん・「ロボ子さん」さんの3名と共に「ホロライブ0期生」として活躍されておられます。(※0期生所属の他3名もそれぞれ辿ってきた道がありますが今回その紹介は割愛させて頂きます)
 したがって2人はVtuberとして「個人勢×企業勢」としての絡み、「イノナカを通してとして同レーベル所属」としての絡み、「それぞれホロライブへの転籍を通して再度交わる」という3度の紆余曲折を経て、今となってやっとこ「AS_tarアスター」というユニット名が創られるという、とても希有な道のりを辿っておられます。

※以下はホロライブ非公式wiki様より引用させて頂いております

 2021.04.11.にYoutubeLiveにて7度目のワンマンライブ「Stand at the crossroads」にて、AZKiプロジェクトは2022年07月を終着点として活動して来たこと、活動を続けていく内にファンである開拓者から夢を貰ったこと、その新たな夢に向かって道を分岐させ活動終了予定だった「ルートα」から「ルートβ」へと歩んで行くことを決めたと発表されました。このとき、目の下にあったフェイスペイントが消え、左目の下に泣きぼくろが現れたのだそうです。(尚2021.02.23.に行われた3rd衣装お披露目Liveにてフェイスペイントが消えるエフェクトは既に実装されていた)


 改めて、そんな2人がリリースしたこの楽曲を視て/聴いてみましょう。私はまず曲名の「The Last Frontier」をそのまま某サイトで翻訳につっこんでみました。すると、「フロンティア」がそのままカタカナで出力され、「最後のフロンティア」と出てしまいました。これでは意味がハッキリしないですね。そこで別途「フロンティア」の単語の意味を掘ってみると…

Frontier(frʌntíər
1. 
国境地方。辺境。
    特に、米国開拓時代の開拓地と未開拓地との境界地域。
2.
未開拓の分野。新分野。
   また、学問・技術の最先端。最先端の業績。

 ―――という形で意味が出てきました。もう少し意訳して「最後の境界地」といった解釈が率直に浮かびます。活動終了が見えていたあずきちにとってすいちゃんは希望の光であり、「自分ができなかったことを叶えてくれるだろう」というある種の願いを託して背中を押していた部分があるのだろうと思います。
 しかし、未来が変わってホロライブ5thフェスの舞台ですいちゃんによるオリジナル歌詞がフェス限定ver.で仕上がって改めて歌唱されたことで、この歌の持つ意味とルート変更後の未来がより鮮明になり、エモさが際立ったことは間違いないでしょう。(古参勢ヲタク達はこの曲でどれだけ召されたのか…)

 youtubeの概要欄には「私達の想いが届きますように...」と祈りの一言が添えらています。今回はあずきち・すいちゃんの2人にとって思い入れが深いこの楽曲を原曲と一緒にすいちゃんのライブ版歌詞も同時に比較して訓んで参りたく存じます。

 注1)セクション分けや歌詞の内容の考察ついてはあくまで筆者の個人的主観です。私自身は専門家でも何でもありません。もしかすると表現や言葉使い等に間違いもあるかもしれませんし、解釈違いが起こることは否めませんので万一の場合はご容赦ください。

 注2)当記事内においてライブイベント「hololive 5th fes. Capture the Moment」での歌唱及び歌詞の内容に触れております。ネタバレ要素を含みますことご注意・ご留意の上でお願い致します。


歌詞訓み(§1)


未知の期待抱え出会った あの日の僕らは
底に湧き上がる何かを 言葉にできなくて

 夢と希望を抱いて初めて出会ったあの日の私達は、自分の胸中に泉から滾々と湧き出るような感情を言葉することができないくらいに未熟だった。


僕ら、気づいたときには遠く離れてて
もう、再び会うことないと思っていた

 しかし時が経つのは早く、気がついたときには物理的にも距離が離れてしまっていたし、こうなってしまえばもう再び相まみえることはないかもしれないと思い込んでいた。


でも、聞こえていたよ 君が歌を歌うから ずっと
Last Frontier 孤独な星たちへ 捧げる歌を
Last Moment 一人で最果てへ 旅立つ歌を
Last of all 交わることのない世界を
今変えるから 最後に
君と 僕は 出会う

 でも、私は知っている。孤独に彷徨う弱った星々に「君なら輝ける」と後押をしてくれ、自ら最前線をひた走るような歌を歌っていることを。独りで最果てへ旅立つ瞬間、私へ餞の歌を手向けてくれること。いつが最後になるかわからない不安定なこの世界で、交わることのなかっただろう世界線をこの手でなんとかねじ曲げて、私達は今再び邂逅することができた。


歌詞訓み(§2)


道は別れ想い揺らいだ 風が冷たくて
晴れない灰色の街をただ 眺め続けていた

 しかし悲しくも道は二人を分かち、決心すら揺らいでしまうような冷たい風が頬をかすめる。厚い雲に覆われ、晴れる見通しすら立たないくらいに灰色に染まった明かりのまばらな街(現実)をただただ呆然と眺め続けることしかできなかった。


僕ら、何を信じたら良かったんだろう
きっと、立ち止まることは諦めることだ
でも、忘れないように 君に言葉紡ぐから

 一体何を信じてここまで歩んできたのだろう。何を信じれば正解だったのだろう。答えが解ればこんなに苦労はしない。多分、ここで立ち止まることは一緒に頑張ってきた友の手を離すことに等しい。でも、その心意気を忘れないように君にこの歌を捧げよう。


越えて Last Frontier 水平線の先 目指す場所まで
Last Border 地平線の彼方 辿り着くまで
Last of all ばらばらに砕けた欠片を ここに集めたら
最後に 息を 音を 止めて

 見えない水平線のその先に在るであろう、目指すべき私達の理想郷へ。空と地を分かつ境界線とその彼方に辿り着くまで、いや、行けるところまで。あのときバラバラに砕いてしまった夢の欠片を今胸に抱いたら、息を止め、世界の音も止めて、かつての私を呼び覚まそう。

※ここまでは原曲のままですが、ラストのサビの歌詞の変化で
ルート分岐となる為、オリジナルと歌詞の変化をつけたパートそれぞれ
二つに分けて訓むこととしましょう。


歌詞訓み(§3 / Original ver.)


そよぐ彗星が(さよなら熱のある命が)
流れ落ち消えゆく日に 会いにゆく
強く奮え( 幾星霜いくせいそうの夜明けと)
いつか終わるこの世界から 愛を伝えにゆく

 夜空を泳ぐ彗星が彼方に流れて行き、熱のある命が消えゆく日に、相まみえる2人。互いに強く支え合い・奮い立ち、幾つもの星が昇り、幾つもの霜が降りる夜明けを過ごした戦友の旅立ちを、今居る自分の選んだ有限の(限りのある)世界からこの上ない愛を伝えに馳せ参じよう。


最前線の地へ 君なら行ける
まだ見たことのない世界へ行ける
僕は観測する 輝き止まぬ星の名を
Remember The Frontier Story

 誰も知らない未開拓の地フロンティアへ、君【すいせい】なら行くことが出来るだろう。私が見ることができなかった最前線をその目で捉えることができると確信している。
 その時私【AZKi】はその輝きを放つ星の名を観測する側として、かつて共に過ごした日々に思いを馳せるのだろう。


嗚呼、愛する星たちへ 捧げる歌を
One Last Time 未開の最果てへ 旅立つ歌を
Last of all ばらばらに砕けた欠片を ここに集めたら
あの日へ 還るから
響かせよう 僕ら 今を 歌う

 愛して止まない星詠みの皆に捧げる歌を描き続け、輝き続ける彗星。この歌をもって最後にもう一度だけ、未開のその先へ歩み続ける餞の歌を共に歌おう。頭の片隅、方々に散らばってしまった共に紡いだ沢山の思い出と記憶をこの歌と共に甦らせよう。私達はこの曲を通して互いに心を通わせることができる。さぁ、僕らの歌を世界に響かせよう。



歌詞訓み(§3.5 / Route Of Frontier)

 ※以下より5th. fes にて すいちゃんが一部作詞改変&歌唱披露した内容です。原曲との変化がある箇所を太字にしております。


そよぐ彗星が(天命に抗うために)
流れた再会の日に 迎えに行く
固く誓おう(向かい風に阻まれて)
手足がすくむような世界でも 
愛を伝えに行こう

 定められたエンドロールという結末に抗うために、私【すいせい】は流れに逆らってでも尽力してきた。流れてしまった君【AZKi】との再会というルートを掴み取るために。向かい風に阻まれ、手足がすくむような現実セカイが待ち受けていたとしても、私【すいせい】の意志は揺るがない。どんな形であっても、私なりの精一杯で愛を伝えに行くと誓おう。


最前線の地へ共に進もう
まだ見た事のない地図を拡げよう
君と開拓する三度交わる未来へと
Remember The Frontier Story

 最前線フロンティアの地を踏みしめるのは、君【AZKi】と一緒じゃなきゃ始まらない。新しく手にした真っ白な地図を広げて、出会った頃のワクワクを共有しながら。一緒に開拓しよう、こうして三度交わるという未来を手に入れたのだから。この歌と歌詞も開拓史の1ページとして刻み、この感動を糧に新たなフロンティア最前線を目指そう。


嗚呼、愛する思い出へ 捧げる歌を
One more again
 未開の最果てへ 踏み出す歌を
More the all 
ばらばらに砕けた欠片が一つに還るから
あの日を 胸に秘め 歩き出す
僕ら 今を 歌う

 愛しき"かの日々"を思い出す歌として、この歌を君【AZKi】と輝かしいあの頃の自分達へ捧げよう。そしてもう一度、これから新たな地へ踏み出す私達の再出発としてこの歌を昇華しよう。あちこちに散らばってしまった、あの日あの時の思い出・挫折・決意や失敗をぎゅっとひとつに還し、胸にそっと仕舞っておきつつ、これからの活動のバネにして、もっと更なる高みを目指して歩きだそう。さぁ、私達の開拓史に新たな1ページを刻む一歩としてこの歌を共に歌おう。


エピローグ


 いや、エモの極みでしょこんなの。(尚語彙力)すいちゃんとあずきちが出会った頃・同じ箱で過ごした日々・ホロライブで合流した現在いま2人がイノナカ組であったからこそ生まれた絆と、数多の波と節・葛藤と悲しい現実を乗り越えて来たからこそ、この歌は生まれたわけで。さらにはライブで歌詞を昇華させるというニクい演出まで…ずるいでしょう…!というか、すいちゃんが王子様すぎる。


 さらにはライブでは歌唱後にすいちゃんからあずきちへ手紙が贈られました。これにはあずきちも思わず涙を堪えらなかったですし、現地会場・配信を視ていたファンもさぞかし泣かされたことでしょう。初期から追っている星詠み・開拓者の感動はひとしおかと拝察致します。

 一方当の私はというとこの曲をしっかり認知していなかったこともあり、ライブ当初は感情の共有が追いついていませんでした。私がホロライブを認知し始めたのは2ndフェスの頃でしたから、活動の変遷やおおまかな流れ等は知っているつもりでしたが、2人をより深く知る機会と思い、イベントから大分月日は経過しましたが、今回の記事を書くに至りました。


 ─── さて、この記事を締めるにあたってちょっとしたお話をひとつ。この曲のタイトルに"Last"という単語が使用されていますが、「最後の・最終の」といった意味を持つ形容詞であるということは言うまでもありません。
 しかし“Last”は動詞に変化することで「続く・継続する」という意味にもなり得る単語なのだそうです。その言葉を使って、英語で下記のように解釈することもできます。

They are decided to lasting keep walk with each other
on the road to the frontier.
(彼女達はフロンティアへの道を共に歩み続けることを決意した。)
As long as they have the support of their fans to continue,
their activities will be lasting.
(ファンの応援がある限り、彼らの活動は続くことだろう。)

 ――― 活動の終わりが見えていたあずきちからすいちゃんへ背中を押す手紙のような形で創られた「The Last Frontier」は、歌詞の変化を加えたことですいちゃんからあずきちへ「一緒に歩もう」というアンサーソングへと昇華したことを、"Last"という単語の変化とそれが持ち得る可能性いう部分に重ねて解釈してしまう私なのでございました。


【※以下 2024.7.29追記】
 なんと、この記事が投稿された2日後の2024年07月27日に電撃発表があり、ライブで披露された「The Last Frontier - 5th fes. Live ver. -」がライブ音源そのまま且つ現地観客の声援もそのまま入った形で各種音楽サイトとyoutubeで配信リリースされることとなったそうです!是非下記URLから聴いて、この曲の素晴らしさをライブ感溢れる音声でお楽しみください!(ちょっと待ってくれ…イラスト、エッモ…)



あずきち&すいちゃんのチャンネルとXは下記になります▼

AZKi X(旧Twitter):https://x.com/AZKi_VDiVA

星街すいせい X(旧Twitter):https://x.com/suisei_hosimati


それではまた次回の「行間を訓む」でお会い致しましょう!
僕は観測する、輝き止まぬ「推し」の名を ―――
2024.07.25 つなな

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