行間を訓む vol.43 ~ 星街すいせい 「ソワレ」 編 ~
プロローグ
皆様ご機嫌麗しゅう。お元気でせうか?いきなりですが先般miComet主催にて開催されました「#holoGTA」、大いに楽しませてもらいましたね。個人的には(ホロリスはおおよそそうかもしれませんが)やはりフブキ医院長とパン屋視点が最高でしたね。ドラマありすぎ。ロールプレイ(演技)と分かっていても、アツい展開に胸の高鳴りを抑えることができませんでした。こんなにハラハラドキドキしたのはいつぶりでしょうかというレベル。全視点を追うのは難しいと思いますので、切り抜き動画などでかいつまんででも良いので味わってみて頂きたいですね。
私個人の直近での動きとしては「#hololiveCITY24」でテーマパーク・熊本県のグリーンランドコラボ初日(9/6)・三重県のナガシマスパーランドコラボ初日(9/27)・さらにはアニメ「日常」× 伊勢崎市(群馬県)のポップアップショップ2日目(9/22)など、推し事の為ならえんやこらと今月はあちこちに遠征しまくっておりました。今ほど通帳の残高と請求書を見たくない事はこれ以上無いのではないでしょうかというレベル。…ま、グッズと雰囲気を味わって楽しむことができましたから、これはもう実質無料でしょう。(現実逃避)
――― さて、今宵の「行間を訓む」の題材は先の話題に戻りまして、holoGTAの企画を主催されました名コンビの青い方、すいちゃんのオリジナル曲「ソワレ」を取り上げたく筆を取りました。
すいちゃん関連の過去記事はよろしければ下記もご覧下さいませ▼
――― なんと言ってもこの曲はリズムもさることながら転調や歌詞、声の響きが素晴らしく、何度でも聴きたくなる名曲と言っても過言ではないでしょう。
本楽曲「ソワレ」は2022/12/19に音源が公開され、2023/08/25にYouTubeにMVが公開されています。2022.12.05.にリリースされました自身の2ndアルバム『Specter』にも収録されており、作詞・編曲をナナホシ管弦楽団さんが手掛けられております。
未だ聴いたことがない方は是非下記から一度御視聴ください▼
――― いかがだったでしょうか。すいちゃんの圧倒的歌唱力と世界観に惹き込まれた方は多いのではないでしょうか。
表題の単語"ソワレ"はフランス語で【soirée】=夜の公演という意味で、反対にマチネ【matinée】=昼の公演という意味で、どちらも演劇用語です。すいちゃんが今宵招待するソワレは、一体どんな公演なのでしょうか。次の章から歌詞によって紡がれる物語を訓んで参りましょう。
歌詞訓み(§1)
あの空に見える夕暮れも間もなく畳まれて愈々暗がりと静寂に包まれると、それを合図に街は私が主役である舞台の準備を始める。
さぁ、客席のライトを消して今宵もオン・ステージ。あなたが私に期待や願い・思いを寄せてくれるように、「この瞬間が素晴らしいものになりますように」というささやかな願いをこの夜空に託して。
沢山の願いが星となって、私にきらめきという名のヴェールを纏わせてくれる。変わることない私という存在で在ることができるのはみんなの力あってこそだ。お陰で私は目元には力の源である"すいせい"を輝かせることができる。
私のソワレの幕が"今だ!"とばかりに開いた。さぁ、寝息を立てて休んでいる太陽を尻目に、瞬く星々と共に月光降り注ぐ夜空のステージへ逃走劇の如く繰り出してやろう。
早朝に段々と太陽の足音が聞こえたら、"続きはまた今度"と本に栞を挟むように袖に下がったら一旦幕間になるから、行かなくては。夜が完全にその幕を畳むまではこの素敵な時間を1秒でも長く、続けていたい。
歌詞訓み(§2)
私が鳴らした決意の鐘の音は、茜雲から夕日が差し込む時間になっても止むことは無い。さぁ、今宵も集まろう。皆の声援と喝采を受けて、私は新たな野心を心に宿して進んでいく。
これから先の話を不安なのかわからないけれど、寂しそうな表情を浮かべながら聞いているファンの皆に、「私の夢はあなたがいる限り続いていくんだよ」と伝えたい。そんな君への「おやすみ」に代えて、鳴りやまない鐘の音のように私の気持ちを何度だって届けよう。
夢を掴もうと果てしなく広く青い大空に手を伸ばしたから、この素晴らしい瞬間を共有することができたんだ。そして水平線がうたた寝して私と皆の境目を曖昧にする瞬間を目の当たりにした。僕らは、正に軌跡の目撃者だ。
終わることなく紡がれる物語が私達を繋ぐ架け橋となって多くの皆のもとに届くまで、カーテンコールは何度でも響き渡るだろう。
私たちの物語はゆっくりと時間をかけて唯一無二の消えることない軌跡を辿っていく。
長い年月を経て積み重なって行く物語はいつしか果てしない量となり、たくさんの人に読み継がれ、観測されていく。
※ Star tail=星の軌跡 / Star tale=星の物語
歌詞訓み(§3)
一晩では語り尽くせない悲しかった出来事も、一晩中語り明かせる胆力があるなら、それはいつしか「そんなこともあったなぁ」と笑って振り返ることができるだろう。
さぁ、皆で語り合おう。どんなことがあったのか、私に聞かせてほしい。そんな時間がまた、流れ星が尾を引くように一筋のストーリーを奏で出すんだ。
太陽が寝ているうちに星がきらっと瞬いたこの瞬間が、私たちの合図だ。地上に降り注ぐ流れ星の如く、時には羽目を外して楽しむのさ。
私が歩くのに疲れ果てて眠ってしまうまでは、この公演は何度でも幕を開けるだろう。それが、皆との約束。明け方の空を眺めつつ、また「今日のおはなしはここまで」「また明日も会えますように」と書きかけのページに栞を挟んで本を閉じ、今宵は一旦幕間としよう。
「嗚呼、私もあの舞台が恋しくなったよ。」そんな何気ないやりとりで君への手紙を徒然に書き始め、また今日も新たな物語が紡がれ、脈々と詠み継がれていくのだろう。
エピローグ
――― エモすぎましたね。すいちゃんが主役の夜限定公演"ソワレ"は、歌となって多くの人を魅了し、それを含めた活動の軌跡が彗星の名の如く尾を引き、更なる輝きを帯びながら今宵も私達に沢山の奇跡を届けてくれます。まさに彼女はスターダムを駆け上がる只中におり、その勢いはとどまることを知りません。
さて、記事の結びに私が気になった箇所のお話を。歌詞の中に「栞を挟んだら」という部分と「拝啓〜」の部分は、どちらも途中で手を止めている動作ですよね。
栞を挟んで本を読むのを中断する。(また読み始める事が出来るように)そして、「拝啓」で始めて「敬具」で結ぶところを、歌詞内では結びのレタリングがありません。(※英語でのレタリングは"Dear"で始めて"sincerely"等で結ぶといった作法等があります)
―――そう、物語は結末を迎えていないですし、ピリオドは打たれていない。ソワレの名の下、彼女の意思で開いた幕は観客の声援を受けて何度でもスポットライトを浴び、数多の物語を紡ぎ出すのです。バーチャルアイドル「星街すいせい」の物語はまだまだ続いていくという決意のようなものを感ぜざるを得ません。その軌跡を観測し、集まり、語り継ぐ我々リスナーも公演に花を添え、物語を彩る存在なのかもしれませんね。
すいちゃんのチャンネルとXは下記になります▼
星街すいせい X(旧Twitter): https://x.com/suisei_hosimati
それではまた次回の行間を訓むでお会い致しましょう!
今宵もソワレが瞬き、幕が開く ―――
2024.09.30. つなな