行間を訓む vol.31 ~ from Blue Journey 猫又おかゆ / 白銀ノエル / 天音かなた「astro」編 ~
プロローグ
お久しBlue Journeyでございます!(?)最近親不知を抜歯して物理的に少々痛い思いをしたつななでございます。いきなり物理的な痛い話で恐縮です。幸いなことに術後の経過は良好ですし、普通に抜歯した側で食べ物も咀嚼できますが、ちょいちょい頬を噛んでしまって口内炎起こしてるんですよね。痛いんだこれが。普通に食べ物が食べられるありがたみをしみじみと感じる今日この頃です。
さて、先日2023.07.08.の告知配信にてホロライブの音楽レーベル「Blue Journey」の1st.アルバム発売と1st.ライブイベントの告知がなされました。アルバムは2023.09.06.発売、1st.Liveは2023.09.13.東京ガーデンシアターにて開催が決定。アルバムのタイトル「夜明けのうた」がそのままライブタイトルに冠されております。
そしてさらに!2023.07.17.付で4番目に公開の新曲「astro」が公開されました。Blue Journeyの楽曲を行間を訓む企画で追いかけつつ注目楽曲なども訓み、諸事情で間が空いて今回で31回目を数えました。本記事では「astro」の歌詞の内容について見ていきたく思います。
前回(vol.26)のBJ楽曲記事はこちらです▼
今回はMVでありつつも、それまでの3曲のように大きく動きのある内容ではなく、シンプルに楽曲に注目できるような内容になっております。
歌い手は前回に引き続き登場の「天音かなた」さん、3期生・脳筋女騎士の団長こと「白銀ノエル」さん / ゲーマーズからおにぎり屋さんの看板猫「猫又おかゆ」さんの3名です。声に特徴のある3人ですが、これまたありそうで無かった組み合わせ。おかゆんは中性的な声、団長は特徴的な歌声(意味深)をお持ちなので、化学反応が楽しみなところです。
初見の方、もう一度という方は下記から是非一度ご試聴下さい!▼
―――その名の通り「宇宙」を感じさせるような歌詞と、囁くような3人の歌声が癖になる。それでいて文字通り自由落下してくるようにスッと心に染み渡るような仕上がりです。さらには壮大な宇宙で彷徨う孤独さとその中で出会い/別れる奇跡のようなものが描かれているように感じました。次の章から歌詞について触れながら中身を見ていきましょう。
注)セクション分けや歌詞の内容の考察ついてはあくまで筆者の個人的主観です。私自身は専門家でも何でもありません。もしかすると表現や言葉使い等に間違いもあるかもしれませんし、解釈違いが起こることは否めませんので万一の場合はご容赦ください。
歌詞訓み(§1)
日に日にかかる「さよならの魔法」。
宇宙で旅を続ける航海士のあなたへ、どうか私の話を聞いてはくれないだろうか。大きなスケールで見ているあなたからすれば平ごく凡なことかもしれないけれども。
言葉はありがたいけど、宙に浮いて消えてしまうかも知れないから、手書きにして形に残して欲しい。その方がよっぽど綺麗に見えるから。
まだ見ぬ世界を目指して、君も僕も旅を続けているのだろう。視界は良好、自由落下の旅をさぁ。お互いひとりぼっちで周波数を合わせて巡り会ったふたり。これって実は幸せなことだ。
いつかまためぐり逢うその日まで日増しにかかって心に残る「さよなら」の魔法。会いたいが一周回って戻ってくる、そんな旅の終点を目指して未だに歌い続ける。
振り返ればたいしたこともないことで笑える、そんな日常が愛おしく思えるくらい、別れの理由は「青かった」のかもしれない。
歌詞訓み(§2)
メッセージに残すなら、同時に言葉にも出しておいて欲しい。君の声を記憶に留めておくためにも。形のあるものは綺麗だけれど、同時に限りがあるものだから。
一緒に「どこまで行ってみようか」と言いつつ旅をしてきたけれど、実は既にぼくらはいつの間にか分岐点に立たされていることは知っていて、だからこそあえて言葉にしていなかったけど。
分かれて歩く「ひとりぼっち」と数多にある「分かれ道」は似ているし、先に進む道は狭くても、いつかは広いところでまた会えるだろうから。別れの言葉は今口にしたくない。
僕らの旅路は全て鮮やかな青色で染められている。分かれと出会いを日毎に重ねて、全力で駆け抜けてから振り返って自分の幼さを思い知って。そんな日々を送りながら歩む道程。
「さよなら」が一周して戻ってくる、そんな旅の終点を目指して。「ハロー」と「グッバイ」を繰り返していれば、いずれは行き着く先でめぐり逢うだろうから。
終わりの無い孤独な旅はこれからも。衛星の周回軌道上のように数千分の一程の確立で出会えた僕らは、また数十・数百年後という途方も無い周期を残し、逸れて離合する。
見た目や声等の目に見えて分かる手がかりが変化してしまい、遠い日の記憶ではなく現実にしかフォーカスが合わなくなっても、出会った僕らはまた理想と目指す夢を語っているだろうと確信する。中身のない他愛も無い話しもまた魅力的なのだから。
歌詞訓み(§3)
分かれ別れてきた日々を積み重ね、まだまだ終点を目指して、今日もまたひとりで旅をする。
「さよなら」ではじまり、終わるかもしれない道程。それって「さよなら=ピリオドであり次の章の始まり」かも。
――― 刹那、僕らを縛っていた魔法が解ける音がした。
「会いたい」という意志の反対は「会いたくない」とは限らず、「会いたい」という結論でも良いんだ。
退屈さでさえ愛おしく、振り返ればたいしたこともないことで笑える。そんな日常が愛おしく思えるくらい、なんでもない日々を心にそっとしまっていつでも取り出して懐かしむことができるようにしておこう。
地球が青かったのと同じように、僕らは青い果実だった ―――
エピローグ
果て無き宇宙を航海する宇宙飛行士と、出会いと別れを繰り返す現代に生きる人々の旅路を重ね合わせて。まさに「Blue Journey」のごとく、またもや違った角度で青春の一頁を綴った耳心地の良い一曲でした。
「地球は青かった」という旧ソ連の宇宙飛行士ガガーリンの有名な言葉に準えて、ラストに「僕らは青かった。」という歌詞で締めくくっている箇所が印象的でしたね。
後から気付いたことですが当楽曲のMV、背景がじわーっと変化して、星空が少しずつ動いているんですよね。よーく見ないと気付かない変化です。
さて、先程触れたガガーリンの名言について、調べているとこんなことも書いてありました。
訳し方でかなり印象が変わるといういい例だと思います。私が今行っている”歌詞の中身・内容について考察して同じ言語で再翻訳していく=行間を訓む”ことにも似ていますね。
毎度記事の冒頭に注意書きを出させて頂いているように、人生という壮大な旅路に明確な答えがないのと同じで、私が行っている企画も個人的主観であり、あくまで沢山あるひとつの解釈に過ぎません。
現に、この「astro」の歌詞内でも、前半冒頭で「メッセージは手書きにしてよ」と言っているのに後半冒頭で「メッセージは言葉にしてよ」と主張がブレてしまっていました。考察する際に苦慮しましたが、文字通り「芯がしっかりしていない=青さ=未熟さ」を象徴しているようだというように私は捉えました。
しかし、沢山ある星々のように果てしない宇宙にちりばめられた答えの手がかりをつなぎ合わせ、不格好ながらも自分なりのAnswerを創り上げる。それらは何千・何万分の一の奇跡的な出会いや別れを繰り返す旅路の過程でそれぞれ個々人/自分なりの個性や色味を帯びながら夜空に瞬く星のように旅を彩る ――― そう考えると、人や物との出会いや別れもなんだかロマンティックな気がしませんか?
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――― それではまた次回の「行間を訓む」でお会い致しましょう!
ばーいばいでグッバイ Day by Day♪
2023.08.23. つなな