【オリジナル】雪
君は嘘をつく時に髪を触る
なんてわかりやすい癖なんだ
君は気づいてないみたいだけど
暖かい部屋の隅の傷を見つけて
若かったななんて呟いてみて
なんにも変わってないことを拒んだ
君がいつもよりたくさん笑う時は
なにか隠したい寂しさがあるときで
いつかを思い出さないようにしてるんだね
この雪なんて溶けなければいいのに
苦しい春なんて来なければいいのに
桜が咲くから花が彩るから
自分の影が目立ってしまうんだね
季節が移り変わって
僕も大人になった気になっていた
君は寂しさなんてもう忘れたなんて
そっと雪で濡れた前髪を直して言った