12/5車、動かなくなる
残業せずに退社できたので、るんるん気分で車のキーを回すとカカカカカカと音が鳴るばかりで、車が動かない。
ついに壊れたか。
2年前に購入した事故車である。
何が原因なのか携帯で調べてみる。
携帯がなかったら原因すらも調べられなかったので、今の文明に生きていることを感謝する。
どうやら、バッテリーがあがってしまったらしい。
とりあえず保険のロードサービスに連絡。
メッセージで内容を入力する。
緊急の方とそれ以外の方と2つの項目で分かれていたので、それ以外の方を選ぶ。
職場の駐車場なので安全だし、他にもっと緊急の人もいるかも知れないと思ったからだ。
何に遠慮しているのか。
みなさん、安心してください。連帯保証人にだけはなるなと親から教わっています。
代償に2時間失うことを決断することになった。
30分車の中で待ってみる。
ぶる…ぶるぶる
昨日と気温が全然違うじゃないか。
季節の変わり目は、より多くの人間が来て欲しくないタイミングで来ているようにしか思えない。
凍死が頭に浮かんで車を出る。
スーパーを巡る。1匹まるまるのどくろが売っていて、るんるんでレジ前まで行き、車が故障していたことを思い出す。
魚と別れた私は、次のスーパーに向かった。
歩いていると容赦なく寒さが襲ってくる。
あたたかい飲み物が欲しい。
ここで火を起こしたら警察は来てくれるが、車は直らない。狩猟文明の魂が表に出てくるのををぐっとこらえる。
やっと次のスーパーを見つける。
しかし、冷たい飲み物しか存在していなかった。きっとこのスーパーは今の時期だけ南半球のお客さんが多数を占めているに違いない。
その後見つけたコンビニで温かいお茶と辛いチキン(欲望に負けてしまった)を購入した。
コンビニバンザイである。
車をジャンプスターターで直してもらう。
この名称を今知っているのも車の中で車の勉強をしたおかげだ。
困ったとき初めて真面目に勉強する。
試験勉強の前日に教科書にかじりついていた経験がここにきて裏目に出るとは。
ごめんな、車。
今度からは車の用品を揃えて自分で修理するから。
事故車とかポンコツとか言いながら、愛着が湧いているのだった。
過去から未来に運ぶもの
ずっと寄り添う似た者同士
助け合えたら幸せだよね
今度満タンにお腹を満たしてあげるから