【お茶が好きすぎて退職?!】元農水省官僚に聞くお茶の楽しさ(ゲスト:御茶村さん)
ティーブランド「TSUNAGUTO」が始まって早1年以上。こちらの公式noteを更新してきた中の人の目線とはまた違う「お茶の楽しみ方」や「お茶の良さ」を知るべく、今回は初のゲストをお呼びしました!
農林水産省公式YouTube「BUZZ MAFF」(ばずまふ)で日本茶の魅力を発信する「日本茶チャンネル」を企画、出演、撮影をされてきた御茶村さんです!
御茶村さんプロフィール
1992年生まれ。2016年に農林水産省へ入省。2020年、内閣府クールジャパン戦略担当主査として出向。
同時に農林水産省公式YouTube「BUZZ MAFF」において日本茶の魅力を発信する「日本茶チャンネル」を企画。「御茶村」として出演、撮影、編集を行い動画を投稿。
その他、マガジンハウスの書籍『食材のトリセツ』でお茶ページの担当など。
2021年に農林水産省を退職し、個人でお茶の振興活動を開始。YouTubeチャンネル「御茶村/Ocha mura」をスタート。
御茶村さんのYouTubeは記事の最後にもリンクがあります。こちらの記事を読み終わった後に、ゆっくりご覧ください!
なぜ農林水産省を退職したのか?
中の人(以下、矢島):つい最近、農林水産省を退職されたそうですが、どうしてですか?
御茶村:いきなり直球の質問ですね笑 御茶村という名前で活動しているだけあってお茶が好きなのですが、そもそもは理系の両親の影響もあって食や農業全般が好きなんですよね。だから農林水産省の仕事は天職だったかもしれません。ですが、前々から役所生活を続けるかどうかは30歳前後で考え直そうと決めていたんですよ。
矢島:農林水産省でもお茶や食に関わる仕事をされていたと思うのですが、辞めてまでやりたいことがあったのでしょうか?
御茶村:役所の調整業務や農林水産省は好きですし、相当に悩みました。結局、幅広い分野で農林水産行政に関わるよりも、30代はお茶や食の現場にフォーカスした生き方をしようと思いまして。
それに、公務員は色々と制限(副業禁止など)があるので、民間企業とのコラボなどできない事もありました。今回のこのインタビューも公務員のままだと受け難かったと思います笑
矢島:お声がけしたタイミングがよかったですね笑
お茶が美味しくなる方法を聞いてみた
矢島:取材協力をされていた『農林水産省職員直伝「食材」のトリセツ』にもお茶を楽しむコツが載っていましたが、普段お茶を飲んでいない人にも分かりやすいお話が多かったですね。
御茶村:例えば、お茶の楽しみ方として心がけてることなんですけど、部屋に一人でいたとしても声に出してみるって大事だなと思っていて。お茶飲んで「あぁ美味しい」とか「あったかいな〜」とか。思ったことを言ってみるってお茶を楽しむ方法の一つかなと思います。
▲TSUNAGUTOのリセット茶を飲む御茶村さん。
矢島:な、なるほど。今すぐ実践できるコツとしては全然アリですね。
御茶村:あと、タイミングによってどのお茶を飲むかを分けてます。TSUNAGUTOさんが色々な種類を出されているのと一緒ですよね。その日の気分によって温度や濃さを変えたりは僕もしていて。
その中にも、よく買っていて、自分の定番にしているお茶があります。それにプラスで普段飲まない産地のお茶を買ってみるのも、楽しみ方の一つなのかなと。
▲TSUNAGUTOのお茶は全て宮崎県五ヶ瀬産ですが、全部で9種類あるので気分で選べます。
矢島:まず「定番の茶葉やお湯の量」を決めるということですね。気分によって濃さを変えるには、定番の濃さが決まっている必要があって。「今日は茶葉やお湯をたくさん入れちゃった」といったバグみたいな変動だと、どういう時にお茶が美味しいか分からないので。
その上で、気分によってお茶の種類も変えられるのは、定番の慣れたお茶を持っているからこそですね。
御茶村:TSUNAGUTOさんのお茶は量が一定のティーバッグなので自分の定番が作りやすいですね。
ブレンドティーも飲んだのですが、とても日本らしく、煎茶や紅茶の良さを残したまま華やかさなどハーブの良さを調和させていて飲みやすかったです。
種類が色々あるので「違いを楽しむ」というお茶の魅力を気軽に味わえるのも良いと思います。
お茶は「丁寧な暮らし」の入り口
御茶村:TSUNAGUTOの記事って、お茶の記事だけど料理についても書いていて、素敵だな、ちょっと羨ましいなって思うんですよ。僕も料理が好きなんですけど、東京で働いていた時は平日に料理をする時間を全く作れなくて(筆者注:現在は京都を拠点に活動)、「手料理があるような丁寧な暮らし」に憧れがあったんです。
▼和菓子も作る御茶村さん。料理が好きでも、毎日だと大変ということですね。
御茶村:例えばお漬け物とか作り置きのものが冷蔵庫にあって、それを出して食べるって、一人暮らしで毎日出勤しているとなかなか難しいですよね。
▼こちらの記事は、お茶請けにするための漬物を作るところから始まります。
御茶村:そうした中で、お茶を淹れようと思ったら、コーヒーでもそうですけど、お湯を沸かして、その時に飲みたいなと思う湯呑みとちょっとしたお茶請けを用意するだけなので、お茶があれば少しでも「丁寧な暮らし」という憧れに近づける気がするんですよね。
矢島:確かにこのnoteでも、手作り感のある記事ばかり書いていますね。たまに市販品と茶葉を混ぜるだけの記事も書いたりはするんですけど。
▼こちらは市販のマスカルポーネチーズと茶葉を混ぜるだけの簡単なレシピ。
御茶村:あまり難しく考えずにお茶を楽しめると良いですよね。日々料理をしたり、キッチンや部屋が綺麗に片付いている状態を維持するのは簡単ではないですが、お茶を淹れるだけだったらハードルは低くて。お茶を淹れて飲む事そのものが丁寧な時間を演出してくれる入り口な気がしています。
矢島:それが御茶村さんから見たお茶の魅力の1つなんですね。
御茶村:そうですね。TSUNAGUTOの記事って、そうした暮らしに憧れがある人が「いいな」って思うのかなと。「お茶のある落ち着いた暮らしをしたい」みたいな、普段お茶を飲んでないけど、休日にお茶を淹れて飲む自分をイメージしたい人。
矢島:「休日にお茶を飲んでみたら何かいいことあるかも」と期待する気持ちにも近いのかもしれませんね。
▼御茶村さんの暮らしが垣間見える、休日のモーニングルーティーン動画。料理に限らず、植物を育てたり、お部屋に骨董品がさりげなく置いてあったりする暮らしにも憧れます。
「お茶の良さ」の伝え方
矢島:これまで記事の中で、「お茶っていいよね」とはほぼ言ってないんです。例えば登山の記事(山の上で茶殻をご飯に混ぜ込んで炊く記事)は、山でお茶を飲むのはいいぞって言いたいのではなく、「茶殻を食べたことによって持ち帰るゴミが減った」とか、そういうことで喜んでます。
矢島:「お茶っていいよね」っていうのは、もう既にお茶の良さがわかってる人同士の会話であって、そこに「私あんまりお茶は飲まないんですけど」っていう人は入りづらいですよね。
御茶村:そうなんですよ。興味がない人にお茶の魅力をどう伝えるかは悩ましいです。「BUZZ MAFF」(農林水産省職員さんによるYouTube動画)を撮っていた時は、お茶を楽しんでいる姿を見せることで、「何かいいな」と思ってもらいたいというスタンスだったんですよ。僕がお茶の袋を開けて香りを嗅いで、ああ〜ってやってるところあるじゃないですか。
▲動画では恒例のお茶仕草。
御茶村:変なことしてるけど楽しんでるなっていうのを見てもらうのはすごく大事だと思っていて。もちろん袋から匂いを嗅いで香りを楽しんで欲しいとも思ってますけど。
お祭りって、真ん中で踊って楽しそうにしている人たちがいたらその輪に入りたくなりますよね。お茶を楽しんでいる姿を見せることが、お茶を飲んでみたいと思ってくれる人を増やすことに繋がると思って動画を作っていました。
矢島:BUZZ MAFFではまさに、農林水産省の仕事と御茶村さんのやりたいことが繋がっていたわけですね。
御茶村:今は農林水産省を辞めて、立場が変わってしまったわけですが、基本的に「やりたいこと」の考えは変わっていなくて。むしろ今後は自由度高く、生産から販売、消費や文化まで俯瞰的に関わって行けるのかなと思っています。
矢島:今後はどういう活動を考えていますか?
御茶村:BUZZ MAFFの路線は引継ぎつつ、お茶の魅力や楽しさを伝える発信や他分野の発信をして、お茶仲間を増やしていきたいです。YouTubeに限らず、イベントに出たりして、異業種も含めたお茶好きな人達のネットワークを広げて行きたいですね。全国で生産から消費まで楽しく盛り上がるための一助になる活動を目指したいと思っています。
▲茶畑で動画を撮る御茶村さん。今後の動画も注目です。
必見!お茶情報アカウント
今回はお茶そのものを美味しく飲む方法や、「美味しい」以外のお茶の美点についても教えていただけました。皆さんもTSUNAGUTOのお茶のパッケージも嗅いでいただき、ぜひ茶葉の香りも味も楽しんでくださいね!
▲御茶村さん、ありがとうございました!
そんな御茶村さんの動画は記事末尾のSNSからご覧いただけますが、その前に!!!
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W:矢島愛子(写真は御茶村さんご提供)
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